▶今日は町並みを見てからビヤホールです!
❤ ベルリンのイーストサイドギャラリー
Du hast gelernt, was Freihait heisst und das vergiss nie mehr. (自由の意味するもの、決してそれを忘れてはいけないことを学んだ)
▶今日はもっと歩き回る旅?
私のスマホは自動的に歩数をカウントして記録してくれています。また時差も自動的に調整してくれるので、旅の最初から計算しなくとも記録が残っていました。それをここまで書いてみると以下のようになるのです。
9月 4日 7732歩(8時間の時差も含まれていますので家から駅まで歩いた距離もカウントされています。)
9月 5日 3853歩
9月 6日 3560歩
9月 7日 8935歩
9月 8日 7448歩
9月 9日 10342歩
9月10日 8972歩
さて、この日は何歩歩いたのかというと下に書いたとおり約5割増し。これからも歩数を書いていこうかと思います。
この日、私は薄々気がつき始めました。毎日の歩きで何でこんなに疲れるのかという原因についてです。それは新しい靴のせいでした。旅行前に靴を変えるのはまずいことは承知していたのですが、たまたま出発前日に普段履いていて、この靴で行こうと思っていた運動靴で歩いていたところ、雨水が染みてきたのです。これはまずい、寒くなるドイツで足が冷えると腰に来ます。仕方なく西友で試し履きをしてみて「これなら大丈夫だろう」と思い、以前持っていたのと似たような靴を買ったところ、いざ歩き始めると靴底で足が滑るのでした。毎歩毎歩の歩きで滑りを感じた足はどこか緊張を強いられていたのでしょう、段々足が疲れ、その疲れが回復しないうちに次の日が来る…。これで次第に足腰までしんどくなって三津夫と啓子さんがスタスタ歩くと追いつけないぐらいになっていたのでした。この日は更にその疲労が溜まったという次第です。この解決編はロストックの日記で書きます。
◆2022年9月11日(日曜日)15843歩
朝5時半頃目覚め、わずかなスペースの床にバスタオルを敷き、しんどい腰をほぐすヨガをしているうちに三津夫が起きてきました。朝食は昨日の買い物で十分だったのですが、三津夫が持ってきている即席ラーメン(といってもカップラーメンではありませんが)を食べようというのです。朝からラーメン?? でも毎朝しっかりパンを食べ続けてきた彼はそろそろパンに飽きていたのですね。私は2人旅になって夕食もままならない日が来たら食べたいと思っていたのですが仕方ありません。しかも大きなどんぶりがないので小さめの器にわけっこして半分ずつです。でもそれが美味しかったのでした。少々物足りない分はバナナやヨーグルトで補いました。
今日は9時半にロビーで集合し、昨日と同じ市内の交通チケットを買って15番線の S バーンでベルリン東駅へ。第一目的地はこの駅からシュプレー川沿いに続くイーストサイドギャラリーです。
❤ ベルリン、イーストサイドギャラリーの大作の前で
このギャラリーは地図の上で測ると500mほど続くのですが、ウェブサイトなどでは1km以上続くと書かれています。そのサイトでは大分落書きもひどかった同じ絵が今回は落書き一つなくきれいになっていました。今は手入れされると同時に以前より少し短くなっているのでしょうか。もう無くなってしまったのかなと思った『「兄弟キス」または「独裁者のキス」と呼ばれるキスシーン』でしたが、これは後半の壁にしっかり残っていました。この作品は旧ソ連のブレジネフ書記長と旧東ドイツのホーネッカー書記長のキスだと書かれていて、ロシアでは男同士のキスも挨拶としてされていたそうなので、気持ち悪いと思ってしまっていた私の認識も少し変わりました。三津夫が立っている壁画は新しいもののような気がします。修復に関しては「みゅう」という旅行会社のサイトに記事が載っていました。興味のある方はご覧ください。
この壁を通り過ぎるとオーバーバウム橋があります。ここには独特な建築様式の塔があり、興味が惹かれながらも写真だけ撮って通り過ぎてしまいます。ベルリンで最も美しい橋といわれているそうです。
❤ ベルリンのオーバーバウム橋
▶今日の私にとっての第一目的地、バイエリッシャー・プラッツ
ここは2018年にも来ています。第二次世界大戦当時のドイツがどれだけユダヤの人々を迫害したかということがわかる看板を今でも立ててある町なのです。今回は、もっとたくさんの看板を見たくてもう一度見に来たのでした。
まずは駅の真上に建つカフェ TUKAN で腹ごしらえ。我慢していたトイレも使えて助かりました。
撮影中に雨も降り出しましたが、駅の近くはほとんど見て回ることができました。
❤ バイエリッシャー・プラッツ駅の近くに建つ「立て看板を紹介する」ための立て看板
上の看板に描かれた絵を数えたら全部で79枚か80枚ありそう(右下の真っ黒な一枚は本当に立っている看板なのか黒で余分なスペースを塗りつぶしただけなのかがわかりません)でしたが、実際に撮影できたのは17枚だけでした。前回撮影したもの(重複を除く)が6枚だったので合わせても23枚、まだ三分の一にもなっていません。これは泊まり込んで探さないと全部は見られないのかもしれませんが、17枚写すだけでも疲れました。全部撮影するにはもっともっと時間とエネルギーが必要です。
看板の内容としては、ユダヤ人はジャーナリストや俳優業、医者、弁護士などになってはいけない、海水浴をしてはいけない、赤いベンチに座ってはいけない、ウールの暖かい服や宝石類は供出しなければいけない、生活用品の買い物は午後の1時間だけ(下のパンの絵)、合唱団からは排除する(楽譜の絵)など。その後ユダヤ人たちは町の隅々から集められ、列車に乗せられてアウシュヴィッツなどの虐殺施設に送られていったのです。2度と繰り返してはいけないという自戒を込めての立て看板ですが、いつまで無事に立っていられるのでしょうか。昨年2月24日から始まったロシアによるウクライナへの侵攻から世界戦争になれば、ドイツのような国でも愛国精神が台頭して、こうした過去を反省する内容のものを維持していくのは難しくなることでしょう。
こんな時代が戻って来ないように何をしていかなくてはいけないのか、私たちは今、大変重たい課題を突きつけられています。
❤ バイエリッシャー・プラッツ市内に立つユダヤ人迫害を記憶するための看板例2枚
▶今日の〆はビアガーデンで若い家族と過ごしました。
亜美さんと知り合ったのは2006年、ドイツ語留学中のシュヴェービッシュ・ハルにあるゲーテ・インスティテュートでした。同じ期間に留学していて寮で出会い、他の仲間と一緒に日本料理を作って食べる会を開いたりしたのでした。留学終了後もずっとやり取りが続いている若い女性です。彼女とは以前住んでいたハンブルクでも彼氏のヤンと一緒に食事をし、その後2人は結婚して現在はベルリンに住んでいます。そして現在3歳になった男の子がいます。亜美さんからは「家に泊まってください」と嬉しい言葉ももらったのですが、子育てで忙しい家庭に大人3人が泊まるのは避けた方が良いし、朝早くから出かけたりするのはお互いにきついだろうと思って中央駅前のホテルを確保したのでした。そのかわり、ベルリンを発つ前夜はビアガーデンで一緒に食事をしましょうと約束していました。
S バーンでホテルまで戻り、啓子さんは「散歩に出る」と、まだ元気! 三津夫と私は明日出発のための荷物整理を試みましたが疲れてウトウト。その後荷物にSDカードケースが見当たらないと気付いて大捜索をする羽目に。3回トランクを探し回ってようやく小さなポケットに入っているのを見つけたのでした。今まで写した写真で一杯になったカードを入れてあったので、なくしたらどうしようと寿命の縮まる思いがしました。
午後4時半、啓子さんと合流し、駅を通り越してさほど遠くないところにあるビアガーデンに入りました。亜美さん一家も既に来ているはずでしたが、姿が見えず、取りあえず席を確保。大人も子どもも合わせて6人ですし、外では涼しくなりすぎ、タバコの煙が辛くなるので空いていた最後のテーブルに滑り込んだのでした。連絡を取った亜美さん一家も到着。写真では見ていたけれど何と可愛い子(ともき君と言います)でしょうか。私だけでなく啓子さんもメロメロです。三津夫のカメラに興味を持っていじり始めたので、相手をしながらも画像を消されないようにヒヤヒヤしたという三津夫。その様子を見て笑う私たち。あとあとになってもともき君は「またみどりしゃんにあいたいなぁ。みつおしゃん、けいこしゃんにもあいたいなぁ」と皆の名前を言ってくれるそうです。それを聞くとベルリンに孫ができたような気分です。亜美さんはあまりウェブサイトに写真を載せないで欲しいと言っていたので、ここではご馳走の写真だけ載せておくことにします。このあとほぼみんなで食べ尽くしたのです。三津夫と啓子さんはビールも楽しみ、3人も大人がいるのだから私たちがご馳走するつもりでいたところ、知らない間にヤンが支払いを済ませてくれていました。嬉しいやら申し訳ないやら。大変ご馳走様でした。そのお礼に、ともき君が大好きだという日本の絵本を送ることにしました。
❤ ベルリン中央駅にほど近いビアガーデン Zollpackhof にて
後日談ですが、帰国後、まず啓子さんが身近にある絵本の中で送っても良い本を選んで我が家に送ってくれました。それに加えて三津夫の眼で良いと思った絵本を古本で探して一緒に船便で送り出したのが11月7日。その本は今年1月14日に亜美さん宅に着いたそうで、以下のメールが届きました。
昨日から届いた絵本をもう何回も何回も読まされました☺️
ドイツでチャイルド社からの絵本を定期購読しているのですがそちらは全く興味がなく...というか一度読んだらもういいっていう感じで「また読んで」とはなりません😔
やはり福音館の絵本は魅力があるのか1人でも絵を見て楽しんでいます。
本当に送って頂きありがとうございました!
今後の新たな楽しみができました。この本はドイツポストから費用を要求されずに済んだということも嬉しく、送る側としてもホッとしました。
いよいよ明日は北の町ロストックに向かいます。
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