地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成19年12月18日(火)  晴  瀬戸樽

2007-12-18 19:27:34 | 日本酒

瀬戸樽なのか、もしくは瀬戸の飾り菰(こも)という名

12月6日のブログにてこれは何でしょう? と問いかけたところ
山形県在住の「くどき上手」 今井総長から重要な情報を頂きました。

        
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今井総長もお父さんに聞かれたようで、昭和の初め頃まで使われており
「瀬戸の飾り菰」もしくは「飾り樽」と呼んでいたそうです。

蔵では出品用のお酒を詰め、貯蔵庫にその冬の雪を入れ
天然冷蔵庫の中で保存していたことがあるそうです。
なかなか素敵な話しじゃないですか。

または蔵に「乳酸」を入れて納入されたこともあったとか。

さらに自分のお酒が賞を取った時のお祝いや振る舞いや宣伝の為
銘柄を入れたものも流通していたようです。

ガラスが高価だった頃は杉樽と違って味や香りが移らない容器として
多目的に流通していたようです。

また石川県在住の「天狗舞」 車多酒造さんからの情報ですと
呼び名を「瀬戸樽」と呼び酒屋量り売りの時代に店先に
貯蔵用、運搬用として使われていたそうです。
また味噌屋さんでも使われていたそうです。

            
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こちらは「屋号入り」で呑がありません。 
ひょっとすると味噌を入れていたのかもしれませんね。

「白鶴」が明治の終わり頃に一升瓶を発売
この頃は人が一本ずつ吹いたガラス瓶 
大正時代に機械での大量生産出来るまでの職人の苦労が忍ばれます。

しかし関東大震災においてこれらの「瀬戸樽」や「一口吹き一升瓶」は
その多くが消失したと言われています。

今見るときっと人のぬくもりのある素敵な姿をしていたのでしょうね。

そう思うと中身のお酒も、それを入れる「容器」も妙に愛おしくなりませんか?

便利さだけで失われていくものが多いかもしれませんが、
日本の文化として大切にしたいものがたくさんあるはずです。

今宵は熱燗でキューといきたいですね 

日本酒万歳

 

今井総長、車多酒造 横山さん情報提供ありがとうございました。