ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

大連

2014-03-02 22:08:49 | Weblog
もう1週間前のことになってしまったけれど、大連。

朝から大連港を見に行ったら、どこが海かわからないくらい真っ白。



大連港の港湾も建替えが進んでいて、引き上げの方が見た光景からは、
かなり変わってしまっている。
といっても、まず見えないが。

いまわ使われていない線路の跡。満鉄のなごりだ。



五里霧中とはこのこと。

引き上げの方が最後の日々を過ごした建物。



正面入り口。いまは、軍の施設となっていた。



その後、大連駅へ。往時のまま、ほとんど外観は変わっていないらしい。
上野駅を模して作られたというが、すでに昔の上野駅をあまり覚えていないので、感慨はあまりない。



近くまで寄ろうかと思ったが、長距離列車の駅前はどこもカオスなので、やめた。

次に旧ヤマトホテル、いまの大連賓館へ。



室内の見学ができる。



溥儀が泊まった部屋など、いろいろ見せてもらえた。写真撮影は不可だった。

その後、ヤマトホテルの並びに建っている日本時代の建物を見て、満鉄本社へ。



いまも鉄道の施設として使われていた。

入り口の扉に、何やら貼り紙がある。
「満鉄連絡電話」これは中国語。
そして電話番号の次に「昼」と。



「昼って、日本語だよね。中国語で使わないよね。ってことは満鉄なんじゃない?」
「でも、旧とか、偽とか入ってないよ。満鉄ってだけ載ってるって、怪しいよ」
などと言いながら、扉の中をのぞいても人気はなく、扉もカギがかかっていて開かない。

とりあえず、怪しいので、まずは近くで腹ごなし。



大連は海鮮が美味しい。
昼食中、一緒に行った友人と話し合って、やはり突撃することにした。
でも、いきなり電話するのも何だし、鉄道の正面玄関から聞いてみよう、ということになった。

正面の入り口から「あの~、満鉄~」と言ったら、
事務所の奥から、昼ドラを見ていたような雰囲気のおじさんが出てきて、
「ああ、満鉄(マンティエ)ね~」と言いながら、
「正面に電話番号が書いてあったろう。あれに電話すればいいのに、ちょっと待って」と言いつつ、
事務所から出てきて、裏道を通って満鉄資料館まで案内してくれた。



すごくすごく、フレンドリーでいいおっさんで、
資料館のカギを開けてくれて「中は撮影禁止ね。ちょっと見てて、また来るから」と。

いろいろと反日的なパネル展示もあったけど、南満洲鉄道株式会社の遍歴がよく理解できた。
部屋の中はすごく美しくて、ちょっと写真を撮りたい気持ちになったけど、
どこかに監視カメラがありそうなので、やめておいた。

そのあと、満鉄の総裁室や金庫室を見て、正面から外へ。

撮っていいと言ってもらった満鉄のロゴ入り時計。



本当はここから入るはずだった正面ホール。



反日なんて雰囲気がまったくなく、非常に非情にみなさん親切だった。

で、振り返ると満鉄が引いた路面電車。



駅。



やっぱり乗ってみた。



中は混んでいたので、写真を撮らなかった。
もしかしたら反日の人もいるかもしれないし。

社内には、満鉄時代の白黒写真が貼られ、
中国人は外国人と同じ車両に乗れなかったとか、反日感情をあおるような内容だった。

まあ、本当のことなんだろうけど、
ここまで徹底していると、すごいなあ、中共、と思う。

ただ、大連の人は、全体的に日本人にはフレンドリーだと思う。
お店の人も「あ~日本人なのね~、これ食べてってよ~」という感じだ。

きっといろんな日本人を見てきた町だからだと思う。