リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

257. ドイツの関税に要注意!!

2021年12月22日 | 日記

▶関税に関するウェブサイト

日本からドイツへの荷物、関税はいくらかかる? - ドイツ駐在なび - Germany Expat Guide-

日本からの荷物を楽しみにしていたのに、 関税が取られたり、税関手続きで長期間届かなかったりすると テンションがだだ下がりますよね・・。 でも...

ドイツ駐在なび - Germany Expat Guide-

 

このサイトは三津夫が見つけて教えてくれました。

 

▶今年はこんなに郵便事情が違います。

 昨年まで手書きのSAL 小型包装物(2kg以内)用の緑色の小さな書類(商品名と金額を書く)を箱の上に貼り付け、記念切手のオンパレードで送ることができていた年末の小包。今年からは郵便局のホームページから所定のフォームに記入してプリントアウトし、ビニールパックに入れて箱に貼り付けてから送るという手続きが必要になりました。そうでないとEUに、特にドイツ宛に送った荷物は戻ってくることがとても多いと窓口で聞いたからです。戻ってきてしまっては元も子もありません。本当はカラフルな切手で喜んでもらいたいのですが、小さめの箱はビニールパックで覆われてしまいます。それも大変残念です。

 面倒だけどそれでやるしかないとあきらめて、パソコンでフォームを出し、シコシコと友人やお世話になった方々の名前と住所を宛名リストに書き込みました。そして梱包する品物の値段も全部メモしておき、今度は品物のリストを作りました。その後、ようやく荷物を送る書類の欄に移動し、この人にはこれとこれとこれ、とリストから選んで挿入、荷物全体の重さも書き込み、やっとこさっとこプリントアウトするのです。まぁ、来年からは今回作ったリストをほぼ利用することができるので、宛名書きの苦労はずっと楽になるはずですけれど。

 この入力(初めてだったのでちょっとしたところがわからずに書き直したりして合計2日間かかりました)、プリントアウト、梱包が終わってようやく郵便局に持ち込みました。
 今年送ったのは国際eパケットを14箱。中ぐらいの箱と小さめの箱がありますが、郵便局で私の担当になった方も大変です。一つ一つ書類と内容を確かめて料金を確認し、家の計りで測った重さと郵便局の重さは違うこともあるので書き直し(来年から重さは書かずに持っていった方が良いのか確認しますが)控えを私に戻すまでに、この14箱で優に30分以上はかかってしまいました。私はビニールパックの書類の入れ方も貼り方も今年初めてだったのでわかっていなかったこともありますが、来年からは予め自分で貼り付けておけばもう少し時間短縮はできるはずと学習しました。こうして何とかEU宛ての14箱を送り出してホッとしたのは2021年11月21日のことでした。

 以前なら2kg以内の小型包装物をSAL便で送ると2~3週間はかかっていましたが、昨年はコロナ禍で飛行機があまり飛ばなくなったせいか年明け、しかも2月になって届いたという友人もいたので、早めに送り出したのでした。すると、今年は11月30日にはもう届いたという喜びのメールが来たのです。

 良かった~と胸をなで下ろしていたのでしたが、何と12月1日に届いたという友人、ヨーラから「今年は15ユーロほど税金を支払わされたのよ」という話をメールで読み、びっくりしました。すぐさま彼女にそれは初めてのことなのか、今までも払うことがあったのか、何のための支払なのか、と尋ねたところ、今までは払ったことが無く、今年初めてだとのこと。DHLが手数料(?)として6ユーロ、関税が8.2ユーロだとのこと。その税金は商品だった場合にかかるもので、今回のようにクリスマスプレゼントなら必要ないはずだとボンにあるDHL本社に抗議をしたところ、8.2ユーロは戻ってくることになったというのです。

 国際 e パケット所定のフォームには商品か贈り物かチェックを入れる欄があります。当然すべてのフォームに贈り物とチェックを入れたのです。しかもヨーラとは長い付き合いで、わが家にも2回来たことがあり、どうしてもお気に入りの日本食品などがたくさんあるので、それらを毎年送っているのです。そのためリストが小さな表だけでは足りなくなり、インヴォイスを別にプリントして入れてありました。チェックボックスとそのインヴォイスを見れば贈り物だとわかるはずなのにおかしいと思い腹が立ってきました。こちらで送料も払っているのに何であちらでまたお金を払わなければならないのかと最初はとても気持ちがおさまりませんでした。そして他の人たちも皆お金を払わされているのかと胸がドキドキしてきました。親しい友だちならまだ許してもらえる範囲なのかもしれませんが、私は美術館や博物館で親切に支援を受けた方々にもお礼の品を贈っています。そういう方々にまでお金を払わせてしまったら何と申し訳ないことと冷や汗が出てきました。

▶友人たちにアンケートを送ってみました。

 そこで、気を揉んでいても事実がわからないと今後の対処のしようもありませんので、「荷物が届きましたよ」と連絡をくれたドイツとオーストリアの友人、お世話になった方々12人に、受け取りの際、支払が生じたかどうかの質問をメールで送りました。その返事をまとめてみますと、

 1)支払いをまったくせずに受け取れた方 …2名
 2)少し~10ユーロ未満支払った方    …4名
  (はっきり金額を書いてくれませんでした)
 3)10ユーロ以上支払った方       …4名
  (うち1名は手続きをして半額以上が戻ってくる予定)
 4)問い合わせに答えてくださらなかった方…2名

という結果となりました。


▶この結果わかったこと

 特別な用事がない日曜日の朝は、シルヴィアとスカイプでお喋りをします。彼女はコロナ前に通っていた日本語クラスが閉じてしまって日本語をもっと覚えたいと、そのテキストを少しずつコピーして送ってきます。それを解説しながら進める一方、私も辞書に載っていない単語をドイツ語で何というのか教えてもらったり、友だちの手紙の理解できない部分を教えてもらったりしているのです。
 そのシルヴィアがこの関税問題について「ミドリの送り状は個人が作ったように思えないから会社から買った商品だと勘違いされているように思えるわ」と教えてくれました。規定のフォームで渋々入力したというのに…。従って今後はヨーラのアドヴァイスのように手書きで「贈り物」と大きく加筆した方が良いのではないかと賛同してくれました。

 また、トップに載せた「NO MORE 関税  6つの注意点」でわかったことは、個人から個人でないと関税がかかるという事例です。
 バイエルン国立博物館のヴェニガーさんは最初から個人として住所交換をしているため、彼の自宅宛に送った荷物は何のおとがめもなく支払いもなしで受け取ることができたそうです。しかし他の美術館の方は3名とも関税を徴収されてしまったのでした。これは、美術館の住所宛てで送ったからに違いありません。

 ただ、一方で個人宅から個人宅へのプレゼントでも支払いなしに受け取ることができた人はヴェニガーさんも含めてわずか2名でした。それも人によって小包の内容が違うので小さなものもあれば中ぐらいの箱もありますが、中ぐらいの箱でもOKだった人がいる反面、小さな箱でほんのささやかなプレゼントだと一見して分かるものにも関税をかけられた友人もいます。そちらが一番腹立たしく思えます。
 上記のサイトの記事によれば総額45ユーロ以内に納めることが大事とありますが、レートによって違いはあるものの現在のほぼ127円で計算しても5,715円です。確かに多めの料金を課せられたのは付き合いの長い友人で、いつも宿泊したりご馳走していただいたり、車であちらこちら案内してくれる友人に送った品物の総額はこの金額を越えていました。これは今後注意するしかありません。昨年まで同じようなものを送っていても引き取りの際にお金を払わなければならなかったとは聞いていないのです。今年が大きな変わり目だったということのようです。

 いずれにせよ、来年は手書きではっきりと「Eine Geschenksendung und KEINE Handelsware」と書いて試してみるしかありません。
 皆さんの心を込めたプレゼントがこのような悲しい、そして腹立たしい思いをすることなく届きますように祈っています。

コメント
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