6月なのに、もう梅雨明けでしょうか。いまから盛夏の暑さに先が思いやられます。
今から、ちょうど1年前の2017年の展示会では、かわせみと睡蓮の大皿を出品しました。
大きな作品を作る場合は、構想から制作にとりかかるまでに、結構な時間を要します。まず、テーマ(モチーフ)を決め、次に構図とデザインを考えます。資料画像を参考にしながらラフ画を何度も描いて、全体像を作っていきます。
わたしの場合は、いきなり大作に取り掛かる前に、小作品で試作品を作ってモティーフの表現方法のイメージを掴み、さらに改良点を検討してから、本番制作に取り掛かります。
さて、前置きが長くなりましたが、このカワセミの大皿を作る前に試作した小作品が、こちらのカワセミ1羽と2輪の睡蓮を配置したタンブラーです。投稿するのを忘れていたので、今頃になってのご紹介になってしまいました。
実物のカワセミの画像からイラストを図案化をし、細かい羽の部分の表現のイメージを試作品で掴みます。
花や植物はわりと図案化がしやすいモティーフです。
写真をただトレースしただけだと思われることが多いのですが、それではサンドブラストの題材としては使えません。段彫りすることを前提としたイラスト化が必要になります。
タンブラーの全周を1枚のキャンパスに見立てて、構図を考えます。それぞれのモティーフをどう”連携”させるか(つなぐか)も、全体のストーリー性を表現するために、重要なポイントです。こちらが、カワセミと睡蓮の”つなぎ”の部分になります。
この作品は、グラスの底部分は色を残してグラスの下の部分に底の色が投影させることで、一層色が濃く見えるようにして、”水面”を表現しています。睡蓮の葉の水滴部分は、サンドをかけずに残すことで、透明な水玉に見立てています。
などと、小難しいことをくどくどと書き連ねてしまいましたが、創造の世界、つまりまったく”無”の状態からモノを作り出すのは、とても難しいものです。まだまだスキルと経験が自分の想像力に追いついてきません。
それでも、なんとか形になったときは、うれしいものです。
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