テレビの通販CMって、本当に笑っちゃうくらいワンパターンでツッコミどころ満載ですが、とくに、ジュエリーものは、10年前とセリフがまったく変わっていないアイテムですよね。
『すってっき~♪絶対ほしいわぁ~!でも、お高いンでしょう?』
『いえいえ、今日はメーカーさんの特別のお取り計らいで、なんと1ctのダイヤを10万円でご奉仕させていただきます!』
(会場、『え”っ~!!』と一斉にどよめき)
『ちょっと待ってください。それだけではありません。今回は、おそろいのイヤリングもつけてのご提供です!』
(会場、拍手喝采、パチパチパチ)
『うっそぉーー!○○さん、そんな安くしちゃっていいんですか?』
『いえいえ、今日はメーカーさんの特別のお取り計らいで、なんと1ctのダイヤを10万円でご奉仕させていただきます!』
(会場、『え”っ~!!』と一斉にどよめき)
『ちょっと待ってください。それだけではありません。今回は、おそろいのイヤリングもつけてのご提供です!』
(会場、拍手喝采、パチパチパチ)
『うっそぉーー!○○さん、そんな安くしちゃっていいんですか?』
云々・・・
先日、『キュービックジルコニアのジュエリーが10点で19,800円!』というCMにお目にかかりました。主婦の財布の紐が締まりっぱなしのこのご時世、いよいよ、激安ダイヤも売れなくなってきたので、ついにフェイク&点数で勝負と相成りましたか・・・。
シルバー台の、フルセッティングのネックレス、テニスブレス、ペンダント、イヤリング、リングの5アイテムが、CZのホワイトとブラック2セットで、合計10点だそうです。激安量産もここまで来ると、すごぉいー。(@_@;)
ここまでくると、まさに、『工業製品』を思わせます。ベルトコンベヤーで流れてきた空枠を、大勢の工員さんで組み立てていそう・・・(笑)
自分が作る際のコストを考えると、あまりの安さにタメイキが出てしまいます。国内では、材料代と鋳造・ロジウムの外注費だけで、2万円くらいのコストはフツーにかかっちゃいそうです。いくら量産とはいえ、磨きも爪留めも人の手がかかる工程なのに、どんだけ加工賃の安い国で作っているんだろうなぁ・・・。
それぞれのアイテムのルックスは、よく高級ジュエラーで見かける、ありきたりの(&失礼ながら微妙にダサい)デザインです。こういう、見た目だけホンモノにみせかけているジュエリーというのは、女性のファッション・リテラシーが低かった、ちょっと昔の日本なら受けたかもしれません。だから、(失礼だけど)中国とかロシアとか、まさに発展真っ最中の国では売れそうだけど、今の日本でどうなのかなぁ。。。
フルレングスのダイヤネックレスだとか、2カラット相当ものソリテールのストーンをつけるなら、装いもそれに見合った仕立てや品質の良いドレス、高級そうな靴やバッグでないと、釣り合いが取れません。
日本では残念ながら、高級ジュエリーを着用する場はかなり限られており、そうしたセレブリティや真性のお金持ちが集まる場に、ニセモノをつけていくというのは、なんとなく居心地が悪くないでしょうか。つけている人の服装や全体の印象・雰囲気(オーラ?)から、ぜったいにホンモノのダイヤじゃないことはバレちゃうもんです。
でも、私は人工石を否定しませんし卑下もしません。人の知恵と科学で作られたれっきとした『宝石』ですからね。でも、人工石を使うなら、思い切り個性的なデザインの目立つジュエリーで人々の注目を集め、『これ?CZよ。変わってて面白いでしょ?』と堂々と言い切ります。ばれやしないかとビクビクしながら着けていたり、後ろめたい嘘をつくより、よっぽどか気持ちが良いと思います。
でも、この10点イチキュッパ、売れるから作っているんでしょうから、人の商売にケチをつけることもないですよね。m(--)m いったい、どんな人がどういう用途に買っているのか、マーケティング的にとても興味があります。