欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

不思議で難しい時代のなかで

2013-05-03 | une nouvelle


人のまわりには楽器を持った天使が何人かいてるんだってさ。
気持ちが悲しく冷たくなった時には心あたたまる音楽やこれからが楽しくなる演奏をしてくれているんだって。
でも、深く自分の殻に閉じこもった人の耳にはちょっと聞こえないらしい(笑)
なにも聞こえない!って嘆いている人、ちょっと外に出て、空でも見上げて、ほぉ~い聞こえないよぅって天使たちに呼びかけてみたら?
いろいろなものでちらかった耳の奥まで届く大きな演奏を披露してくれるかもしれないよ。

世の中なんてそんなものかもね♪
軽やかに気持ちのいい風が吹いてくるのは、案外の~てんきな頭の中!! そんな時代かもしれないですなぁ♪

たまには雨に濡れるのもいい

2013-05-02 | une nouvelle
カフェを出る頃には雨が激しくなって、ひさしの下で男性は重たい空を眺めてる。
だれを待ってるわけでもないのに、なにかが起こりそうな予感。
すると、稲光が光って、声を出して飛び込んできたのは、雑誌を片手に持った女性。
気はずかしそうに男性にペコリ。
しばらく無言の時間が過ぎていき、やがて、天使がふたりに仕掛けを。
雷鳴がとどろいて、女性の手から雑誌が落ちて・・。
雨に濡れる雑誌に手を出したふたり。そして、顔を見合わせて。
雑誌にはブーケの特集が。
"お花、好きなんですか?"
"あ、いいえ、仕事で使うんです・・。"
激しい雨がふたりの緊張を解いていき・・。
話してみると、意外に近いところで働いていて。
共通の知人も見つかり。
"これからどちらへ?"
"今度の衣装に合わせた花を頼みに。
はじめて任された仕事ですから・・。"
"そうですか。わたしはあっちの方に、逆の方ですね。"
男性は雑誌を見ながら、
"雨には濡れましたが、その本で良い成果がでるといいですね。"
"ありがとうございます。"
"では、また・・。"
"はい"
男性は雨の中を走り去って・・。

雨が嘘のようにやんで、雲の切れ間から日ざしが。
街にたくさんのしずくの輝き。
花屋を出た女性はまぶしい日ざしを見上げて、先ほどの不思議な出会いを思い出す。
今でも胸に残る、あたたかいはげましの言葉。
なんだかいい風が吹きそうな、そんな予感を感じながら女性はいつものアベニューへと。
知らないうちにふたりを近づけた天使の演出。
雨上がりの明るさがふたりの胸に広がった午後、それは濡れた服と代償に。

ある若者が顔をさげて

2013-05-02 | une nouvelle
ある若者が顔をさげて歩いていました。
花屋の美しい色あいにも目をむけず、パン屋のおいしい匂いにもまったくそっけなく・・。
楽しいことが見つからない気持ちのまま歩いていたとき、街角でハンチング帽をかぶったアコーディオン弾きの老人に出会いました。
その音色に若者は立ち止まり・・。
まるで時を忘れたかのように聞き入っていたのです。
老人はこう尋ねます。
"お前さん、こんなおいぼれの演奏をよく聞いてくれるね。"
若者は首をふって、
"いいえ、とんでもない。夢も希望もない僕の心に灯をともしてくれたのですから。あなたの音色にはなにか気持ちが明るくなる魔法があるに違いない!"
"ふふ、そうなのかい"
老人は照れ笑いしながら、
"それはね、お前さんがひかれたのが、ワシの演奏というだけではないからだよ。
この曲は昔恋焦がれた女性にすべてを捧げた男の唄なんだ。なによりも恋を欲してるお前さんの気持ちが気をとめたんだな。"
老人はご満悦に演奏を続けながら、
"若者よ、恋をするんだね。
そうやって人生は華やかに豊かになりうるものなんだから。"

人魚と旅人

2013-04-30 | une nouvelle
そこは真夜中ひっそり眠りの世界。
旅人が深い森の中を歩いていくと、急に夜空がひらけてきて・・。
そこには泉がひろがり、ほとりには輝くパープを奏でる人魚がいました。
うっとりするような演奏。
旅人はしばらく聞きいっていましたが、やがて、こうたずねてみたくなって、
"もし・・、心うるおうすばらしい音色だ。わたしもそのようなものが奏でられるたら、いつもしあわせを感じていられるのに・・。"
すると、人魚は指をとめて、
"これはわたしが神さまから与えられた大切な宝物。
でも、以前はこんな曲を奏でることはできなかった。
それがいつの日か、こうして心うるおう音色を手にすることができたのです。"
"それはどうしてなのでしょうか!?"
旅人の問いには力がはいっていました。
人魚は目をつぶり、ふたたび弦をはじきなからこう答えたのです。
"それは・・、とても不思議なことですが・・。
心の中にほほ笑みが存在することを知ったのです。いつもそこに気持ちをあわせて、いま求めているものを奏でていけば・・。
これはなにも演奏だけにかぎったことではありません。
どんな行いにも通じるものです。"
人魚はいとおしそうにハープを持ち替えて、
"ほほ笑みに即したことを行っていけば、自然と求めるものは手に入れられるのでしょう。
ほほ笑がその人をしあわせへと導く、とても素敵なことだとは思いませんか?
"そんなことがあるのでしょうか・・?"
人魚は泉に入りながら、こう言い残していったのです。
"わたしは信じてみたのです。
心を澄まし、ほほ笑みを感じながら生きてきた。
すると、不思議なことに世界はほほ笑みの国へと変わっていったのです。
この世の不思議な一面にわたしはその時から触れることができたのです。"

黒猫がうながすその先に

2013-04-28 | une nouvelle
飼ってる黒猫のソフィアがこっちをむいてにゃ~んとなく。
理由はわかってる。さっき僕がママにしこたまおこられてたから。
やるせない気持ちで窓辺にいる僕に近寄ってきて、またにゃ~んとなく。
君の気持ちよくわかるよ。でもしかたのないこともあるんだって、そう言ってるみたいに・・。
そうはわかっててもやりきれないこともあるんだよ!って。
でも、ソフィアの目はくりくりこっちを見つめっぱなし。
はずかしいからやめてくれよぅ。同情ならいらないぜってタンカきってみて、なんだかうつむいて・・。
すると、ソフィアがぴょんと窓にあがって、むこうを見るように促してる。
なんだよぅ、街を見たっていつもと変わらないじゃないか・・、んっ?
いつもの景色に、なにか明らかに違うむものがまざってる。
通りむこうの建物のそのむこう、いつもあるオシャレな塔のそばをカラフルな熱気球がふわりふわりと浮かんでた。
ん~?なんと・・。
これはまるで不思議な遊園地みたいだなぁって。たくさんのカラフルポップな熱気球がのぼったりおりたり。
まったくめずらしいこともあるもんだなぁって。
これはお前の魔法かなぁ♪ 
ソフィアはちょこんとそばにすわったまま塔の方を眺めてる。
しばらく熱気球を見ているうちに、こんなステキな出来事が転がってるんだから、ちいさなことでクヨクヨしててもはじまらない♪
な、そうだろう?って意外に立ちなおりは早くて。
ソフィアの頭をなでながら、これからもまんざらではないのかなぁ♪って。
すると、とってつけたようにまたにゃ~んとなく。
お前、まるでこっちの気持ちをお見通しみたいだなぁ♪

あとで聞くと、オシャレな洋服会社のイベントがたまたまやってたらしい。
でも、いいんだよ。僕にとってはソフィアが教えてくれた、ステキな魔法の遊園地。ちいさな悩みもかるく吹っ飛ぶ、この世の不思議のひとつだって、いまも信じているんだからさぁ♪

笑顔を失わずにいられる勇気

2013-04-23 | une nouvelle
しあわせになるのになにが一番大切かと問われたら・・。
ある人はこう答えました。

"胸の中にある宝物をいつまでも大事にできる人のことです。
人はだれでも自分のいちばん魅力的なヒカリを胸の中に宿しています。
マイナス思考や悲しみなどが暗がりをつくり、ヒカリをおおってしまうのです。
しかし、そんなときはこう心がけましょう。
胸のヒカリを大切にしている人を見習うのです。
生きるうえで守っていくものをわかっている人は輝いています。
たとえ苦労がともにあったとしてもです。
そのような人に出会い、ふれあい、どんなことを感じどんなことを考えているのか学びましょう。
つきなみの言葉かもしれませんが、それがしあわせへの一番の近道です。"

そして、最後にこう付け加えました。
"ステキな人に共通することがひとつあります。
それはどんな時でも魔法を信じていることです。
それがかなうものだとどんな時でも笑顔を失わずにいられる、そんな勇気をもっている人のことですよ。"

街角で唄う吟遊詩人のセリフ

2013-04-19 | une nouvelle
世の中なんて気分がふさぎこむことばかり♪
でも、そこで下をむいてるようじゃ暗がりさんの思うつぼ!
この世は悲しむためでも苦しむために生きてるんでもない。
上をむいてごらんよ。空は青々とステキな雲が悠然とただよっているじゃない♪
あんな風におだやかに、軽やかにこの世を渡っていきたいよぅ♪
そんな時にはこうつぶやくのさ。
"この世界をつかさどってる神さま、どうか魔法の音楽が聞こえてきますように。
夢見心地で明るい出来事がむこうからやってきますように!
だれもが聞いて心を踊る唄を。
ふしぎな音程が心のしこりをとりさってくれて、楽しさだけが心に響くように♪"

胸の中の秘めた箱

2013-04-18 | une nouvelle


"人は胸の中にとじこめてしまったものをけっしてひらきはしないでしょう。
それは、ひらけばそこになにがあるのか白日の下にさらされてしまうから。
どんなものでも、人の中にあるものは見せない方がいいのでしょう。
深海のような胸の中にある自分の輝きを。
そのまま潜ませていてこそ自分の思う宝物だし、これからの心の明かりにもなってくれるのですから。"

paris

2013-04-18 | une nouvelle



"そこでくりひろげせられる夢物語の裏には人には言い尽くせない悲しみがひそんでいます。
そして、悲しみをほんのわずかも表さない演出がまた人の心を引きつけ離さないでいるのです。
その街には奥深い色合いが潜んでいます。
だから、人はその街を魔法の宝石箱と呼ぶようになり、いつかは行ってみたい街として羨望するようになったのです。"

知らないうちに星が話し続けていること

2013-04-16 | une nouvelle
星が語りかけてくれるコトバって知ってる?
なにもジャズミュージシャンが三日月に乗ってギターを奏でているのとはわけが違う!
これはとっても不思議な本当のお話。
だれの耳にも届いている、ロマンチックな真実なのさ。

僕らの耳になにを語ってくるかって?
それは・・、
この世で起こった魔法のお話。
主人公が魔法をとおして、しあわせの足がかりにするちょっぴりなが~いお話さ。
どうしてこんな話がはじまったと思う?
生きるのに必要なものを人が見失いはじめたから!
あわただしさや便利さの裏にある不安や悲しみの中で人はなにかをいつも探し求めているでしょ?
それでも出口の見えない迷路に迷い込んでしまった僕たちへの、生きるヒントなのさ。

話は潤いに満ちていてとてもオシャレな話。
だれの耳にも届いてるはずだけど、だれもが聞いてるわけじゃない。
孤立したカチコチな心にその声は響いていかないからね。
そうじゃない人の心にはこの語りは心地よく、明日の希望になりうるものなんだよ。

どんな感じの響きかって?
じゃあ、眠る前にこう口ずさんでみなよ。
"この一日をどうもありがとう。
心は生きるために疲れきってしまいました。
心地いい詩を、星の語りを、どうかわたしにお聞かせ下さい。"ってね。
きっと響いてくるはずだよ。
この世のどんな詩人よりもステキな表現で元気になる言葉をね♪