ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載第八弾は「アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険」の主人公「マルコ」。
原作は、有名な「東方見聞録」。
中世イタリアの商人で、冒険家・旅行家「マルコ・ポーロ」の生涯を、
大いに脚色を加えて映像化した作品だ。
『未来少年コナン』、『キャプテン フューチャー』に続く
30分枠連続アニメとして放送が始まったのは、昭和54年(1979年)。
放送時間は、前作2つが火曜日の夜だったが、三作目は土曜日の午後7:30~。
この違いは、日本放送協会の力の入れ具合が分る。
当時は、まだ一般家庭へのビデオデッキ普及黎明期。
より多くの視聴者へ訴えるため、週末に番組編成したと考えるのが自然だ。
「コナン」は「日本アニメーション」が、
「フューチャー」は「東映動画」が製作した持ち込みだったのに対し、
「マルコ」は自前のオリジナルプラン。
しかも「シルクロード プロジェクト」と連動させた「肝煎り企画」。
ドラマ部分は、アニメ。
話の舞台になる場所の風景や風俗は、現地ロケの実写映像で紹介。
豊富な資金が注ぎ込め、膨大な素材を駆使できる、公共放送ならではの豪華版である。
確かに、タイトルの「アニメーション紀行」は、伊達ではなかった。
ローマ法王庁内部の静謐な雰囲気。
イスタンブールのバザールの雑踏。
カスピ海のチョウザメ漁と、キャビア加工の様子。
ナツメヤシの木陰に佇む女性達のエキゾチックな顔立ち。
何年もかけて織り上げるペルシャ絨毯の美しさ。
一本の草木もない天山山脈を吹き抜ける風。
バーミヤンの石仏群。
馬に乗った男達が羊を奪い合うアフガニスタンの国技・ブズカシ。
砂の海に落ちた、ラクダの隊列の影。
…満足なCGなどなかった頃、現地でカメラを回し撮影した映像は、
どれも貴重で、本物が持つ迫力に満ちていた。
「マルコ」一行が繰り広げる物語は、概ね3部構成。
ベネチアから元の都へ至る、前編。
「フビライ・ハーン」の密命を帯びて帝国内を見聞する、中編。
「コカチン姫」を連れ、海路ローマへと向かう、後編。
それぞれに面白かったが、個人的には前編が好きだ。
若く好奇心に満ちた主人公が、旅を通じて成長していく様がいい。
自分が暮らす東アジアとは、気候も文化・風俗も違う土地を遥々陸路で往くのがいい。
オープニングで「小椋佳」のボーカルが旅愁を誘い、
ストーリーテラー「小池朝雄」のナレーションが哀愁を掻き立ててくれた。
2010年9月12日
2010年9月13日
2012年8月30日
※関連記載アリ
不定期イラスト連載第八弾は「アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険」の主人公「マルコ」。
原作は、有名な「東方見聞録」。
中世イタリアの商人で、冒険家・旅行家「マルコ・ポーロ」の生涯を、
大いに脚色を加えて映像化した作品だ。
『未来少年コナン』、『キャプテン フューチャー』に続く
30分枠連続アニメとして放送が始まったのは、昭和54年(1979年)。
放送時間は、前作2つが火曜日の夜だったが、三作目は土曜日の午後7:30~。
この違いは、日本放送協会の力の入れ具合が分る。
当時は、まだ一般家庭へのビデオデッキ普及黎明期。
より多くの視聴者へ訴えるため、週末に番組編成したと考えるのが自然だ。
「コナン」は「日本アニメーション」が、
「フューチャー」は「東映動画」が製作した持ち込みだったのに対し、
「マルコ」は自前のオリジナルプラン。
しかも「シルクロード プロジェクト」と連動させた「肝煎り企画」。
ドラマ部分は、アニメ。
話の舞台になる場所の風景や風俗は、現地ロケの実写映像で紹介。
豊富な資金が注ぎ込め、膨大な素材を駆使できる、公共放送ならではの豪華版である。
確かに、タイトルの「アニメーション紀行」は、伊達ではなかった。
ローマ法王庁内部の静謐な雰囲気。
イスタンブールのバザールの雑踏。
カスピ海のチョウザメ漁と、キャビア加工の様子。
ナツメヤシの木陰に佇む女性達のエキゾチックな顔立ち。
何年もかけて織り上げるペルシャ絨毯の美しさ。
一本の草木もない天山山脈を吹き抜ける風。
バーミヤンの石仏群。
馬に乗った男達が羊を奪い合うアフガニスタンの国技・ブズカシ。
砂の海に落ちた、ラクダの隊列の影。
…満足なCGなどなかった頃、現地でカメラを回し撮影した映像は、
どれも貴重で、本物が持つ迫力に満ちていた。
「マルコ」一行が繰り広げる物語は、概ね3部構成。
ベネチアから元の都へ至る、前編。
「フビライ・ハーン」の密命を帯びて帝国内を見聞する、中編。
「コカチン姫」を連れ、海路ローマへと向かう、後編。
それぞれに面白かったが、個人的には前編が好きだ。
若く好奇心に満ちた主人公が、旅を通じて成長していく様がいい。
自分が暮らす東アジアとは、気候も文化・風俗も違う土地を遥々陸路で往くのがいい。
オープニングで「小椋佳」のボーカルが旅愁を誘い、
ストーリーテラー「小池朝雄」のナレーションが哀愁を掻き立ててくれた。
2010年9月12日
2010年9月13日
2012年8月30日
※関連記載アリ