▶ヴュルツブルクの2日間
❤ ヴュルツブルク、シュタインベルクにあるお城のホテルからの景色 前を流れるのはマイン川
左奥の丘の上に見えるのがフランケン博物館-ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館のあるマリエンベルクです。
▶ヴュルツブルクで家族7人旅が始まりました。
8月16日。無事ホテルのチェックインを済ませ、荷物はあとで各部屋に入れてくれるということでお願いしたまま、ヴュルツブルク中央駅からICEでゆっくり座ってフランクフルト空港に向かいました。ここ3日間はゆっくり日記を書くゆとりがなく、列車内で思い出しながら日記を書きました。年々記憶力が落ちていくので、できるだけ早めに細かなことも記録しておかないと次の旅行に活かせないと思って書いていますが、こうした旅の記録は海外旅行毎に大学ノート1冊ほどになります。
フランクフルト空港駅から第一ターミナルへのルートを歩くのは2回目。奈々子の飛行機は幸い息子の時とは違って比較的順調で、それほど待たずに出てきました。ドイツ鉄道パスのバリデートも今回はすぐに済み(これが当然なのです)、夕食のパンと飲み物を購入して19時35分発のICEミュンヘン行きに乗りました。ヴュルツブルク中央駅には21時頃到着。タクシーは朝と較べてずっと少なく、2台あったうちの1台に乗りました。夜の道はまっ暗で回りの景色が全然見えませんが、朝とは全く反対側のルートでしたので、もしかしたらふっかけられるかもしれないと内心ドキドキしていました。今朝のタクシーは2台ともチップ込みで23ユーロ払いましたが、今夜の運転手さんは21ユーロ強の料金を見せてくれたので、心の中で「疑ったりしてごめんなさい」と詫びながら22ユーロ払いました。トランクもにこやかにサッと下ろしてくれて親切な方でした。
娘の部屋はシングルルーム。「日本に持って帰りたいぐらい可愛い部屋」と喜んでくれたので嬉しくなりました。私たちの部屋は広さもゆったり、ウォークインクローゼットもついていて高級感のある仕様でした。
❤ 娘が泊まった部屋の窓
▶フランケン博物館―ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館
8月17日。昨夜は部屋ごとにちょっと寄って挨拶しただけの7人が、ようやく一堂に会したのが朝食会場。この部屋に入って皆がびっくりしたのは蜂蜜が巣からとりだした状態で置かれていることでした。下に流れ出てくる蜜をすくってもよし、蜂の巣ごと匙ですくってもよし。孫たちはこれを見て歓声を上げていました。テーブルセンターもなかなかお洒落な雰囲気。
❤ このように出された蜂蜜を初めて見ました。いつもの蜂蜜とは一味違うような気さえします。
食事をしながら今日の日程を確認。午前中だけはフランケン博物館-ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館(以後フランケン博物館)まで行きました。ここは、リーメンシュナイダー作品収蔵数世界一を誇る博物館です。その秀逸な作品群を孫たちの記憶に残したいのが私たちの願い。でもその後はそれぞれ見たい対象も違うので自由行動としました。
市内まで7人でおしゃべりしながら歩いて丘を下り、バルバロッサ前のバス停からちょうど来たフランケン博物館行きのバスに乗りました。でもバス代をまとめて払おうとしたら「いいよ、いいよ」と手を振って受け取らなかったのが不思議です。
こうした博物館歩きは孫たちにはしんどいかと思いましたが、リーメンシュナイダーの部屋も真面目に見ていました。ここで、親切な館員が館内の要所要所でチェックポイントがあり、クイズに答えると何かご褒美がもらえるということを教えてくれましたので、その後はチェックシートを手にして私の助言や翻訳機などを頼りに一生懸命答えを探して書いていました。担当者がそれとなくヒントをくれたりしていたせいか、思っていた以上に熱中していました。昨年来館したときは観客も少なく、集客力が心配になるぐらい静かな館内でしたが、今年は子どもの姿が多く見られて賑やかだったのはこの取り組みの成果でしょう。夏休みだったこともあるかもしれません。ただ、あまりにも答えを出すまでに時間がかかりすぎて問題も段々難しくなり、孫たちもヘルプする大人たちも最後はギブ・アップ。それでもリーメンシュナイダーの主立った名作を解説できたので満足です。
博物館を出てからマリエンベルク要塞の庭園に回って市内の眺望を楽しみ、再びバスで丘を下ってマルクト広場の脇道にあるハンバーグレストランに入りました。店内には竹の柱があちらこちらに立ち、なかなか凝った作りです。手作りハンバーグと看板にうたっていたのですが、本当に美味しくて全員感激。良い昼食となりました。私たちにも初めてのお店でした。
このあと、息子一家はフランクフルトの1泊を残して日本へのお土産を見たいということで別れ、奈々子はドイツ特製のガラス保温ポットを探したいというので私と町中へ。三津夫は帰ってゆっくりすると、一人で丘を上って戻ることになりました。夜は7時にホテルで夕食を予約してあります。それまで解散!
奈々子が探していたのは、内部がステンレスではなくガラスでできていて保温力の高いポットだそうです。EMSAというドイツメーカーの製品で、日本でも買えないことはないけれど大変高いのだとか。こちらで買って帰りたいと意欲満々。これはつきあうしかないなと観念して生活用品を探し歩きました。でもそれに近い製品はあってもなかなかEMSAはないのです。結局諦めて、丘を上り、ホテルに帰りました。三津夫も「一人でちゃんと帰ってこれたよ」と余裕の顔。息子一家は下の孫が靴擦れしてしまい、タクシーで帰ってきたとか。この日は日傘を差すほど暑かったので、やはり疲れました。
❤ 「この席だね」と座った7人用のテーブルと、その後出てきたご馳走
午後7時。私はレストランの中庭ではなく、室内に7人分の席を予約していた(タバコの煙と虫を避けたくて)ので、ここだなと思って写真の席に座ったのでした。しかし、なぜかウェイターが憮然とした顔で私たちのテーブルにつかつかとやって来て並んでいた食器を無言で片づけ始めたのでどうしたのだろうと思っていました。しばらくすると違う食器を持って来て並べ始めるのです。感じが悪いので、「朝、室内でと予約をしていたのですけれど」と言うと、ふっと表情が和らぎ「外に準備していたものですから」と。どこかで行き違いがあったのでしょう。その後は丁寧に食事のメニューを案内してくれるようになりました。写真で見るようにご馳走が出てきましたが、せっかくの金婚式ディナーは正直私たちには塩味が強くてなかなか全部は食べきれないのが残念でした。
▶フランクフルトでトーマスと会いました。
8月18日。ヴュルツブルクとは今日でお別れ。私たちも数え切れないほど訪ねた町ですが、親切だったペーターが亡くなり、ご家族とはあまり連絡がうまく取れず、ここに来ることはもうないかもしれません。でもリーメンシュナイダーの工房があって素晴らしい彫刻をたくさん作った町。一生忘れることはないでしょう。
今日はフランクフルト中央駅まで行き、お昼をトーマスと一緒に過ごすことになっています。去年は帯状疱疹で大変な思いをしたトーマスがやっと杖で歩けるまでになってルースと一緒にフランクフルトのホテルまで訪ねてきてくれましたが、今日はルースが実家の集まりで来られないため、一人で来てくれました。もう長時間の飛行機の旅は難しい彼らが孫たちに会えるのは滅多にないチャンスです。
ホテルからヴュルツブルク中央駅までは予約しておいたタクシーで向かいました。列車も順調。フランクフルト中央駅前のホテルはまだ早くてチェックインできませんでしたが、トランクを預け、息子のスマホナビを頼りにトーマスの待つカフェに歩いて向かいました。
トーマスは元気そうな顔で私たちを既に待っていてくれました。奈々子は何度も会っていますので、まずは息子一家が自己紹介。持って来たお土産を渡し、昼食の注文。この辺りから孫たちの様子がおかしくなりました。外の大きな木の下のテーブルだったのですが、大きめの蠅が飛び回るのです。特に甘い料理にたかってきます。それが怖くてキャーキャーと逃げ回るのでした。息子の連れ合いも虫は大嫌いでいつもなら孫たちと一緒に叫ぶところ、さすがにトーマスがいるのでグッと我慢したそうです。虫を追い払いながらなんとか食事を終えたところで室内に席を移してもらい、今度は虫も飛んで来ないのでゆっくりとデザートをいただきました。
❤ この日は元気そうなトーマス 正面は娘の奈々子です。
トーマスとの帰り道。足取りも元気で杖なしでさっさと歩く姿を見て本当にホッとしました。今も散歩をしながら筋力を戻しているところだそうです。「ルースによろしくね」と挨拶して旧オペラハウス前でお別れしました。ここから息子一家も買い物へ。奈々子と私はまたまたポットを探しに。三津夫は大きな本屋さんで本を見てからベンチで集合ということにしました。
地図ではその近くにEMSAの支店があったので探し回りましたが、現在は移転しているとのこと。その案内の通りに行ってもどうしても支店が見つからず、結局諦めて合流のベンチへ。夕食は駅でそれぞれ買ってきたもので済ませました。淡々としたものです。
▶息子一家は帰国し、残り3人でシュトゥットガルトへ
8月19日の朝はホテルで7人旅最後の朝食を一緒にとり、フランクフルト中央駅で少し空港への行き方を息子にレクチャーしながら一日券を購入。時間はゆっくりあるので自分たちで好きなところにいってから空港へ向かうと言います。トランクを預けるところまで皆で顔を合わせ、ホテルのラウンジでお別れ。奈々子と私たちは一足早くシュトゥットガルトに出発しました。息子一家の無事の帰国を祈りながら。
◆ここまでで7人旅は終わります。残る3人旅からは来年また書くことにします。
皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023 Midori FUKUDA