母はずいぶんと昔からぬか漬けをつけていた。冬の間は表面にからしをたっぷりといれて蓋をして涼しいところにしまう。それ以外の時期は毎日必ずかき回して腐らないように管理していた。子供心に相当に気を使い腐らせないようにしているのが見ていて分かった。多分ずっと使い続けてきたぬか床を自慢にもしていただろう。旅行に行く時などはどうしていたのだろうと思うが、一度か二度くらい駄目にしてしまって、あ〜と言っていたのを覚えている。
母のぬか漬けは浅漬けが好みの私にはちょうど良い塩梅で、たまに他所のおたくのぬか漬けをおすそ分けしてもらって食べると、古漬けっぽかったりしょっぱかったりして、やはりうちのがいちばん美味しいとなる。おそらくぬか床の味や発酵具合もあるだろうが漬けてから取り出す時間が絶妙だったのだと思う。夏になるときゅうりやナスのぬか漬けが夕ご飯に必ず出て、表面がツヤツヤと綺麗な色だったのを思い出す。
母はぬか床を封印している冬の間は白菜の漬物をつけていた。ゴミ箱くらいな大きなバケツに白菜を重ねて塩を降り鷹の爪や柚子の皮など入れて重石をする。これも漬かり過ぎない加減のちょっと浅漬けっぽいのが好きで、やはりこれも引き上げるタイミングが絶妙だったのだろう。母が高齢になり、不正脈などになって来たころ、こういう日常の何気ないことを聞いておかないと、急に倒れたりして二度と聞けないかもしれない、とある日詳しく聞いたのだ。母は脳梗塞になり、もう家事さえできない今となっては聞いておいて良かったかもしれない。といってその後一度もつけた事はないし、いくらでも調べれば漬け物のつけ方なんて分かるのだろうが、でも聞いておいてよかったと思う。
私はまめな性格ではないので、ぬか漬けも白菜漬けもやろうとは思わない。でも市販のものは添加物など気になるし高いので冷蔵庫でタッパーに入れて作るぬか漬けでも試してみようかなと思ったりする。
母のぬか漬けは浅漬けが好みの私にはちょうど良い塩梅で、たまに他所のおたくのぬか漬けをおすそ分けしてもらって食べると、古漬けっぽかったりしょっぱかったりして、やはりうちのがいちばん美味しいとなる。おそらくぬか床の味や発酵具合もあるだろうが漬けてから取り出す時間が絶妙だったのだと思う。夏になるときゅうりやナスのぬか漬けが夕ご飯に必ず出て、表面がツヤツヤと綺麗な色だったのを思い出す。
母はぬか床を封印している冬の間は白菜の漬物をつけていた。ゴミ箱くらいな大きなバケツに白菜を重ねて塩を降り鷹の爪や柚子の皮など入れて重石をする。これも漬かり過ぎない加減のちょっと浅漬けっぽいのが好きで、やはりこれも引き上げるタイミングが絶妙だったのだろう。母が高齢になり、不正脈などになって来たころ、こういう日常の何気ないことを聞いておかないと、急に倒れたりして二度と聞けないかもしれない、とある日詳しく聞いたのだ。母は脳梗塞になり、もう家事さえできない今となっては聞いておいて良かったかもしれない。といってその後一度もつけた事はないし、いくらでも調べれば漬け物のつけ方なんて分かるのだろうが、でも聞いておいてよかったと思う。
私はまめな性格ではないので、ぬか漬けも白菜漬けもやろうとは思わない。でも市販のものは添加物など気になるし高いので冷蔵庫でタッパーに入れて作るぬか漬けでも試してみようかなと思ったりする。