ホワイトゴールドのお話でめっきが出てきたので、引き続き、今日のお題は、めっきです。
最近、シルバーのカジュアル製品(とくにレディスもの)はほとんどがロジウムメッキがかかっていますね。ロジウム仕上げとか、ロジウムコーティングとかカッコイイ名前がついていますが、要するにロジウムという金属によるめっきです。シルバーって空気にさらしておくと黒く酸化してしまいますので、めっきをかけることでいつまでも黒くならずにシャープな銀色を保つことが出来ます。
でも、私は個人的には、めっきはあまり好きでありません。
まず、色がシルバーの地金の本来の色とは違うことです。シルバーは温かみのある銀色ですが、ロジウムはどちらかというとCOOLな青みがかった銀色です。プラチナの色に近いと思います。(だから、”プラチナ仕上げ”などというネーミングをしているメーカーさんもあるんですね)私は、シルバーの落ち着いた優しい色合いがとても好きなのです。
色に関しては、あくまで好みの問題ですから、どちらが良くてどちらが駄目ということではありません。(あえてシルバーをプラチナっぽく見せたい目的ならば、ロジウムめっきは素晴らしいソリューションです。)
もうひとつ、気に入らないのは、所詮、”めっき”はいつかは剥げるということです。最近、私は自分の作品を実験的にいくつかロジウムめっきをかけて継続使用し、経年変化を観察してみています。 新品の時は艶のある美しい白色ですが、使用を続けているとなんだか違和感を感じてきます。地金から何かがめっきを持ち上げてるような感じで、地肌がざらざらしてくるのです。たぶん、文字通り、『めっきが剥げる』のは、時間の問題でしょう。(笑)特にリングはよくあちこちにぶつけるので、汚さがかなり早くに目立ってきます。ピアスとか、ペンダントトップとか硬いものにぶつけにくいものはリングよりは長持ちしているようです。
地金のままであれば、小傷くらいはジュエリー磨きで磨けばピカピカになります。普段のメンテでキレイに保つことができます。めっき製品の場合、普段の手入れは要らないかわりに、めっきが剥げてくると、めっきを全部はがして、再めっきするといった大掛かりなケアが必要です。最初に買った値段からすると、その加工費はあまりに見合わないでしょう。そうなると、ジュエリーボックスの片隅に葬られる運命が待っています。 いうなれば、使い捨てです。そんなのって悲しすぎます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
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アンティーク・ジュエリーの白色系のものは、ほぼシルバー製ですが、今の時代に残っている名品にめっきがかかったものはほとんどといっていいほどないと思います。その多くは『いぶし銀』という仕上げで、磨きがかけにくい細かい部分や隙間をわざと黒く彩色した加工を施していますが、そのいぶし銀仕上げが作品にニュアンスをもたらしていると言えます。昔の人の知恵ってすごいですよね。
また、ティファニー、ジョージ・ジェンセンといった老舗のブランドは、自社のシルバー製品に基本的にはめっきをかけていません。
(少なくとも私は見たことがありません)ユーザが自分で手入れをして長く使ってもらうことを前提に作られているのだと思います。
ロジウムめっきは、シルバージュエリーにプラチナのような高級感をもたらし、メンテナンス性という意味でも、お店もお客様も「楽できる」ので、時代の要請として生まれた加工ですから、けして否定するものではありません。
しかし、ジュエリーを愛情をかけて末永く大切にしてくれる人のために作る作品には、メッキをかけたくないというのが私のホンネ中のホンネです。私の作品が後世に残っていくとは全く考えていませんが、『親から子へ伝えていけるような作品を作って欲しい。』といわれたときは、その作品にはおそらくめっきを施すことはしないと思います。
最近、シルバーのカジュアル製品(とくにレディスもの)はほとんどがロジウムメッキがかかっていますね。ロジウム仕上げとか、ロジウムコーティングとかカッコイイ名前がついていますが、要するにロジウムという金属によるめっきです。シルバーって空気にさらしておくと黒く酸化してしまいますので、めっきをかけることでいつまでも黒くならずにシャープな銀色を保つことが出来ます。
でも、私は個人的には、めっきはあまり好きでありません。
まず、色がシルバーの地金の本来の色とは違うことです。シルバーは温かみのある銀色ですが、ロジウムはどちらかというとCOOLな青みがかった銀色です。プラチナの色に近いと思います。(だから、”プラチナ仕上げ”などというネーミングをしているメーカーさんもあるんですね)私は、シルバーの落ち着いた優しい色合いがとても好きなのです。
色に関しては、あくまで好みの問題ですから、どちらが良くてどちらが駄目ということではありません。(あえてシルバーをプラチナっぽく見せたい目的ならば、ロジウムめっきは素晴らしいソリューションです。)
もうひとつ、気に入らないのは、所詮、”めっき”はいつかは剥げるということです。最近、私は自分の作品を実験的にいくつかロジウムめっきをかけて継続使用し、経年変化を観察してみています。 新品の時は艶のある美しい白色ですが、使用を続けているとなんだか違和感を感じてきます。地金から何かがめっきを持ち上げてるような感じで、地肌がざらざらしてくるのです。たぶん、文字通り、『めっきが剥げる』のは、時間の問題でしょう。(笑)特にリングはよくあちこちにぶつけるので、汚さがかなり早くに目立ってきます。ピアスとか、ペンダントトップとか硬いものにぶつけにくいものはリングよりは長持ちしているようです。
地金のままであれば、小傷くらいはジュエリー磨きで磨けばピカピカになります。普段のメンテでキレイに保つことができます。めっき製品の場合、普段の手入れは要らないかわりに、めっきが剥げてくると、めっきを全部はがして、再めっきするといった大掛かりなケアが必要です。最初に買った値段からすると、その加工費はあまりに見合わないでしょう。そうなると、ジュエリーボックスの片隅に葬られる運命が待っています。 いうなれば、使い捨てです。そんなのって悲しすぎます。
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アンティーク・ジュエリーの白色系のものは、ほぼシルバー製ですが、今の時代に残っている名品にめっきがかかったものはほとんどといっていいほどないと思います。その多くは『いぶし銀』という仕上げで、磨きがかけにくい細かい部分や隙間をわざと黒く彩色した加工を施していますが、そのいぶし銀仕上げが作品にニュアンスをもたらしていると言えます。昔の人の知恵ってすごいですよね。
ロジウムめっきは、シルバージュエリーにプラチナのような高級感をもたらし、メンテナンス性という意味でも、お店もお客様も「楽できる」ので、時代の要請として生まれた加工ですから、けして否定するものではありません。
しかし、ジュエリーを愛情をかけて末永く大切にしてくれる人のために作る作品には、メッキをかけたくないというのが私のホンネ中のホンネです。私の作品が後世に残っていくとは全く考えていませんが、『親から子へ伝えていけるような作品を作って欲しい。』といわれたときは、その作品にはおそらくめっきを施すことはしないと思います。