メリーゴーランドはまわり続けています。輪舞にのせて。
少女や少年。白髪の大人まで、みんな馬車や白馬にのって笑顔になって。
悲しい気持ちもこの乗り物にのれば楽しくなって、まわり行く先に夢が見えてきますよって。
入口の切符きりの紳士はそう胸を張るのです。
メリーゴーランドはまわりまわって。
乗っている人たちはまわりで見ている人たちに手をふって。
動いていく景色にしあわせを探していくのです。
子供たちは身近な夢の世界を胸いっぱいに感じて。
パパやママとともに楽しい会話、楽しい気持ちのままで。
どんな魔法もこの世界には確かにあるけれど今は隠されていて発見されるのを待っているんだと帽子を小粋にかぶった老人が勇んで声をあげるのです。
ミラーにうつる自分の笑顔、美しい宮殿のような装飾に自らの夢をかさねて。
ゆっくりと止まるメリーゴーランドに、入口で次を待つ人たちの期待のまなざし。
メリーゴーランドを降りてくる人たちに切符きりの紳士が笑顔でささやくのです。
"ここで見た夢を現実に。これからは幸運が待っていますよ"と。