リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

250. 絵の背景となった「マリア祭壇」

2021年03月29日 | 日記

▶絵の背景となったクレークリンゲンの「マリア祭壇」

 


宮城千春さんの絵 リーメンシュナイダー「マリア祭壇」のある部屋


▶宮城千春さんからのメール

 「突然のメールをお許しください。
  まだコロナウイルスに収束の兆しは見えませんが、日毎にしのぎやすくなってまいりました。恙なくお過ごしのこととお察し申し上げます。
 
江古田の会場でリーメンシュナイダーの『聖母祭壇』を拝見したのは去年の暮でした。会場の正面に飾られた大きな写真を見た瞬間、しばらく離れられない自分がおりましたことを、昨日のように思い出しております。」

という書き出しで始まるメールが宮城千春さんから届いたのは2020年9月のことでした。前年に練馬区のギャラリー古藤で開催した福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く」においでくださった方だったのでした。宮城さんは白日会という絵画団体に「会友」として所属され、毎年、会の催す展覧会に出展していらっしゃるとのこと。今年の春の出品作品に「聖母祭壇」の写真を背景に構図を組み立ててみたくなったそうです。そのため、私の写真集からマリア祭壇の写真を利用する許可を求めてメールをくださったのでした。私は喜んで「どうぞ」とお返事しました。

 その成果がここにある

 リーメンシュナイダー 「マリア祭壇」のある部屋

となりました。

 宮城さんから白日展への招待券をいただいたので、27日に連れ合いの三津夫と一緒に六本木の国立新美術館まで出掛けたのでした。その時に写した写真をご紹介しておきます。ただ、こうした絵やレリーフの平面作品を真っ正面から写すのは大変難しく、気をつけていても斜めになってしまいます。多分三脚を使うと、もう少しまともに写すことができたのではないかとは思いますが、残念。修行が必要ですね。

 


こちらは額まで入れた写真です。トップの写真は額を切り取ってみました。
 


こちらは斜め右下からアップで写してみました。モデルさんと、背景の祭壇との兼ね合いは難しい課題ではなかったかと思われます。
 私は、このモデルさんの柔らかな微笑みが好きです。

 
  なにはともあれ、初めての白日展は大作に続く大作で驚きました。私の写真が
宮城さんの力作に少しでもお役に立てたことを嬉しく思います。この作品は皆さまにご好評とのこと、心よりお喜び申しあげます。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2021  Midori FUKUDA

 

 

 

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249. ドイツと日本 春の花較べ

2021年03月07日 | 日記

▶日本の春とドイツの春 たまたま揃った花較べ

 


こちらは友人宅の春の花 立金花(リュウキンカ)

 

▶日本の春の花の写真を送ったら…

 わが家には庭らしき庭がありません。仕方なくベランダにプランターで球根を植えたり、買ってきた花を植えたり、細い通路に自然に生えてきた花を楽しんだりしています。友人のKさん宅の庭はこの辺りでは広いのですが、K夫妻はご高齢なのでなかなか手入れができないと嘆いていらっしゃいました。そのため、数年前から娘と友人を含めた4人のグループでお庭の手入れをしています。

 トップの写真は、このK宅で真っ先に咲き誇る春の花、立金花(検索先によっては姫立金花となっています)です。数年前に何本か自然に出てきた花ですが、今はどんどん広がってきました。この金色の花にはなぜか元気をもらいます。ブログ248で出てきた編み笠の説明の写真と共にこの写真をヴェニガーさんに送ったところ、折り返しドイツの花の写真が送られてきました。まさに立金花によく似た花がありますが、彼の書いた花の名前にはそれらしきものが入っていません。もしかしたら立金花の仲間かなとも思いましたが、葉っぱの形が違うので何とも言えませんね。その送られてきたドイツの花の写真を以下に載せておきます。

 上から順番に、立金花に似た花(花の名前は不明)、Märzbecher スプリング・スノーフレーク、Schneeglöckchen スノードロップ、 Krokusse クロッカスです。ただ、検索した限りではスノードロップの画像はすべて白い花で、彼が送ってくれたような青い花の写真はありませんでした。ドイツにはあるのでしょうか。
 それにしてもクロッカスの咲き誇る原っぱって、あまりこの辺りではみかけません。一度見てみたいものです。

 








マティアス・ヴェニガーさん撮影 春の花

 

▶紅梅白梅の写真から

 そしてまた面白かったのが、近所のお宅に咲いていた紅梅白梅の写真も送ったところ、ヴェニガーさんは日本が左側通行をしていることと電線が地上に出ていることにびっくりしたそうです。ヨーロッパでは電線は地下に埋蔵されていて見たことがないと。地上に出ていて台風の時などに困らないのかと心配していました。ただ、地震も台風も多い日本ではどうなのでしょう。電線を地下に埋蔵したときに大きな地震があったら電線の修理も大がかりになるでしょうし、かといって台風で電柱が倒れる心配はなくなるし、景観を損ねていることも確かだし…、と考えてしまいますね。

 それにしても花の写真を送れば日本の交通や電線に興味が湧き、玄関の写真を送れば編み笠に興味を持ち、ヴェニガーさんはやりとりしていて楽しい方です。その紅梅白梅の写真も載せておきます。


※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2021  Midori FUKUDA

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248. わが家の玄関はドイツコーナー

2021年03月07日 | 日記

▶わが家の玄関にドイツからの壁掛けが加わりました。



マティアス・ヴェニガーさんから送られた壁掛け

 

▶壁掛けはおばさまの形見とのこと

 この壁掛けは、亡くなったおばさまが残したものだそうです。247で書いたように、ヴェニガーさんは、ローテンブルクのマルクト広場が織り込まれているので私に送ったらどうかと考えたのでした。最初に問い合わせがあり、三津夫に話してみたところ、彼の部屋の大きな本棚にかけるとごちゃごちゃしたものが隠れて良いかもしれないから欲しいということでした。そしてヴェニガーさんから「ついでにチョコレートも入れようと思うけど、日本ではじかれることはないだろうか」「税金を取られることはないだろうか」などの問い合わせが2~3回あって、ようやく届いたプレゼントだったのでした。三津夫が早々と彼のブログに写真を載せてしまいましたが、ようやく私のブログにも登場してもらいます。

 壁掛けは少し傷んだ場所があり、幅が120cm近くあったため、まずは一度軽く押し洗いをしてから傷んだ箇所を修理しました。三津夫が飾りたいと思っていた本棚には少し大きすぎて彼のイメージに合わないことがわかり、どこならこの大きさの壁掛けがかけられるだろうと相談して、玄関でみんなを迎えるという方が良いだろうと決めました。その後、長いポールやネジ釘などを探して購入、ようやく取り付け終えたのがトップの写真です。思っていた以上に存在感があります。ヴェニガーさんのおばさまはよろこんでくださっているでしょうか。わが家の玄関では手狭で申し訳ない気もします。もしかしたらポールに通すよりは直接壁にピンで留めた方が良かったのかしら…。でも壁板には裏張りのあるところとないところがあり、ちょうど良い場所では下がりすぎてしまうしと、悩んだ挙げ句にこうなったので仕方がないのですけれど。




こちらは全体の様子です。

 

▶玄関にはドイツからの品物が他にもたくさんあります。

 わが家の玄関には他にもドイツからやって来た品々が置いてあるのです。パッと目に付くのが聖バルバラ像。これは留学中にヴュルツブルクまで出掛けた際に大聖堂横の本屋さんで見つけたレプリカです。シュヴェービッシュ・ハルに戻ってから三津夫にメールで買っても良いかどうかと尋ね、次に友人が訪ねてきたときにまたヴュルツブルクに行き、ようやく買ったものでした。でもドイツって梱包などしてくれないのですよね。確か、大きめの袋に入れて渡されたような気がします。これではシュヴェービッシュ・ハルまで持って帰れない、どうしようと悩んで大きなバッグを探して回り、ようやくスポーツ用品店でラケットバッグを見つけて入れてみたらピッタリ入ってくれたのです。そのバッグを背負って帰った品でした。

 リーメンシュナイダー作の聖バルバラ像はヴュルツブルクのマインフランケン - ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館と、ミュンヘンのバイエルン国立博物館が有名です。どちらも清楚で素敵な像ですが、ヴュルツブルクの方はハウベが取れてしまったものか、頭には何も被っていないのですが、ミュンヘンのバルバラは頭にハウベを被っています。後者の方が少し大人びていて、買った彫刻はこちらのタイプのものです。顔はどうしてもなかなかオリジナルのようには彫れていませんが、清楚な雰囲気は出ていると思います。このバルバラさんは写真展にも展示して、皆さんにも菩提樹の手触りを感じていただいています。

 その手前に並んでいるのは今は亡きペーターが、毎年送ってくれるクリスマスプレゼントに入れてくれた天使たちです。裏には私たちの名前がペーターの手で書き込まれていて、わが家のシュッツ・エンゲル(守護天使)となり、今も見守ってくれているのです。

 でも、こうした写真をヴェニガーさんに送ったところ、彼が一番反応したのは廊下にかかっているベトナム風の笠でした。これはストローでできているのかという質問にまだ答えられていません。ちゃんと返事を書かなくては。

 



2006年の留学中にヴュルツブルクで買い求めた聖バルバラ
と、ペーターからの天使たち

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2021  Midori FUKUDA

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