ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

鏡面

2014-03-11 23:57:25 | Weblog
いろいろな憶測が飛び交うマレーシア航空の事故。
亡くなった人よりも、陰謀説やテロの話のほうがクローズアップされ、
なんだか話がずれてきたなあ、と思う。
南シナ海に軍艦を進めたい中共の自作自演とか、
マレーシア航空が賠償金を払いたくないゆえの隠滅など、憶測だらけだ。

今日の午後は、中国時間の14時46分に黙祷した。
向かいの中国人が、すごく不思議そうな顔をして、私の仕草を見ていた。
泣くでもわめくでもなく、ただ静かに目を閉じて1分間、その人たちの冥福を祈る。
その人たちは、会ったこともない人たちだけれど、
3年前の今日までは、私と同じように平凡な日常を暮らしていた人たち。

中国の人たちは、パフォーマンスとして利用できないような祈りの場合、
「お金が儲かりますように」「いい相手と結婚できますように」など
自分のための祈りであって、見ず知らずの人のために黙祷するようなことはしない。

でも、私の同僚の中国人たちは、
私たち日本人が数日前から話題にしていたので、今日が大震災の日だと知っている。
だから私や日本人の同僚の黙祷を、不思議そうに、でも黙って見守ってくれた。

こうした日本人の祈る態度が、
きっといつか、靖国問題などを根本的に解決してくれると思う。
私たちの宗教観には、中国のそれとは違う一面がある。

私たちが心の底から思うことを行動に移したとき、
それがたとえ、中国人には理解できないことであったとしても、
中国人は意外にも鷹揚なので、受け止めて、流してくれる。

しかしそれが、ひとたび根拠のない上から目線の押しつけになったとき、
彼らは全力でエスケープしてくる。反抗というより、逃げる。

最近の日本は、中国や韓国を冷静にジャッジできなくなってきている印象をもつが、
それは、私たち日本人が、日本を見失っていることと鏡面なのだと思う。