つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

<追記>賭けたり、競ったり、背負ったり。

2022年08月28日 21時21分21秒 | 賭けたり競ったり
                                
静岡県・湖西市にある「浜名湖競艇場」に於いて開催されている
SG競争「第68回 ボートレースメモリアル」。
本日(2022/08/28)優勝戦を迎える。

本大会の出場基準は、開催場(今年は浜名湖)を除く、他の競艇場から推薦された選手。
開催場の施行者が希望する選手などが中心。
毎年晩夏にあたる事から、僕たち競艇ファンにとっては夏の終わりを意識させる。
また、季節の節目というだけではない。
年末の大一番「グランプリ」が近づいてきたことを実感するのだ。

5日間の予選~準優勝戦を勝ち抜き、
最後の6ピットへ舳先を進めたのは、以下のメンバー。

1号艇:菊地 孝平(静岡)
2号艇:平本 真之(愛知)
3号艇:新田 雄史(三重)
4号艇:白井 英治(山口)
5号艇:山口  剛(広島)
6号艇:片岡 雅裕(香川)



振り返ってみると、今節は激しい争いだった。
競艇は6日間開催の場合、1~4日目は「予選」。
ここでの得点上位者18名が5日目の「準優勝戦」へ進出するのだが、
予選最終日は18位ボーダーに7名がひしめく大混戦。
必死の着捕りが繰り広げられた。
続く5日目の「準優勝戦」は3つのレースで、
それそれ1着と2着だけが「優勝戦」に乗艇できる。
飛び道具アリ、美技アリ、力技アリ、奇策アリ。
サバイバルならではの駆け引きが錯綜した攻防は見応え充分。
結果、前述の6名が勝ち上がる事となった。

---僕がエールを送る「毒島 誠」は予選敗退。
モーターの仕上がりは悪くなく、天辺も狙えると踏んでいたが、
2日目、不良航法判定による減点が痛かった。
残念ではあるが、このリアルが全てだ。



一方、激闘を制してポールポジションに陣取るのは
シリーズリーダーにして、地元・静岡支部の大エース「菊地孝平」。
もちろん優勝の最有力候補である。
機力・気力共に充実した彼がトップスタートさえ切れたら、
栄光のゴールは目の前だ。
もう自身を脅かす敵は、背中を押す地元の大声援。
その背に負ったプレッシャーだけかもしれない。

勝負に「絶対」はない。
勝負は下駄を履くまで分からない。
出走はこの後、午後4時30分頃。
ネットでも、TVでも生中継がある。
よろしかったら、是非、ご覧くださいませ。

追記:絶対はなかった。

まず風が吹いた。
優勝戦直前、それまで鏡のような静水面だった浜名湖に波が立ち、
風向きを示す吹き流しが激しく揺れていた。
アゲインストだ。

次にスタートの名手「菊地」が出遅れた。
環境の急変とプレッシャーが勘を鈍らせたのかもしれない。
更に3号艇と4号艇がトップスタート--- と思いきや痛恨の勇み足。



「菊地」と「平本」を呑み込んだ3号艇と4号艇が戦線を離脱した瞬間、
最後方から最内を突いた6号艇「片岡」が飛び込んできた。



優勝戦は「6-5-1」でゴール。
一番人気が敗れ、2艇がフライング返還(※)。
大波乱の結果となった。
(※規定時間をこぼれたスタートをした場合、
  その時点で、そのレーサーはレースに参加する資格を失い、欠場扱い。
  そのレーサーが対象の舟券は、全て同額で購入者に払い戻し・返還される。
  優勝戦売上の80%以上、13億5千万円あまりが返還。
  ちなみに、僕が張った銭もほゞ戻ってきてしまった---)



「片岡」は初のSG戴冠。
勝利者インタビューでは、消え入るような小声で「信じられない」と心情を吐露。
大きな目に涙を浮かべて質問に答える様子が、
戸惑いと複雑な胸の内を表していた。

そして「新田」と「白井」は、重い十字架を背負う。
向こう一年間SGレースに出場できないのだ。
但し「グランプリ」だけは例外。
今年の年間王者をめぐる戦いは混沌としてきた。
                           
コメント
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