ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

上海マダム曰く

2013-03-12 23:00:12 | Weblog
今朝はバスの中で寺田寅彦の『学問の自由』を読んだ。
何でもいい自由にしろと言われるよりも、
ある程度は環境的にハンディがあるほうが学問としていい結果が出たり、
そうはいっても欧米では研究者に対して、研究の自由がもっと認められていたりと、
何十年も前の文章とは思われぬほど、いまの日本にも通じる話。

人間はそう簡単には変わらないと思う。
ということで、「今の若い者は」とか「10歳若いと話が通じない」と
私も言うようになってきたけれど、
興味の対象が若い人とは違ったとしても、
本質的な考え方や性格、美意識等は、100年ぐらいじゃそう変わるものじゃないと思ってる。

そうでも考えなきゃ、
日本人と中国人の、どうしようもない「違い」は言い表せないと思う。
人は、こんなにも親や社会の影響を受ける。
そして言語がもつ心。
中国人は、本質的に、うるさい。

でも、私が高校時代に日本で会った中国からの留学生たちは、
みんなすごく文化的で、もの静かだったんだけどなあ。

いま中国人の友人くんは、家族が手術を受けるためにてんてこ舞いなんだけど、
もしかして外省人のせいだからかと思い、
上海人に「なんでこんなに病院が不便なの。国は解決しないの?」と聞いたら、
すごい勢いで答えが返ってきた。

・上海の医療技術は世界でもトップクラスだから、上海人だけじゃなくて
 外省の人もたくさん押し寄せるので、常に病院には人が並んでる。
・国は医療の格差をなくすために、外省の人が上海で医療を受けた場合でも、
 故郷に帰ってから補助金が出るようにしちゃったから、みんな来ちゃう。
・地方の医療はまだ遅れてるから、進んでる上海に来たがるのはしょうがないし、
 上海はこのままトップを走るわけだから、永遠にこれは解決できない。

そして、こんなことも言っていた。
・うちの親戚の子どもは医者になったけれど、ほとんど家に帰れないし、
 患者は要求ばかりひどくて、心神喪失状態になる。
 中には暴力を振るわれる人もいる。(中国人の暴力は日本人の想像を超えている)
・医者や看護婦の離職率がものすごく高くて、常に人員不足。
・いま親は、子どもに医者になれとは言わない。あまりにも過酷だから。

で、
・上海人だって、外省人に混じって並ぶ。
 自分たちの土地なのに、他の土地の人たちと権利を分け合わなければならない。大変よ。
と、言う。

そこで、
「え、あなたも並ぶの? 病気になったり、年をとったりするの不安じゃない?」
と、聞いたら、
「あら、私はコネクションがあるから、そんなのは関係ないわ。
 電話一本で、並ばないでも一番に医療が受けられるわ」との返事。

さすが上海のマダムは言うことが違う。
ま、そういうことなんだよな。中国は。