ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

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山下清とその仲間たちの作品展 ~狭山市立博物館:開催中~

2017-07-24 | 公園・庭園・名所
数日前、何度か通っている近くのクリニックを受診しました。院長先生はベテランのお医者さん。腎臓の機能が低くなっているようで心配なんですがと訊ねると、「たいしたことありませんよ。その程度なら大丈夫ですよ。」と笑みを浮かべながら答えてくれる気さくな先生です。

その日は、次の患者さんの診察までちょっと時間が空いたようで、たまたま人間の寿命などについての雑談をするうちに、貼絵の山下清のエピソードに先生が感動した話になり、「そうそう、今狭山の博物館で、『山下清とその仲間たちの作品展』をやってます。待合室に図録と展示会のチラシがありますよ。見に行ってはどうですか。」 いつのまにか、診断結果の話でなく、絵画の話になっていました。

というわけで、西武池袋線の稲荷山公園駅をおり、200㍍ほど歩いて「狭山市立博物館の作品展」に行ってきました。



山下清は、千葉県市川市にある知的障害児施設の「八幡学園」に入所している時に、絵画ー特に貼り絵(ちぎり絵)の才能を見出され、放浪時の感動の記憶をもとに、数々の貼り絵の作品を残したことはあまりにも有名です。のちに映画では小林桂樹が、テレビ・舞台では芦屋雁之助が裸の大将:山下清を演じ話題となったことを覚えておられる方も多いと思います。

山下清の作品では、花火の作品が有名ですが、私は「トンネルのある風景」が好きです。この作品に描かれたトンネルは、常磐線の大津港駅(茨城県北茨城市)から勿来駅(福島県いわき市)に向かう途中にあるものだそうで、実際のものとほぼ同じとか。放浪時にはスケッチや作品の制作はほとんどせず、学園や自宅に戻ってから制作していたそうで、驚くばかりです。



今回の展示には、山下清だけでなく、他の園生の作品も展示されています。彼らの感性には目を見張るものがあります。同時に、作品を見て回りながら、彼らの才能・良さを見出し、ひたすらその開花を待ち支援した八幡学園などの関係の人々がおられたことに、感動を覚えました。

今に引き継がれる八幡学園のモットーは、「踏むな、育てよ、水そそげ
教育は、一人一人の人間としての尊厳を認めること、愛することなのだと、改めて思いました。

作品展は、8月20日(日)まで開かれています。

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