桜の咲く頃は、急に気温が下がる。
それは上海も同じで、ここ数日、すごく冷えている。
昨日は、なんとも離れがたい日本人の友人が、
だいたい1ヶ月に1回集まる食事会だった。
コア参加メンバーは「呼ばれて来た人たち」と言う。
国籍、性別、年齢不問。
唯一求められるのは、
自分がどんなに汚くても、それを受け止めたいという覚悟をもっていること、
だろうか。
ということで、2回目以降は、
いくら誘ってもタイミングがあわなくて来られない人が出てくる。
「ここ数日、冷えるね」ということで、火鍋を食べた。
少し早く会場に着いてしまったので、Kindleで小説を読んだ。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』。
読んでいて思い出したのは、芥川龍之介の『羅生門』。
私は、ソメイヨシノがすごく苦手。
うすピンクの中に赤い花弁が見える感じが、どうしても人の目に見えてしまう。
大勢の瞳に見つめらている気がして、すごく苦手。
そして、音もなく散るのが、体感できるような風もないのに散るのが、すごくこわい。
ついでに、花見という口実で、桜の下で酒盛りしている日本人の集団もこわい。
そして、場所取りさせられる新入社員は、本当に悲惨。
あんなに、ハラハラと散る、よくわからないけど散って行く花びらの下で、
ずっと何時間も孤独に誰かを待つなんて、本当に拷問。
私は気が狂いそうだった。仕事だと思って我慢したけど、1回が限界だった。
ただ、ソメイヨシノ以外の桜は、結構好き。
もっちりとしていたり、葉とも共存する。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』は、
私が恐れる桜という美の狂気そのものだった。
でもきっと、坂口安吾の見ていた桜の狂気は、私のそれとは違う。
惚れた美しい女が、人を殺して首をとってきてくれとせがむ。
せがまれた男は、桜の下に1人坐ることを恐れている。
孤独感と美意識と、あこがれとコンプレックスと、
それが言葉であらわせないことによる、闇のような恐怖。
日本が戦争に進んだ道と、そして終わらせ方への罪。
それは、日本の美しさと、西洋的な論理力の弱さと紙一重。
世界の基準を理解せず、ずるずると決断しなかった罪そのもの。
じゃあ、どこに行くのか。
桜を見て、桜の下で騒ぐ覚悟ができているのか。日本人は。
それは、私たちが守らなければならない美意識と価値観、
それをどのように日本人自身が受け止めるか、ということ。
そこを自問せずに、急にキレる中国人と、
「話し合ってわかる」なんて、絶対無理だと思う。
中国にも賢い人はたくさんいるし、共産党のエリートもいるけど、
基本、数に負けるのは日本と同じ。
暴走する人は必ずいるのだから。
でも、上海にいると、美しいソメイヨシノの桜道を歩きたくなる。
それは上海も同じで、ここ数日、すごく冷えている。
昨日は、なんとも離れがたい日本人の友人が、
だいたい1ヶ月に1回集まる食事会だった。
コア参加メンバーは「呼ばれて来た人たち」と言う。
国籍、性別、年齢不問。
唯一求められるのは、
自分がどんなに汚くても、それを受け止めたいという覚悟をもっていること、
だろうか。
ということで、2回目以降は、
いくら誘ってもタイミングがあわなくて来られない人が出てくる。
「ここ数日、冷えるね」ということで、火鍋を食べた。
少し早く会場に着いてしまったので、Kindleで小説を読んだ。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』。
読んでいて思い出したのは、芥川龍之介の『羅生門』。
私は、ソメイヨシノがすごく苦手。
うすピンクの中に赤い花弁が見える感じが、どうしても人の目に見えてしまう。
大勢の瞳に見つめらている気がして、すごく苦手。
そして、音もなく散るのが、体感できるような風もないのに散るのが、すごくこわい。
ついでに、花見という口実で、桜の下で酒盛りしている日本人の集団もこわい。
そして、場所取りさせられる新入社員は、本当に悲惨。
あんなに、ハラハラと散る、よくわからないけど散って行く花びらの下で、
ずっと何時間も孤独に誰かを待つなんて、本当に拷問。
私は気が狂いそうだった。仕事だと思って我慢したけど、1回が限界だった。
ただ、ソメイヨシノ以外の桜は、結構好き。
もっちりとしていたり、葉とも共存する。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』は、
私が恐れる桜という美の狂気そのものだった。
でもきっと、坂口安吾の見ていた桜の狂気は、私のそれとは違う。
惚れた美しい女が、人を殺して首をとってきてくれとせがむ。
せがまれた男は、桜の下に1人坐ることを恐れている。
孤独感と美意識と、あこがれとコンプレックスと、
それが言葉であらわせないことによる、闇のような恐怖。
日本が戦争に進んだ道と、そして終わらせ方への罪。
それは、日本の美しさと、西洋的な論理力の弱さと紙一重。
世界の基準を理解せず、ずるずると決断しなかった罪そのもの。
じゃあ、どこに行くのか。
桜を見て、桜の下で騒ぐ覚悟ができているのか。日本人は。
それは、私たちが守らなければならない美意識と価値観、
それをどのように日本人自身が受け止めるか、ということ。
そこを自問せずに、急にキレる中国人と、
「話し合ってわかる」なんて、絶対無理だと思う。
中国にも賢い人はたくさんいるし、共産党のエリートもいるけど、
基本、数に負けるのは日本と同じ。
暴走する人は必ずいるのだから。
でも、上海にいると、美しいソメイヨシノの桜道を歩きたくなる。