仕事中パソコンに向かっていると、急に眠気が襲ってきた。
あくびが出でくるような単純な眠気ではなく、頭の、脳の奥のほうで、まるでコンピューターがフリーズする前に動作が重くなるように、自分の頭の奥がひどく重たくなるのを感じた。
「秋元さん、大丈夫?」
向かいの机に座っている同僚の女性が、山積みの書類越しにこちらを覗き込んだ。
このまま目を閉じたらきっと即座に眠りに落ちてしまうだろう。体がだるく返事をするのも鬱陶しく感じたが「いや、大丈夫だよ。」となんとか答えた。
しばらくじっとしていたが、じっとしていると体が見えない穴の奥底に落ちていきそうな感覚にだったので、むりやり立ち上がりトイレへと向かった。用を足すつもりはないが涼しいところへ移動したかった。トイレは常に窓が開け放たれ、オフィスよりも幾分は涼しかった。
鏡に映る自分は特段顔色が悪いようにも思えなかったが、気のせいかやや顔色が青白いようにも見えた。冷たい水でざっと顔を洗う。頭が少しすっきりして席に戻ると先ほどのあの異様な眠気はなくなっていた。
今日は残業もなく、いつもより早く家に帰ることができそうだ。
妻からはちょっと遅くなりそうだとメールがあった。帰りにスーパーに寄って、何か買っていこうと思う。僕は簡単な料理なら何とかできる。
家に帰りサラダを作った。作ると言うほどのものでもなく、ただ野菜を洗って切ってそしてドレッシングをかければいいのだ。僕にもできる。
あとはステーキ肉を焼けばいいだけだ。スープは缶詰があるからそれでいい。
妻の帰りを待った。これから電車に乗る、とメールがあったので、今日はステーキだよ、と返事をした。
帰ってきた妻は手ごろなワインを買ってきた。
「おかえり。」
玄関でキスをした。
僕たちは新婚3か月だ。新婚だけどずっと付き合ってきたので、新婚と言う感じがしない。だけど仲はいい。新婚3か月で仲が悪いということもないだろうが。
僕が言うのもなんだが、妻はかわいらしい。かわいいと言っても取り立てて美人とか可愛い顔をしているというのでもないのだが、その立ち居振る舞いというか雰囲気というか存在感というか、どう表していいのだか分からないのだがかわいいのだ。だがきっと、傍からみたらただの平凡な女だろう。良くも悪くもない、普通の女。
食事が終わり、妻は風呂に入り僕はテレビを見ていた。
また来た、あの感じが。
テレビの画面が遠くに感じられ、声が良く聞こえない。頭の芯のほうで意識が薄くなる感じ。このまま目を閉じて眠ってしまいたい。
事実そうしてしまったのだろう。妻の声で目を覚ました。
「風邪ひくよ、こんなところで寝ちゃ。お風呂に入ってちゃんと寝ないと。」
体はひどくだるく、力がよく入らない。ワインのせいなのだろうか。それほど飲んでいないのに、とぼんやりした頭で思った。
人気blogランキングへ
あくびが出でくるような単純な眠気ではなく、頭の、脳の奥のほうで、まるでコンピューターがフリーズする前に動作が重くなるように、自分の頭の奥がひどく重たくなるのを感じた。
「秋元さん、大丈夫?」
向かいの机に座っている同僚の女性が、山積みの書類越しにこちらを覗き込んだ。
このまま目を閉じたらきっと即座に眠りに落ちてしまうだろう。体がだるく返事をするのも鬱陶しく感じたが「いや、大丈夫だよ。」となんとか答えた。
しばらくじっとしていたが、じっとしていると体が見えない穴の奥底に落ちていきそうな感覚にだったので、むりやり立ち上がりトイレへと向かった。用を足すつもりはないが涼しいところへ移動したかった。トイレは常に窓が開け放たれ、オフィスよりも幾分は涼しかった。
鏡に映る自分は特段顔色が悪いようにも思えなかったが、気のせいかやや顔色が青白いようにも見えた。冷たい水でざっと顔を洗う。頭が少しすっきりして席に戻ると先ほどのあの異様な眠気はなくなっていた。
今日は残業もなく、いつもより早く家に帰ることができそうだ。
妻からはちょっと遅くなりそうだとメールがあった。帰りにスーパーに寄って、何か買っていこうと思う。僕は簡単な料理なら何とかできる。
家に帰りサラダを作った。作ると言うほどのものでもなく、ただ野菜を洗って切ってそしてドレッシングをかければいいのだ。僕にもできる。
あとはステーキ肉を焼けばいいだけだ。スープは缶詰があるからそれでいい。
妻の帰りを待った。これから電車に乗る、とメールがあったので、今日はステーキだよ、と返事をした。
帰ってきた妻は手ごろなワインを買ってきた。
「おかえり。」
玄関でキスをした。
僕たちは新婚3か月だ。新婚だけどずっと付き合ってきたので、新婚と言う感じがしない。だけど仲はいい。新婚3か月で仲が悪いということもないだろうが。
僕が言うのもなんだが、妻はかわいらしい。かわいいと言っても取り立てて美人とか可愛い顔をしているというのでもないのだが、その立ち居振る舞いというか雰囲気というか存在感というか、どう表していいのだか分からないのだがかわいいのだ。だがきっと、傍からみたらただの平凡な女だろう。良くも悪くもない、普通の女。
食事が終わり、妻は風呂に入り僕はテレビを見ていた。
また来た、あの感じが。
テレビの画面が遠くに感じられ、声が良く聞こえない。頭の芯のほうで意識が薄くなる感じ。このまま目を閉じて眠ってしまいたい。
事実そうしてしまったのだろう。妻の声で目を覚ました。
「風邪ひくよ、こんなところで寝ちゃ。お風呂に入ってちゃんと寝ないと。」
体はひどくだるく、力がよく入らない。ワインのせいなのだろうか。それほど飲んでいないのに、とぼんやりした頭で思った。
人気blogランキングへ