欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

悪魔の唄

2007-08-12 | poem
あれだけ勢いよく、広大な空へと飛び立っていったのに。
あれだけ誠実な目と熱い気持ちをかね備えて、私たちの前から旅立っていったのに。
なのに、君は空の彼方から大地へと転がり落ちてしまった。
大地に倒れ臥した君の姿は見るも無惨で、飛び立った時の清冽なイメージはどこにも残っていなかった。
悪魔の唄を聞いてしまったんだね。
君はそこで墮天使となって落ちてしまったんだ。

飛び立っていく時の君は、恐怖心などみじんも感じられなかった。
その精悍な姿に一縷の隙もなかったはずなのに。
なのに、君は耽美な陶酔に我を見失い、地の果てへと谷の奥底へと転がり落ちてしまったんだ。
悪魔の唄を聞いてしまったんだね。
その声に我を捧げてしまったんだね。
君はその時から他人を羨望するだけの小さな生き物になってしまったんだ。

なぜだろう?
あんなに希望に満ちた、ピュアな君だったはずなのに。
どうしてだろう?
なぜ飛び立つ時の気持ちを維持できずに、悪魔の唄に耳を傾けてしまったんだろう?
あの空という場所は、いったいどういうところなのだろう?
この大地とは違う、なにかが鍵を握っている場所なのだろうか?

ねぇ、君。
まさかこのまま終わったりはしないよね?
ねぇ、君。
ここが君の終着点じゃないよね?
ねぇ、君。
顔を上げてくれよ。
その身を持ち上げてみておくれよ。
まさかここが君の終わりの場所じゃないよね?
君の物語(シナリオ)は、これから重要な意味を持っていくんだよね?