星を見ていた。

思っていることを、言葉にするのはむずかしい・・・。
良かったら読んでいってください。

歳の取り方

2017-05-16 06:57:40 | 日替わり
母が老人ホームに入っているので毎週末訪ねに行く。毎週行けない時は隔週ごとに行く。母は脳梗塞になった後は認知の症状があり、また視力がほとんどないため私が行っても最初誰だか分からない。声をかけて私だと分かるが、母の一番下の妹と私の雰囲気がとても似ているので、いつもその叔母と間違える。話している最中に何度も訂正するが数秒後また戻っている。

脳梗塞直後は自分が誰で名前さえ認識できない状態だったが、今は名前生年月日や親族のことはちゃんと分かるし比較的昔のことはよく覚えている。うちの子供達のことは生まれてからあんなに面倒見てきただろうによく分かっていないときがある。うちの子供達の名前が私と兄の名前に似ていることもあるが、混乱してしまうらしい。

私は母と話していて思うのだか、私は母の実の子供ではなく養子であるので、実は私は記憶にないんじゃないんだろうか、子供を産んだことがないのだから自分には養子でも子供はいない、という認識になっているのではないかと思う。けれど脳梗塞直後の、まるで母がまったく違う人間になってしまったかのような、外見は同じなのに中身がまったく入れ替わってしまったかのような、あのなんとも言えない違和感は今はない。少なくとも同一人物であるけど所々記憶が抜けているという程度だ。


ホームは10人くらいが1ユニットになっているが色々な人がいて、83歳の母は比較的若い方だろう。母以外の人はほとんど車椅子で寝たきりの人も一人いる。毎日やることがないのだからお互い話でもすればいいと思うのだか皆静かである。女は元気な時は年に関係なく子供も中年も四六時中喋っている生き物なのにあそこでは誰も喋っていない。不思議である。年をとると喋る元気もなくなるのだろうか。


母がホームに入るまでは自分の老後なんでまだまだ先と思っていたが、いつかは自分も辿る道なのだ、と思いながらホームのおばあちゃん達をいつも観察している。
コメント
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