ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

大人の女性のためのアクセサリー考 その3

2007年07月18日 | ジュエリーよもやま話
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ようやく、鋳造上がりの5点のジュエリーの仕上げが終わりました。ペンダントトップ4点と指輪1点です。これから写真撮影しますが、撮影にも使う机がまだ片付いてないので、この週末に机を片付けてから写真を撮って、ぼちぼちアップしたいと思っています。

さ て、大人のためのジュエリー。TPOについてはどうでしょうか? いくらある程度経済力のついた、大人の女性にふさわしいジュエリーといったって、ビジネスシーンや奥様方のちょっとした会合ぐらいで、 高級宝石キラキラってわけにいきませんよね。かといって、ブル○リだのTファ○ーだの、いかにもブランドものとわかるのもなんだか個性的でないし・・・と思う方も多いと思います。結局、それぞれのTPOにぴったりのジュエリーがなくて、結局無しですませてしまう、となってしまうのではないでしょうか。

ところで話がそれますが、先日、電車の中で、ヴィトンのバッグを持ち、シャネルのイヤリング、カルティエのバングル、ティファニーのゴールドのペンダント、右手はブルガリ、左手にディオールのリングをした女性がいました。ブランドの展覧会のようで笑えました。正直、ブランドのミックスチャーは品がないと思います。ブランドは統一したほうが格好いいと思います。(そういう、ブランドものをごちゃごちゃつけて、セレブリティを気取っている人が運転手つきのベンツでなく、一人で電車に乗ってること自体が笑えますが。)
 
よく、『30(あるいは40,50) 過ぎたのにシルバーってどうかしら?』という方がいますが、全然おかしくないと思いますよ。(キッパリ!)日本の大人の女性向けのファッション誌というとハイ ジュエリーばかり紹介していますが、あんなものはイヴニングドレスを着るような夜会の習慣がない日本では、着けていく機会がほとんどありません。そんなのを普段から抵抗なくつけていられるのは、細木数子と美川憲一と叶姉妹くらいのものです。(笑)

さりげなく注目はされたいけど、妬まれたり値踏みされるのはイヤな人は、なかなか普通のジュエリーショップでは見かけないような、個性的かつシンプルなデザインで上質な地金もののジュエリーがあれば、どんなシーンでも感度良し、注目度高し、そして何より飽きないのでヘビーローテーション間違いなしでしょう。もちろん、シルバーもOKです。

おっ と、シルバーといっても、タイ旅行のお土産みたいなエスニック系のものは、リゾート系のファッションにとどめたほうがいいと思います。あと、相対的に値段が高いといっても、超有名ブラ ンドの有名モティーフになると、勤務先の悪オヤジに『あー、うちの高校生の娘にあげたのと同じだー』と言われる可能性があるので避けたほうがいいかも? (若い頃、上司にそう言われて、Tiffaxxのビーンズとオープンハートをお蔵にしたのはまぎれもなくこの私です。くぅ~~、猛省)


個性的なブランドをお探しでしたら、ジョージ・ジェンセンやホアキン・ベラオ、エルカンドールといった、大人の女性だからこそ似合う素敵なシルバーがあります。私のあこがれのブランドです。それらが似合う年齢になってきたので買い求めたいと思っていますが、なにせ自分で作れてしまうので、気に入ったデザインを拝借したりしています。(メーカーさんには内緒。自分で楽しむ分にはいいですよね。

また、シルバーと大ぶりの半貴石の 組み合わせは、嫌味にならずに、”ちょっとだけファッション上級生”、といった雰囲気をかもし出すことができると思います。

自分に似合う、”一生もの”を意識して探していると、たと えば旅先の町でふらっと入ったショップで、無名のアーティストが作った1点物で一目惚れする作品に出会えることがあるかもしれません。単なるアクセとしてだけでなく、工芸品・美術品として鑑賞する楽しみも生まれます。

アンティーク・ジュエリーも、いいですね。良い買い物が出来れば、どんなブランド物にも負けない品格のある大人のジュエリーとして一生愛用することが出来ますし、また娘や孫にも伝えていくことができると思います。私ももう少し歳を重ねたら、アンティークジュエリーを買い集めたいと思っています。

これからジュエリーを買う人は、この先、10年、20年さらに年を重ねても愛し続けられるか?という目で探してみてはいかがでしょう。

時代や年代や流行を超えて愛されるものにはそれなりの理由があるのだと思うからです。 (完)


大人の女性のためのアクセサリー考 その2

2007年07月18日 | ジュエリーよもやま話
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今日、電車で年配の女性でとても素敵な方に出会いました。御歳はおそらく、50代かと思われましたが、黒のパンツに白のぱりっとしたコットンのシャツにシルバーの大ぶりのペンダントをして、指輪もおなじくシルバーでボリュームのある数点を両指に着けていらっしゃいました。すべてのアイテムが個性的で上質で、本当に素敵でした。彼女のファッションアイテムはきわめてシンプルなのですが、年代を感じさせないほど、その女性は美しく輝いていました。私もあのような女性になりたいと心から思った次第です。

日本人の大人の女性は、首の太いとか短いとか、しわやシミが気になるなどのコンプレックスがあると、視線をそこに注目させないために、あえてノーアクセだったり、華奢なもので控えめにまとめようとしがちですが、それはかえって欠点を目立たせてしまうのです。中年の女性が、若い女の子と同じプチジュエリーをしていてはいけないというのはそういうことなのです。

ほとんどの方は客観的にジュエリーをつけたときの効果をご自身で感じる機会がないと思いますが、時にしてジュエリーは気にしている欠点を目立たせてしまうこともあります。
細いチェーンや可愛い系の小さいトップは、体格のよさや、首の太さ・短さをかえって強調してしまいますし、ノーアクセも、かえって視線がシワ・シミの一点に集中してしまうのです。

首 が太い・短いと気にされている人は、むしろ、太いチョーカーに、縦長のボリュームのあるトップをつけたり、ラリエットや、淡水パールなどの長いネックレスを幾重か重ね付けす ることで上下に流れるラインを作り、首から胸元にをきれいに見せることができます。

カモフラージュともいえますが、これは隠すということではありません。
視点をアクセサリー付近、しかも上下 の方向に散らせることで、かえって他人からは欠点が目立ちにくくなるのです。パーツの欠点のカバーだけでなく、全体的なバランスもよくなり、背も高く見えます。このことは、ファッションモデル等、お洒落の上級者の方々が実証済みです。
個性的なジュエリーだと、なお効果的だと思います。人の注意というのは見慣れないものや 珍しいものに集まります。装飾物のデザインやフォルムの面白さや、素材の珍しさ、使われている石の美しさなどに強く惹かれれば、人は短時間のうちにもっと よくその装飾品を観察しようとし、結果的にアクセサリーの印象だけが記憶に残り、本人が気にしている欠点は相殺されるのです。

個性的なジュエリーを着けていると、友達同士、あるいは初対面の女性同士であれば、『そのチョーカー、すてきね。どこで買ったの?』という会話が生まれるでしょう。女性は好奇心旺盛ですが、嫉妬深いですから、こうした会話は、誰もが知る有名ブランド品をつけていてはありえないことです。

よく、指の太い・短いのを気にして、目立たないようにと、肉が食い込むような細いリングをしている人がいますがかえって欠点を増長させてしまうのです。むしろ逆に幅広のリングのほうが指を長く見せる視覚的効果があるのです。(つづく)



大人の女性のためのアクセサリー考 その1 

2007年07月18日 | ジュエリーよもやま話
このうっとおしい梅雨が明けたら、夏本番
いよいよ、開襟のシーズン、デコルテ見せの季節ですよね~。

さて、私は今の仕事場が渋谷区神宮前にあり、毎日、買い物中や通勤中の女性のファッションを注意して観察しています。アパレル会社やファッションブランドのアンテナショップが立ち並ぶお洒落な街なので、素敵なデザインのジュエリーをしてる人はいないかなーと目をこらして1日に何十人も街行く女性の胸元・手元を見るのですが、100人中1人も、”おお?”というようなものをつけている人には当たりません。

皆さん、お洋服やバッグ、靴は皆さんよく吟味して、歳相応にセンスよく着こなしているのに、アクセサリーまでは余力が回らないのか、何もしていないか、版で押したようにみんな揃いもそろって似たような大人しいものばかりで、おしなべて平凡で没個性的な印象です。ジュエリー雑誌に載っているようなのをしている人もみかけません。なんででしょうね? 若い女の子が細く白い首や手にちっちゃいジュエリーをしてるのは、まあ経済力に見合ったお買い物というのもあり、慎ましやかで可愛いなぁと思うのですが、30、40になった大人の女性が、若い子と同じハートやリボンやクロスのちっちゃいのや、プチダイヤつうのも芸がなく、もっとかっこよく個性を主張してもいいんじゃないかなあと思うのです。

我々は欧米女性のアクセの着けこなし術から、もっと学ぶべきことがありそうです。欧米の映画・テレビ・ファッション誌上でみる限り、お洒落の上級者といわれる女性達は、ある年代になると一様にこれでもか~という位ジャラジャラと首周りを飾り立て、指には大ぶりのリングをしたり、遊び感覚でアクセを大胆に楽しんでいるのを目にします。センスがいいか悪いかは人それぞれですが、それが年齢とともに気になってくる欠点をアクセサリーで実に上手にさりげなくカバーしているところのがすごい、さすが!と感じています。(つづく)