リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

318. 17回目のドイツ旅行(46)トーマス、ルースと再会できました

2023年03月01日 | 旅行

▶今日は旅の最終地、フランクフルトに向かいます。



バート・ヴィルベルにて

 

▶今日はフライブルクからフランクフルトまで移動します。

 トーマスから今回の宿泊は無理だと連絡が入ったときに、前半の旅で泊まったフランクフルトのホテルにはまだ空きがあったのですぐ1泊分の予約を入れておきました。他のホテルでは駅に近いところは全く予約が取れなかったからですが、それにしても初回の宿泊費の2.7倍もしたのです。行ってみてその理由がわかりました。この時期は近くのフランクフルト・メッセで本の見本市が開かれていたのでした。それで他のホテルも満杯だったのですね。需要と供給の関係はシビアなものです。

◆2022年10月18日(火曜日)6417歩
 6時半に目覚め、支度をして食堂に下りました。今日もまた朝食を食べて17ユーロずつ払いますというサインを求められました。でも一通りのおかずを取ってパンと一緒に食べたらそれ以上もう食べられません。ゆっくり珈琲を飲みながらも「2日間で68ユーロはやっぱり高いなぁ」とつくづく思ってしまいました。

 8時56分の ICE に乗って11時過ぎにはフランクフルト中央駅に着きました。まだ早めではありましたがチェックインできました。でも部屋は広いのに大きな旧型ストーブがデンと置かれています。2つのトランクを広げるにはスペースが取れないので、戸棚を1つ諦めて、その前に広げることにしました。お風呂場は広く、昔はなかなか豪華な部屋だったのではないかと思われますが、トイレの陶器にはヒビが入り、何とも侘しく感じました。最初に泊まった部屋はここまでではなかったのですが。駅から近いことだけは利点です。

▶トーマス、ルースとの再会

 今日はこのホテルのロビーでトーマス、ルースの2人と会う約束をしていました。ロビーは広々としていて椅子もきれいだったので、ここならゆっくり話せそうと思ってのことです。着いた時にロビーを見回すと、前回は気づきませんでしたが無料で珈琲やケーキを飲食できることがわかりました。なかなか親切なホテルではあるのです。部屋に荷物を置いてから一度ロビーに下りてみました。少し珈琲で喉を潤し、ケーキと林檎ももらって部屋でゆっくり休みました。そしてまずはトーマスたちに渡すお土産を準備しました。

 午後2時少し前にロビーに下りたらソファーが埋まっていて、脇のテーブル席しか空いていませんでした。まぁ、仕方がありません。窓の外を見るとちょうどホテルの真ん前にタクシー乗り場があって、ひっきりなしにタクシーや一般車が来ては止まり、出ていきます。2人が車で来たらなかなか停車できないのではないかと心配になりました。外に出て姿を見せていた方が車で来たときにわかりやすいかもしれないと、しばらく2人で外に立ってみました。すると遠くから手を振る人がいます。ルースです。その後ろからゆっくり歩いてくるトーマスの姿が見えました。歩けるんだと嬉しくなって急いで走り寄りました。右手に杖を持ち、シャキッと立ち止まったトーマスとルースとかわりばんこにハグを交わして3年ぶりのご挨拶。

 ロビーに入ると幸いソファー席が空いたので、そこでお互いの近況報告とお土産の交換をしました。トーマスとルースからはアンゲリカから届いた上衣の箱、大きな蝋燭、チョコレートと、最後に「MODI ORANDI SANCTI DOMINICI  ROSS.3 (1)」と書かれた聖書の復刻版のような本を渡されたのでした。ずっしりと重く、トーマスの話ではこの本には貴重な歴史があるようなので、キリスト教信者ではない私ごときが持っていては申し訳ないと言ったのですが、彼は「僕が持っていても仕方がないので緑に持っていて欲しいんだよ」と言うのです。困った…。取りあえず日本に持ち帰りましたがどうしたものかと悩んでいます。
 私たちからのお土産は『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』と、お煎餅と、彼らが大好きな緑茶です。日本から持ってきた写真集新刊13冊が全部直接手渡しできて本当に良かったと思っています。トーマスが目を細めてこの大天使ミカエルの表紙を見ながら「5冊の中でこの本に王冠をあげるよ」と言います。一番できが良いという意味だそうです。三津夫は「この表紙、僕が選んだんですよ」と喜んでいました。
 いただいたお土産を急いで部屋に一旦納めて、
ルースの案内で駐車場へ。そこはホテルから数分の大きな駐車場でした。こんな駐車場がすぐ近くにあるとは知らずに無用な心配をしたものです。

 ルースの運転で、以前にもよく出かけたバート・ヴィルベルのレストランに行きました。建物の壁が真っ赤な蔦で覆われていると思ったら葡萄の葉なのだそうです(写真・下)。葡萄がこれほど紅葉するとは知りませんでした。



バートヴィルベルのレストランで


バート・ヴィルベルは美味しい地下水で有名です。トーマスが頭に手を置いている男性像がその発見者だそうです。よく似ていること!


「しっかり歩いて筋肉を取り戻す」と意気軒昂なトーマスと、いつも優しいルースと。


 遅めの昼食をご馳走になり、お腹がいっぱいになりました。その後少し町を散歩しながら「来年もまた来るわね」と伝えました。トーマスとルースが日本に来てくれたら今までの24年間にわたる友情と親切にお返ししたいものですが…。
 今日はこのあと列車でフランクフルト中央駅まで戻ってきました。二人の元気な姿が見られて本当に良かったと思える1日でした。

 今日中にトランクをまとめておかなければならないので、日本へのお土産を買いにスーパーに行こうと REWE を探しながら歩きました。すると細い路地をびっしりの人波の中で黒人さんがぐるっと私たちを取り囲んで歩いている時間があり、三津夫は危険を感じたそうです。特に私がぶら下げていたバッグが大丈夫かどうかと…。幸い何とかスーパーが見つかり、急いで家族や友人たちへのお土産を買い込んで、今度はできるだけ広い通りを選んでホテルまで戻りました。いつもはトーマスが連れて行ってくれる郊外の REWE でゆっくりお土産を選んで帰るのですが、中央駅での買い物は今後はやめようと心に刻みました。

 明日は帰国の日です。でも、ちょっと寄っていきたい町が出てきたのです。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023  Midori FUKUDA

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  317. 17回目のドイツ旅行(... | トップ | 319. 17回目のドイツ旅行(4... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅行」カテゴリの最新記事