星を見ていた。

思っていることを、言葉にするのはむずかしい・・・。
良かったら読んでいってください。

クリスマスカード

2008-12-21 01:43:16 | つぶやき
このところずっと仕事が忙しくて休みに出掛けるなんてあまりなかったのだけれど、先週はたまたま平日休みが取れて休んだ。少し時間があったので出掛けた先にあったソニープラザなんかを覗いていたら、クリスマスカードがあった。

もう、カードを出すには遅いのかもしれない。でもすぐ出せば24日より前に着くのでは、と思い何枚か選んだ。クリスマスに特別なこともしないのだけれど、それにかこつけてカードなんかを出すのはちょっと楽しい。

カードの中に天使の絵のカードが数枚あった。このブログに載せた「天使が通り過ぎた」という小説に出てくるクリスマスカードのイメージそのものだったので、つい誰かに出したい(できればその小説を読んだ人)と思い、出した。

カードを誰かに出す、という行為も久しぶりなことだったので、なんだか少しわくわくした。

みなさん良いクリスマスをお過ごしください。
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単純

2008-12-19 22:00:11 | つぶやき
ちょっと良いことがあって、そのことで、私は大袈裟に言ったら、生きる勇気が湧いてきた。
私は本当に単純だ。
嬉しい時は嬉しい顔をしていよう。
でもこの顔を、見せられないのが残念。
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fortune cookies(10)

2008-12-18 16:03:26 | fortune cookies
 アパートに帰りつくと私はソファもたれかかりそのままうずくまった。頭が酷く痛んだ。脈拍と同時にこめかみのあたりがずきんずきんと締め付けられるようだった。どこかに出かけて変に気を使うと必ず頭が痛くなるのだ。
「大丈夫か。」
 信次は私の顔を覗き込みながら言った。私の眼の高さに屈んで顔と髪を撫でた。私は反射的にその手の上に自分の手を重ねた。信次の手はごつごつとしていた。
「ただの頭痛。少しだけ寝かせてくれる?少し眠ると頭がすっきりするから。」
 私は信次の上半身を引き寄せて、すがるようにその胸に顔をくっつけた。シャツの上から伝わってくる体温と信次の匂いで私は少し落ち着いた。そのまま目を瞑ると地面がぐらんぐらんと廻っているような感覚がした。だが信次が、じっとそのままの体勢でいてくれたので私は安心して目を瞑っていた。
 
 しばらくして、ふっと時間が経過したような感じがして目が覚めた。信次の体は相変わらず私の顔の横にあった。体の上にはブランケットが掛かっていて、小さな間接照明ひとつだけが付いていた。壁に掛けた時計の秒針と、信次の呼吸の音しか聞こえなかった。私はしばらくじっとしていた。じっとして信次の体温を感じていた。頭痛は少し和らいでずきずきとした痛みはなくなっていた。私はぬるま湯につかっているようなほんのりとした温かさを感じた。このままずっとこうしていたかった。朝までこうして、一つのブランケットにくるまっていたいと思った。私が頭を少し動かすと信次が「起きたのか?」と呟いた。
「ごめん。相当寝てしまったみたい。今何時なの?」
 信次は時計を見もせずに、「うーん、夜中だろう。」と言った。
「先にベッドで寝ててくれればよかったのに。」
「何だか気持ちよさそうだったから。俺がどこうとしたら、お前が手探りでくっついてくるんだもの。子供みたいだな。」
 私は信次の顔を見ながら、思わず笑みをこぼした。顔がすぐそばにあったので、そしてそのまま軽いキスをした。

 その後熱いお風呂に入ってから、きちんとベッドに入って眠った。私は体を横にして丸くなり信次に後ろから包まれているような体制で眠りについた。私は満ち足りた気分だった。こういう時間には他のことを考えなくても済んだ。ただ温もりと、信次の体温と、体と、息遣いがすぐそばにあるのを感じているだけで良かった。こういう時間は最も幸福を感じる時間だなと思った。

 だが目が覚めるとまたしても信次は居なかった。途中ベッドを抜け出したのは覚えていたけれど、トイレにでも行ったのかと思っていた。カーテンの隙間からは朝日が弱々しく差し込んでいた。私は起きあがりのろのろと告別式に行く支度をし始めた。昨日確かに信次は私とぴったりとくっついて寝ていたはずなのに、今はもういない。今日はひとりで出掛けなくてはいけない。何時の電車に乗ればいいのだろうと頭の中で考えた。
 
 コーヒーをひとり分入れ、ゆっくりと飲んだ。頭は意外にすっきりとしていたけれど、なんとなくどこかに影があるような、ほとんど快晴なのにどこかで雲が発生しているような、そんな感じだった。信次は今日こそは子供のつきあいなのか仕事なのか。いつもこうして何も知らせずに去って行ってしまう。紙にでもメモをして、今日は子供の当番です、とか、急に仕事になりました、とか書いていってくれればいいのに、もしくはメールを入れておいてくれればいいのに、と思う。そんなに手間暇かかることではないのに。それともそういうことを逐一私に報告する義務もないのだし、またそういうことを私に言わなければならないということは彼にとっては縛られていると感じることなのだろうかと考えた。

 告別式は昨日と同じ雰囲気で滞りなく進められた。弔問に訪れる人は通夜よりはずっと少なかった。昨晩と同じようにじめっとした雰囲気ではなく、母娘は努めて明るい態度で列席者に接していた。
 
 出棺間近の時間になり、列席者はお棺に花を入れ始めた。順番に並んで棺の中を花で埋めていく。それから出棺の時間になり、列席者たちで少しづつお棺に釘を打って行った。その時、今まで毅然とした態度で臨んでいた叔母と従妹が突然嗚咽し始めた。それにつられて他の親戚も涙を流し出した。もう、この顔を見ることができない、この姿も灰になる、この世に姿さえ存在しなくなる、という事実が箱を閉めるという行為によって急激に訪れたのだろうか、と私はその光景を見ながら思った。叔母と従妹は「お父さん、お父さん」と何度も何度も言っては堰を切ったように涙を流していた。私はその姿を見て今までからっとした態度でいただけに、余計に母娘の気持ちを思わないではいられなかった。それと共に死んでしまってここまで悲しい思いに囚われる人が私にはいるのだろうかと思った。例えば育ての父親が亡くなっても私はこれほどまで悲しくなるのだろうか、実父ならどうなのだろうか、と目の前の光景を凝視しながら考えた。私はどちらの父が死んだとしてもそれほど悲しくはないのではないか、と想像してしまった。そしてそのことを考えついたということに罪悪感のような、後ろめたさのようなものを感じた。天涯孤独、という文字が急に頭の中に浮かんだ。私は最初から最後まで結局はひとりぼっちなのかも知れない。誰とも、明確な絆というものを結ぶことができないのかもしれない、と思った。


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休日の昼間

2008-12-13 20:34:49 | つぶやき
毎日通勤に往復約1時間半歩いている。バスを使わないで駅まで歩くから。
朝は、時間に余裕がないのでまるで競歩のように歩いている。もう、踵の高い靴は痛くて履けないので、このあいだ下駄箱の大掃除をしたとき箱にしまってしまった。

今日は仕事は休みだけれど、子供の用事があって駅までやはり歩いた。出勤ではないのでのんびりと歩いた。空気は乾いていて風は少し冷たく日差しは曇ってはいないが弱い。こういう日に歩くのは割と好きだ。私は気分よく歩いた。

土曜日の昼下がりは平日の朝と雰囲気が全く違う。年末になり交通量は多く、どこかへ出掛ける人たちが道路に行き交う。

私は思った。今、誰かに会いに行くために歩いているのだったら、どんなにいいだろうと。
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「墨東綺譚」

2008-12-05 17:37:06 | 
今日は久しぶりの平日休み。子供は学校に行っていないのでひとりぶらぶらと出かけようと思っていましたが、風が強く、昼近くには雨が降り出しまるで嵐のようになってしまい、一日家に閉じこもっていました。

最近ほとんど人のブログは見ていないのですが、ふと、ずいぶん前にずっと訪れていた人のブログを思い出しそっと覗いてみました。その人の恋の行方が気になったのです。久しぶりにその方のページを読んだら涙が出てきてしまいました。私は簡単に感情移入してしまう。

やっと「濹東綺譚」読み終わりました。以前一度読んでいたはずなのに全く記憶に残っていない。それとも読んだと思っていたのに読んでいなかったのかもしれません。

大正から昭和にかけての東京の周辺の様子が実に細かく説明されています。方向音痴の私は文章を読んでいてもどっちがどっちだか分らなくなってくるのですが、当時の町の様子や生活の様子など細かく描写されているのです。主人公とお雪が初めて会う場面、雨が降り出した中、主人公の傘の中にいきなりお雪が入ってくるところなどは、私はその時代をまったく知らないのに情景がはっきりと目に浮かぶようでした。会話のやりとりもいい感じだなあと思いました。昔の言葉ってどうしていいのでしょうね。お雪の場合は娼婦なのでそういう世界の人の言葉なのかもしれないけれど、江戸の人の会話という感じです。

永井荷風は自分は明治生まれでやはり大正生まれの人間とは違うのだ、と時代の変わりようを憂いていますが、まったく今も昔も変わりがないのだなと思いました。粋、とか情緒、というものが今の日本は存在しないように思うし、そういうものがあった時代を私はうらやましく思っているのですが、だからなのか自分が知っている時代でもないのに、なぜか懐かしい、という気がしてきてしまうのでした。

最近小説を読むと、どこがどういう風に良かったのだろうかと少しは考えてみるのですが、いい小説とかいい書き方っていうのは全く分からないのですけれど、読んで情景が鮮やかに目に浮かぶもの、登場人物の微妙な感情や心の揺れのようなものが読んで感じることができるもの、というのが私は好きかもしれない。そしてそういう文章を書きたいと思っています。

薄いのに、やっと読み終わった。





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