リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

240. 郵便発送終了

2020年11月29日 | 日記

▶年末の大仕事が一つ終わりました。



ある日の木と空


▶ようやく荷物を発送し終えました。

 11月17日、ここ数日間必死で取り組んだ発送作業が終わりました。

 郵便局は、海外発送の小包が一つでもあると集荷に来てくれます。海外の友だちにクリスマスのささやかな贈り物を詰めた箱を送るようになって約20年になりますが、今年ほど早く終えた年はありません。例年11月末に発送できれば良い方でしたし、昨年は写真展が終わってからの発送で、クリスマスを過ぎてからやっと届いたはずです。今年のようにコロナ禍で郵便事情が悪くなった場合は少しでも早く送り出しておいた方がいいと考え、11月始め頃からカレンダーやお菓子などのプレゼントを買ったり、『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』をビニール袋に入れたりして準備はしていましたが、壁の塗り替え工事が入っていたので部屋に荷物を広げることができたのは15日でした。そして16日、17日は箱詰め、梱包し、内容物を書き込んだ小型包装物用の書類を書くのがまた大変なのでした。何をいくつ入れたか、その重さは何キログラムか、値段はいくらかも記入するのですから、これが一番の大仕事です。秤で量って、数を確認して、きつくガムテープで梱包しているうちに、腰も指先も痛みが次第に強くなりました。16日の夜には背中もギシギシ痛んで叫びたいほど。湯船に浸かってようやく痛みが和らぎました。

 梱包が済むと、重さに応じた送料をメモして三津夫にバトンタッチ。彼の一番の楽しみはこれからです。私が長い間かかって買い込んであった記念切手を計算して送料分貼り付けるのですが、三津夫はこうして何かをきちんと使い切るというのがとても嬉しいらしいのです。(普段、生協の荷物が届いたり、無農薬野菜が届いたりして冷蔵庫の中が一杯になったときも、それをどう使い切るかを楽しみながら料理をしていきます。)今年は航空便でしか送れないので郵送料が高騰、何十枚もの記念切手が並ぶのですから、まぁ、それは満艦飾と言って良いほどの光景でした。受け取った友人はどんな顔でこの箱を開けるのだろうと思うと、何だか可笑しくなります。

 こうして準備ができた箱を玄関に並べ、まるでお店屋さんのような状態にスタンバイできたのはようやく17日のお昼過ぎでした。午後2時には集荷の方が見えました。きっと内心「嫌になっちゃうなぁ」と思ったでしょうねぇ。この忙しい時期に、一々送料が合っているのかどうか、切手を数えて計算しなければなりませんから。心の中で手を合わせながら見守ります。航空小包だけは現金払いとしました。5000円分の切手を貼るスペースはとてもありませんから。30分ほどはかかったでしょうか、やっと担当の方の引き取りが終わりました。お疲れさまでした!!



ある日の木と空

 

▶来年からは…。

 こうした発送作業は楽しみな面もありますが、21年前に交通事故で打った腰の後遺症がひどく出てくるのです。そろそろ体力の限界かもしれないと思うようになってきました。「来年からは徐々に縮小して小さめなプレゼントにするしかないかなぁ。75歳になったらクリスマスカードを送ることでよしとしようかしら…」などと考えています。でもシルヴィアとトルステンからの小包が初めて届いたときの喜びは今でも覚えているのです。毎年のように家の周りや友だちの家で拾ったクルミや孫たちへのチョコレートを送ってくれたペーターの箱もとても楽しみでした。でも、彼も思いがけず早く天国に行ってしまいました。いただく喜びを思い出すと、たとえ本当にささやかでも、カードだけではない贈り物を続けたいという気持ちがやはりどこかでうごめいてきます。まぁ、来年までゆっくり考えることにしましょう。

 

これは何の木?

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2020  Midori FUKUDA

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239. いまどきの郵便事情

2020年11月07日 | 日記

▶驚きました。いまどきの郵便事情はコロナ禍で変わったのですね。

 




ウルム大聖堂 聖堂内陣席の彫刻より 
   ミヒェル・エーアハルト 1469~1474

 

▶発送作業がとてもわかりにくくなりました。

  毎年、クリスマス前には私の部屋はカオスとなります。昨年は合計18個のプレゼントを海外に送りました。2kgを超える箱もありましたが、大半は2kg以内の小型包装物でSAL便というリーズナブルな料金で送れるタイプです。今年も同じように考えて準備を進めていましたが、写真の掲載許可をいただいた美術館、博物館にも見本を送るため、もう少し数が増えます。

 先日、ちょうど郵便局に行く用事があったので小型包装物の用紙をもらいました。すると「どちらに送るのですか?」と聞かれるので、主にドイツとアメリカですと答えたところ、「アメリカはなかなか厳しい状況です」と言われました。来年からは手書きのアドレスの小包は送れなくなりますとのこと。

  そこで郵便局のホームページ(以下HP)を開いて見ました。
 どうやら郵便局のHP経由でダウンロードしたフォームにデジタル入力をし、プリントアウトしたものしか送れなくなるらしいのです。さらにSAL便で送るのは大丈夫かどうか尋ねてみると、今はSAL便は送れませんといわれてしまいました。送るなら航空便か船便だと言うのです。私の『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』は980g弱(約1kg)です。包装して1kgを超えるか超えないか微妙なところ。HPで料金を調べてみました。

 ★もし包装後で1kgにおさえられれば…

  航空便 1,860円   SAL便 1,080円   船便 770円   [ 国際eパケットライト 1,320円 ]

 ★もし1kgを超えて1.1kgになると…

  航空便 2,085円   SAL便   1,180円   船便 1,080円      [ 国際eパケットライト  1,590円 ]

 ★何度も泊めてもらったり案内してもらった友人には他のプレゼントも入れるのですが、なんとか2kgでおさめるとすると…

  航空便 2,760円  SAL便 2,080円   船便 1,080円  [ 国際eパケットライト  2,400円]

 ★それでもおさまらずに2.5kgになったとすると……

  航空便 5,900円  SAL便 5,000円   船便 2,900円  [ EMS(国際スピード郵便)5,800円]

 

 この料金一覧表には「国際eパケット(国際書留付き航空小形包装物)」「国際eパケットライト」というタイプも載っていて、航空便よりはリーズナブルです。国際郵便マイページサービスから入って入力するタイプですね。きちんと相手に届いたのかどうかを追跡できるようです。今のような閉鎖的な時代には、こちらを使っておいた方が確実に届くのかもしれません。…と思ったのですが、念のためもう一度郵便局に問い合わせてみました。すると、とにかく今は航空便か船便しか送れないということなのです。今年はやむを得ず極力重さが2kgを超えないように努力して送るしかありませんね。年内は手書きの、あるいは個人作成の宛名でも大丈夫という話でした。でもせめて早くSAL便が復活してほしいものです。


 そしてさらに来年4月1日からは海外への郵送料が相当上がるそうですから、そろそろ頭の切り替え時なのでしょう。デジタルデータを郵便局の国際郵便マイページを通して入力し、
その書類を入れるという専用パウチももらっておいて発送作業をしなければならなくなります。やれやれ、来年は今まで以上にややこしい発送作業となりそうです。何歳までこの作業が続けられるのかちょっと心もとなくなってきました。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2020  Midori FUKUDA

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238. 『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』ができあがりました。

2020年11月01日 | 日記

▶これでリーメンシュナイダー写真集は完結です。

 


『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(丸善プラネット 2020年11月15日発行)

 

▶リーマンショックで始まり、コロナで終わった4冊の写真集

 今まで何回も書いてきたように思いますが、4冊の写真集を目の前に、もう一度だけここに至る思いを書いておきたいと思います。

 

 私が『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(丸善プラネット)を自費出版したのは2008年のことでした。この年は秋からリーマンショックが始まり、世界中の景気が悪くなった大変な年でもありました。当時、株を持たない私たちはあまりそのショックを大きく感じないでいましたが、働く人たちや経済にとっては大きな衝撃だったことを思い出します。ようやく2008年12月末に写真集第一巻ができあがりました。
 この『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』は自分で見ても誤字や脱字が多く、せっかく写真を提供してくれた故ヨハネス・ペッチュからは「この赤い色は一体どうしたんだ。いつ印刷し直させるんだい?」と怒られたことが忘れられません。印刷会社と色合いについてのやりとりができるかどうかも全く知らず、毎回「もっと赤みをとってください」と言い続けたのに…と正直悲しく、残念な思いが残りました。

 

 このままではヨハネスに申し訳ないと、「ヨハネスのためにも、彼の満足のいく写真集をもう一冊出そう」と思い直すようになり、まず彼の赤くなってしまったローテンブルクの聖血の祭壇を彼の望む色合いで焼き直すことを第一に、そしてこのときには撮影が許可されなかったヘルゴット教会のマリア祭壇も、トーマス・ブルク牧師さんがご自分で撮影した写真とクレークリンゲン市の担当者が撮影した写真とで載せることを第二の目的に、そしてその後撮影し続けたリーメンシュナイダー作品を紹介する事を第三の目的として作ったのが『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』でした。
 この2巻目は最終段階で初めて色の調整に印刷会社まで出向き、色の調整も強く働きかけて仕上げていただきました。今まで拝観し、撮影してきたリーメンシュナイダー関係作品の一覧も載せたので、「リーメンシュナイダーの追いかけ人(びと)」としての集大成とも言えます。

 こうしてできあがったばかりの2巻目を持ってヨハネスの家を訪ねたのが2013年の1月です。ヨハネスは、2010年に脳梗塞を患って以来ことばが話せなくなっていました。お連れ合いのフリーデルともコンタクトが取りにくくなって不機嫌なことが多くなっていたのですが、2巻目の彼の写真頁を見せたときには笑顔でOKと示してくれました。ようやくホッとして、「これで私の任務は終了!」と思ったのでした。

 

 ところが、同時代の作家の魅力にはまっていた三津夫から、「中世の作家の作品はリーメンシュナイダーだけじゃないんだよ。あなたはそれを僕と一緒にたくさん見てきたでしょう? 良い写真も撮ってきたでしょう? それをもう一冊写真集にまとめて日本に紹介したいんだよ」と強く薦められ、とうとう3冊目の写真集を出すことになりました。
 そして2018年にできあがったのが『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』でした。ここにはリーメンシュナイダーだけでなく、同時代の作家たちの作品を38点載せました。どちらかというとリーメンシュナイダーよりもそちらに力点を置いた写真集となりました。
 さらに、
2019年11月~12月には第一回目の福田 緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く」を開催しました。日本自費出版文化賞でグラフィック部門の特別賞を受賞するという幸運が重なって2週間で500人を超える方が足を運んでくださいました。

 

 「もう本当にこれで完結編」と思っていたのに、さらに三津夫に「まだ同時代の作家たちのもっと良い作品写真が一杯ある。それをまとめた本が日本にはまだないからこそ紹介したいんだ」と何度も促され、作品のパワーと三津夫の熱意に根負けして作ることにしたのが『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』です。「もう本当にこれで最後だからね」と三津夫にも念を押して、今まで集めた資料から膨大な作品一覧を作りました。コロナ禍のStay Home の中でじっくりと時間をかけ、エネルギーを注いでまとめた一覧です。

 その4冊目の写真集が10月31日、わが家に届きました。
 色合いは、もう少し暗めの教会や博物館の雰囲気を伝えたかったのですが、比較的明るいトーンの、でもきれいな写真集となりました。三津夫と二人でじっくり眺め終えて、ホッと一息ついたところで彼が言うには、「この1枚1枚に思い出があるんだよね。写真だけでは伝わらないなぁ…。ねぇ、解説本を書かない?」。でも、私は書きません。一つ一つの語りたい思い出は、写真展でみなさんに伝えていこうと思っています。

 


2冊目の写真集を届けた日のペーターとイングリッド 
 ヴュルツブルクのペーター宅にて

 

▶クリスマスの贈り物に…。

 ペーターを始め、大変お世話になった方々(ご家族)にはちょうど時期もクリスマスに近いので、クリスマスの贈り物として送り出したいと思っています。ペーターは11月6日に中央墓地に葬られるそうです。それには間に合いませんが、イングリッドか息子さんのペーターにできあがった第4巻を墓前で見せてもらえたらと思っています。

 

 『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(福田 緑著・撮影 丸善プラネット)が書店に出回るのは恐らく今月中旬になると思われます。三津夫のアマゾンプレイスの本屋「猫家族」でも、いずれ取り扱う予定です。でも、なにしろ価格が 6000円+税 と高価ですので、あまり無理をなさらずに、お近くの図書館に購入希望を出していただけると大変嬉しいです。



友人宅の庭で 薔薇


※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2020  Midori FUKUDA

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