映画を見るのが好きなんだけど、若い頃は1人でもミニシアターなんか観に行ったし、テレビで夜中にやっていた映画や、古い白黒映画なんかもよく観た。私の若い頃はレンタルビデオ屋でビデオを借りる時代だったのでフランス映画なんかをよく借りてきて観たりもした。
子供が出来るとそんな暇は無くなり、たまに映画館に行くとすれば子供が観たいというディズニー映画だったりして、この20年位の映画はさっぱり分からない。
最近はアマゾンプライムでもっぱら映画を観ている。もともと映画目的でプライムに入った訳じゃないし、最初の頃はあんまり種類もなかった様に思うのだが最近は結構種類も増えていて暇な時にたまに観る。
映画も本そうなんだけど、たくさんタイトルはあってあらすじを見ても、なんかこれ観たい(読みたい)と思うものがない。で結局古い時代のを探してみたら意外と結構古い映画もあって、この間は「東京物語」を観た。
小津安二郎の映画は昔NHKでよくやっていた記憶があって観たことがある。でも一本キチンと観たことはなくて初めて最初から最後まで観た。終戦後ちょっとの時代だと思うのだけど、私がいちばん好きなのはあの頃の言葉使い。今の日本語より品があって丁寧でいいなと思う。私は母が昭和一桁生まれなので、かろうじてあの時代の雰囲気は分かる気がするのだ。
時代は変わっても家族のあり方とか人間は変わらないから結構普遍的な内容だと思う。私が印象に残ったのは父親役の笠智衆が昔の知り合いに会ってお酒を飲むシーンで父としての本音が出てしまうのだが、町医者をやっている息子に満足してる訳ではなくこんなはずじゃなかったと思っている。しかし、それは親の欲であり欲張ってはキリがない、と言う。相手の旧友も今時親を殺す人間もいるのだから、なんぼもましかと思わないといけない、と二人納得し合う。
時代は変わっても、親の気持ちはいつの時代も変わらないのだとつくづく思う。他にも田舎から東京へ出てきた老夫婦の滞在から田舎に帰りそして急死し葬儀が終わるまでの描写の間には共感したりする部分がたくさんある。それがひと昔、いやふた昔くらい前の日本の今よりのんびりした風景や口調のせいか余計にしんみりとするのだ。
しかし原節子は美しくてスタイル良くて品が良いなあ。こういう女性に憧れるなあ。