かつて、ニュージーランドは、「鳥の楽園」であった。
この島に先住民族マオリが移住してきたのは、今からおよそ1400年前。
その後、ヨーロッパからの入植者が移り住み、すべての人が平等な権利を有する国家を築くことを理想に掲げた。
彼らは、世界に先駆けて女性参政権の確立や最低賃金法など社会福祉政策を導入した。
一度は農地開拓によって破壊された自然ではあるが、 その後のすばやい対応により、国土の多くが自然保護地域に指定された。そこには、太古の自然の姿を取り戻そうという姿勢が強く感じられる。
また、反核を明確に打ち出し、原子力に頼らない生活を実現するため、エネルギー消費量を抑える努力が様々な形で行われている。核を持ち込む米国との軍事同盟も打ち切った。
ニュージーランドの建国の精神は、今も脈々と受け継がれているのだ。
自然の中で、そして日常の生活の中で、素朴なキーウィたちの暮らしは、私たちが忘れかけている生き方を再発見させてくれる。
“Te Papaの空を飛ぶ”と題して、9月から始めたニュージーランド・シリーズであるが、気がつくともう2月。半年近くもダラダラと続けてしまった。
おつきあいいただいたみなさまには、さぞ退屈されていることとおもいます。
最後に、ニュージーランド出身、デイム・キリ・テ・カナワの『May It Be』を聴いていただき、一先ず、幕を閉じることといたします。
長い間ご覧いただきありがとうございました。