星を見ていた。

思っていることを、言葉にするのはむずかしい・・・。
良かったら読んでいってください。

ごあいさつ

2006-12-31 23:57:07 | ごあいさつ・おしらせ
こちらに訪れて下さった方、コメントを残していただいた方、大変ありがとうございました。

自分の作った文章を載せる、それを連載していく、ということに不安はたくさんありましたが、勢いで始めてしまいました。そしてぽつぽつ載せてきました。それを読んで下さる方、コメントを入れて下さる方がいるということが、とても驚きで、そして嬉しかったです。

ここ1ヶ月ほどは、色々忙しく更新がちっとも進まないままですが、毎日少しでもこちらを覗いて下さる方がいらっしゃるというのが励みでもあります。ありがとうございます。

また来年も、不定期に、自分の作った拙い文章を載せていこうと思っていますが、どんなご意見でも結構ですので、何か気付いたことがありましたらコメントに残していただくと嬉しいです。

皆様にとってよい1年でありますように。来年もまたよろしくお願い致します。
コメント (2)

美しい雪

2006-12-09 16:47:17 | 読みきり
静かな病室に、クリスマスソングがオルゴール音で小さく流れている。もうこの曲を、何度聞いただろうかと思った。午前中の回診が終わったら、昼食までやることがない。部屋の中は一定の空気が保たれていて、寒くも暑くもないけれど、外の景色を見るだけで、今日は寒い日なのだと、分かった。どんよりと曇って、お日様が出ていない。

点滴の管を見つめていると、なんとも言えない不安が湧いてくる。このままこうしてじっと安静にしていて、きちんと赤ちゃんは生まれてくるのだろうか。あと一ヶ月安静が必要だということだけれど、臨月になる前に生まれてしまうんではないかと、そう思った。先生が言っているように、自分でも子供が私のお腹の中の、ずっと下の方にいることが分かる。

今日も誰もここには来ないだろう。まだ妊娠7ヶ月目だというのに、急に入院することが決まったので、職場以外の友人は私がここにいることを知らない。だんなは今日も仕事が遅いだろうから、きっと来ないだろう。母は昨日来たけれど、今日は用事があると言っていた。

小さな音量で流れる、ジングルベルを聞きながら、街のイルミネーションのことを思う。今ごろはあちこちクリスマスの彩りできれいになっていることだろう。私はまだ、当分ここから出られない。出たらすぐに子供が生まれるだろう。そうしたら早々外になんか出かけられないだろうと思う。

生まれてくる子供の準備を、何もしていない。産着を揃えたりベビーベッドやベビーカーを買ったり名前を考えたり。名前は候補が色々あったけれど、もう何だかどれにしていいやら、分からなくなってしまった。こうしてあまりにも考える時間があるものだから、却って煮詰まらない。性別もあえて聞かないようにしているので、どちらだか分からない。けれど絶対に男の子だと思う。女の子のお母さんになることは想像できるが、自分が男の子の母親になるなんて、全く想像ができない。それに男の子の母親なんて、苦手だと思ってしまう。それなのに、何の根拠がないにも関わらず、このお腹の中の子は絶対に男だと思う。

寝てしまうと夜眠れなくなるので、なるべく眠りたくはない。入院するまでは、一日寝転んで本でも読んでいたいものだと思っていたけれど、さすがに食事洗面トイレ以外のすべての時間を読書に当てられる生活が長く続くと、それにも少し飽きが来る。それに、点滴の方の腕が使えないので、厚い本や雑誌を支えていると結構疲れる。

うとうとした。ほんの数分間か、数十分。もうすぐお昼だと思った。脇にある小さな窓を見ると、雪が降ってきた。どんよりした暗い空から、紙ふぶきのように雪が降る。殺風景な、何の変哲もない住宅街と森とマンションが見える外の景色が、とても美しいものに思えた。はらはらと、とめどなく落ちてくる雪を、飽きずに眺めた。

そのとき突然、頭の中に美しい雪、という字が浮かんだ。決めた。私の子供は、美しい雪。もし女の子が生まれたら、この名前にしよう。多分この名前を付けた状況を、小さく流れるオルゴールの音を、外で美しく舞っている雪を、私はきっと、忘れないだろう。

にほんブログ村 小説ブログへ

コメント (2)