▶フランクフルトのリービークハウスで初めてロラーさんと会いました。
❤この日も暑い日。マイン川のほとりに建つWesthafen Tower
◆2019年7月26日(金)まずはリービークハウスへ。
朝は6時頃に目が覚め、チェックアウトの準備をしてからレストランに下りました。前日、京子さんがホテルの朝食を取りたいとのことだったので、ここだけは朝食付きで頼んであったのでした。たっぷり美味しく食べてお腹がいっぱいになったところで町へ出発。三津夫とはいつも歩いてリービークハウスまで行きます。私は昨日に引き続き2回目のリービークハウスですが、三津夫はここでミヒェル・エーアハルトのマリア像を見るのが楽しみの一つでした。ミュンヘンのバイエルン国立博物館マティアス・ヴェニガーさんがこのリービークハウスのシュテファン・ロラーさんと親しく、私がここを訪ねたら是非会うようにと何度もメールで促してくださったおかげで、今回初めてロラーさんにお目にかかる約束になっていました。私は2010年からロラーさんと何度もメールのやりとりはしてきたのですが、ご挨拶をしたいと書いてもその点だけはお返事をいただけなかったのです。今回9年目にしてやっと面会が叶いました。
受付でロラーさんとお約束した者ですと名乗ると、みんなで手分けして探してくれて、しばらくしたらチェックのシャツのロラーさんがニコニコとやってきました。会うまでには長い時間がかかりましたが、会ってみるととても親しみやすい方でした。そのまますぐに中世彫刻の部屋へと案内され、話が弾みました。ミヒェル・エーアハルトのマリア像は小さいけど、ボーデ博物館のマリア像よりは良いと思っているとか、ミヒェル・エーアハルトの工房では彫るときに芯を通して彫っているが、このマドンナとそっちの聖バルバラは全く同じ芯で彫っていることがわかったのだとか、裸のキリスト像をエーアハルトは何体か彫っているけれど、ここのキリスト像が一番大きいので一番高かったんですよとか、嬉しそうに話してくださいました(写真下)。
❤この日初めてお目にかかったシュテファン・ロラーさん
話が一段落したところで三津夫が「以前リービークハウスでニコラウス・ゲルハルト・フォン・ライデンの写真集があったのだけれど、今見ても見つからないからどこで売っているのかロラーさんに教えてもらって」と言います。伺ってみると、「あぁ、表では売っていないなぁ。でも僕が持っていますよ。ちょっと待っていてください。」と、どこかに行ってしまいました。しばらく他の作品を見ながら待っていると、大きくて重たそうなカタログを手にして戻って来られ、「どうぞ、差し上げますよ」とくださったのです。買うつもりだったのでびっくりして、お礼を言いながらいただきました。そして図々しく「サインをお願いできますか?」と頼んでみたら、受付まで持って行ってサインも書いてくださいました。思いがけないプレゼント! このカタログもロラーさんの力作なのです。何年も憧れていたカタログが手に入って、三津夫は大喜び。今回の旅の後半にはゲルハルトの有名な彫刻がたくさんあるストラスブールまで行くので、その予習ができるというものです。日本ではほとんど情報が得られませんでしたから、ロラーさんには心から感謝です。
ここでロラーさんとはお別れして、三津夫はまだ見ていない作品の鑑賞を、私は昨日一眼レフを持ってきていなかったので、今日は一眼レフでの作品撮影に集中。
疲れたので、お隣のシュテーデル美術館のカフェに入り、ちょっとケーキとコーヒーで休みながら、いただいたばかりの本を眺めました。素晴らしい写真もたくさん掲載されていて、ニコラウス・ゲルハルト・フォン・ライデンの情報もたっぷりです。ここでついでに軽食を取りました。
帰りがけにフランクフルト中央駅でライゼ・ツェントルムに寄ってジャーマンレイルパスのバリデートを済ませました。いつもは空港で済ませて来るのですが、昨日はすっかり忘れてしまっていたのです。ここはさすがに20人ぐらい窓口で応対していたので、あっという間にバリデートも終了。ゆっくりホテルに戻り、トランクを引き取ってから再び中央駅へ。列車は4分遅れで来きたので、シュトゥットガルト中央駅で待っているヴィリーたちにはそれほど大きな迷惑をかけないで済みそうです。
列車は混んでいて、空席がコンパートメントにしかなかったので、仕方なく大きなトランクを持って入りました。隣の席の若者が網棚に荷物を上げてくれました。シュトゥットガルト中央駅に着いたときにも下ろしてくれて感謝、感謝! 三津夫と私だけでは大きなトランクは上げられないのでコンパートメントは苦手なのですが助かりました。
◆シュトゥットガルトでヴィリーとアンゲリカと再会
さて、いよいよ私たちの初体験、ドイツでの結婚式に招待されているのです。地名はわかりませんでしたが、シュトゥットガルト中央駅でヴィリーとアンゲリカと会うと、車で夕食の会場に向かいました。結構長い時間走ります。ヴィリーが運転席に、三津夫が助手席に座り、アンゲリカは後ろからナビ役です。会場に着くとまだ明るいのですが、既に時間は7時を回っていました。結構遠くまで来たものです。シルヴィアが珍しくワンピース姿で皆に挨拶をしていました。会場に入ると、シルヴィアのご両親、お兄さんのトルステンとお連れ合い、クラウスの数え切れない親戚が集まって挨拶とお喋りの渦。写真は、三津夫とヴィリーと、ヴィリーの柔術仲間(多分)です。
◆シルヴィアは輝いていました。
上はシルヴィアとクラウスの写真です。昨日までシルヴィアは学校の授業があったので、今日から夏休み。この日の午前中に家族と近い親戚が集まり、市役所に結婚届を出してきたのだそうです。書類の結婚届けが先で、後からゆっくりと式や披露宴をするのがドイツ方式なのですね。お兄さんのトルステンも長いこと同棲してから結婚式を挙げていましたし、フランクフルトのトーマスのお嬢さんも同様です。日本とはずいぶんちがうものです。でも、シルヴィアが18歳の頃にオーストラリアのエアーズロックで出会ってから既に23年目、この日は今までで一番綺麗に輝いていました。
夕食は誰が誰だかわからない中で賑やかにいただき、夜は再びヴィリーの運転でルートヴィヒスブルクのホテルまで乗せて行ってもらいました。彼らのホテルはもう少し先なのだそうです。部屋に入ってトランクを空け、ようやくゆっくりしました。それにしても暑い! クーラーはないので、シルヴィアが小さな扇風機を貸してくれましたが、これがなかったらなかなか寝苦しい夜となっていたでしょう。明日はうまく着物が着られるかどうか、気になりながら床に就いたのでした。
※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA