リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

365. 福田緑写真展No.3 「リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」終了!

2024年11月10日 | 日記

▶写真展は無事終了いたしました。

 


この彫刻は聖バルバラのレプリカで、留学時代にヴュルツブルクで購入してきました。
 菩提樹で作られていて、その手触りを味わっていただくために会場に置いています。中には「嬉しい!」と抱きかかえる方もいました。


▶写真展でお迎えしたゲストは210名となりました。

 途中で雨模様の日があり、さすがに来場者が10名という日もあったのですが、平均すると1日当たり約19名。少ない日は少ないなりにゆっくりとお話を交わすこともできましたし、充実感のある写真展となりました。おいでいただいた皆さまに感謝いたします。

 その中で連れ合いが西洋美術館でリーメンシュナイダー没後500年展をできないかなと言いはじめて「夢物語じゃないのかな?」と内心思っていたのですが、もし巡回展でも計画していただければ過去4回のリーメンシュナイダー作品が来日していることを思うと可能かもしれないと思えるようになりました。もしそれができれば、私は私で81歳にもなるため近場の大きめの会場で今まで撮りためて展示してきたリーメンシュナイダーのパネルを全部まとめて出展したいと思うようになりました。さらに、最近訪ね始めたロマネスク彫刻の逸品も展示できるかもしれません。夢は膨らみつつあります。連れ合いのブログもどうぞご覧になってみてください。
(雨避けのビニールをかけた私のポスターはよく見えないので恥ずかしいのですが、どなたかポスターなどをA1サイズでコーティングしてもらえる店をご存じの方は教えてくださいませ。)

〔742〕第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」を終え、「没後500年・リーメンシュナイダー展」開催の夢へ邁進します。 - 後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

〔742〕第3回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」を終え、「没後500年・リーメンシュナイダー展」開催の夢へ邁進します。 - 後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

2024年10月26日(土)から11月6日(水)まで、第3回福田緑写真展「祈りの彫刻リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」が、西武池袋線秋津駅徒歩1分のカフェギャラリー縁(えん...

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▶心に残る愛のエピソード(その2)

 連れ合いも受付の友人たちも深く感銘を受けた一人のお客様がいます。

 その方は11月4日にいらして、その後は最終日まで毎日ギャラリーに見えたのでした。しかも4日になんと写真集4巻まとめてご購入! 背中のリュックに3冊、手許に1冊お持ち帰りになりました。その理由が入院中のお連れ合いに見せてあげたいとのこと。お連れ合いは現在気官切開・胃瘻で寝たきりだそうですが、若い頃から絵を描き、結婚前に一人でヨーロッパを回った時には感想を度々彼にハガキで送ってきたとのこと。そのハガキをコピーしてお持ちになっていて三津夫と私に「よかったら読んでください」とおっしゃいます。そのお連れ合いが町や美術館を訪ねては心弾ませている様子が細かな文字でビッシリ書かれていて、それをご丁寧にワープロかパソコンで打ち直し、両方とも見せてくださいました。幸いあまりお客様が見えなかった時間帯でしたのでじっくり拝見し、その文面は、入院して絵筆を取れなくなったお連れ合いの若かりし頃を想像させてくれる内容で深い感銘を受けました。しかも、そのお連れ合いと一緒に私の写真集を見て楽しみたいという思いが伝わってきて、ご夫妻の愛情の深さを感じ取ったのでした。ありがとうございます。

 

▶遠方から見えた方トップ3のご紹介。

 一番遠方は東広島市に住んでいる若いご夫婦。彼らとは清瀬にいた頃に一緒に様々な会合に集ってきた仲間です。ときどき二人は上京し、年に1~2回会うこともあるのですが、この写真展に合わせて二人で来てくれるとは思っていなかったので殊の外嬉しく思いました。

 お次は愛知県に住む若い友人、光江さん。彼女とはドイツ、シュヴェービッシュ・ハルのゲーテ・インスティテュートで同じ時期に留学していて友人となりました。何しろ塩見の強いドイツ料理があまり口に合わず、懐かしく思える日本食を彼女と一緒に作ってはこのあと紹介する松本さんもご一緒に食べながら様々なお喋りをするのが息抜きとなっていました。ドイツから帰国するときには部屋まで荷物の詰め込みなども手伝いに来てくれて、最終日に見送りにも来てくれた光江さん。今回もお嬢さんと実家のある東京まで来て一人で訪ねてきてくれたそうです。朝一番に彼女が来たときにはびっくりしました。

 3番目に遠いのが浜松から来てくださった松本さん。彼とは寮でご一緒で、ドイツ語は私よりずっと先を行かれているため、時々宿題を教えていただいたりした準先生のような方です。写真に関しても大先輩で、私が知らないリーメンシュナイダー作品を写して送ってくださったり、『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』では最後の作品一覧に載せたライプツィヒの写真を提供してくださいました。

 ありがとう!!

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2024  Midori FUKUDA

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364. 福田緑写真展No.3 「リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」はあと2日

2024年11月05日 | 日記

▶写真展もあと二日です。



このマリア祭壇「マリア被昇天礼拝」のパネルが今回のメインの一つです。

 

▶毎日たくさんの再会があり、笑顔が弾けます。

 10月26日から今までの8日間で、数え切れないほどの再会がありました。前回2022年のコロナ禍でasacocoの記事を見て来てくださったリーメンシュナイダーのファンの方々とは2年半ぶりの再会となります。中には2019年の練馬にあるギャラリー古藤で開催した写真展でお目にかかり、国分寺「司画廊」にも今回のカフェギャラリー縁にも来てくださった方がいらっしゃいました。3回来てくださった方には次回のご案内も必ずお送りしようと思っていますが、お顔とお名前が一致する方が少なく、お顔は見たことがあるけれどお名前がパッとは出てこない、あるいは名簿に入力した覚えはあるけれどお顔とは一致しないのが申し訳ない思いです。

 同じ市内に住んでいながらなかなか会えない友人と「ようこそいらっしゃいました」なんて初めてお目にかかるような挨拶をしてから「あら~~~、〇〇さん!」なんて笑顔が弾ける再会もあります。まず、マスクでお顔が半分隠れていること。そしてしばらく見ない間に美しい白髪になっている方など。

 そして、写真集の編集では毎日のようにメールでやり取りしていた丸善プラネットの校正担当者だった公文さん、グラフィックデザイナーの石井さんとお目にかかったときは、1~2分「どなただったかな???」と思案したりして、大変失礼いたしました。一旦相手の方の名前と顔が一致すると、今までの思いがドッとあふれてきます。あの節は大変なお仕事を嫌な顔一つせずに成し遂げていただきました。本当にありがとうございました。

 遠くまでお訪ねいただいた皆さまに、心から感謝しています。


▶心に残る愛のエピソード(その1)

 市内に住むある方が「一度お宅に伺って写真集を買わせていただきました」とおっしゃったのですが、心当たりがありません。「私も家にいたでしょうか?」と伺うと「いえ、ご主人がいらして」とのこと。三津夫も「あれ?」と首をかしげています。でも連絡は私にメールでとられていたとか。こんな身近な方でそういう方がいらしたということに驚きました。すっかり失念していて申し訳ないことでした。

 その理由は、銅版画をなさっているお連れ合いがきっと喜びそうだと、お誕生日にそっとプレゼントするために内緒で写真集を購入したかったとのこと。贈られたお連れ合いは、その写真集を大変喜ばれたそうです。そのお連れ合いも既に亡くなられたとのことでした。お嬢さんと二人で来てくださいました。ニュルンベルクのデューラーハウスではあまりにも銅版印刷の現場でのめり込むように見ているお連れ合いに、版画を実演している方が困った様子だったので、彼女が「この人も銅版画をしているんです」とことばを添えたところ、「ではやってみますか?」と印刷させてくださったとか。希有な体験ができたと嬉しそうに話してくださいました。そうしたご夫婦のやり取りを伺って、私の写真集がお二人の結びつきの一つになったことを感謝しつつ、お連れ合いのご冥福を祈っています。

愛のエピソード(その2)はまた次回に。

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363. 福田緑写真展No.3 「リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」のお忘れ物

2024年11月03日 | 日記

▶毎日たくさんの方とリーメンシュナイダートークを交わしています。



この帽子は11月1日のお忘れ物です。→ ご本人が見えました。帽子があったと喜んでおられました。

 

▶半世紀以上のつきあいだった教え子

 10月30日にはかつての教え子、カツベーも群馬から訪ねてきてくれました。私が教職について2年目の教え子で、彼女はそのとき7歳だったはず。今年で還暦だと言っていましたから53年のおつきあいになるということでしょうか??? 数えてみるとすごいことですよね。

 カツベーが1年生の時は私の学年主任だった鈴木孝雄先生のクラスで、孝雄先生は学校で山羊も鶏も飼っていたのです。「山羊の世話、どうだった?」と聞いて見ると臭くて乱暴で、しょっちゅうつつかれてすごくいやだったとのこと(^_^;)(^_^;)。それでも命を預かる体験はきっとカツベーの中に様々な思いやりの心を育ててくれたのではないかなと感じています。この日も受付の仲間たちと仲良くお喋りをし、ゆっくり本を開いて読み、夕方帰っていきました。遠くから高速バスに乗ってきてくれたカツベー、本当にありがとう!
 

▶途中のお休みをはさんで一気にお客様が増えました。

 以前「第22回自費出版文化賞グラフィック部門特別賞」の会場でたまたまお隣に座った瀧沢敬三さんが「ドイツ研究会」のお仲間とドイツ文学者の方と合計8人で来てくれたからでした。リーメンシュナイダーに関する質問や、2031年のリーメンシュナイダー没後500年の写真展の話しなど盛りだくさんで「あなたがリーメンシュナイダー学会を作らなくては」と檄を飛ばされてタジタジとする場面もありました。私は「リーメンシュナイダーの追いかけ人」ではあっても研究者ではないので、とても学会は…と冷や汗が流れましたが、活発なやりとりに元気をいただきました。皆さま、様々なアドバイスをありがとうございます。

 この日は合計35名のお客様を迎えることができました。

 

▶お忘れ物が気になっています。

 会場の受付をしてくれている松井さんが、椅子の上に一つの帽子が残されているのに気が付きました。心当たりの方に連絡を取ってみましたが、その方の帽子ではないとのこと。となると電話連絡のできないどなたかのお忘れ物のようです。どこにでもある帽子ではないので大事なものではないかと気になって、ここに写真を載せました。もしお心当たりのある方はギャラリー縁(042-493-0002)にご連絡いただくか、このブログにコメントをお寄せくださいませ。

 ★トップ写真の下に書きましたが、帽子は無事に持ち主の手に戻りましたのでご報告しておきます。

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360. チラシをほとんどの市内公共施設で置くことができました。

2024年10月21日 | 日記

▶ブログ357号も修正しなければなりません。



少し前に咲いてい我が家の彼岸花

 

▶このところ文章の修正が続いて心苦しく思っています。

 ブログ357号では、清瀬市の公共施設に写真展のチラシを置くことが断られたショックで戻ってきたことを書きました。その後連れ合いと再度挑戦してみたところ、チラシを受け取ってくれたことをブログ359号で書きました。

 その他の2施設も全部(閉館中を除いて)回りました。結果的には、完全に受け取り拒否の場所は市役所(総務部)のみです。ここは受け取っていると多くなりすぎて置ききれなくなってしまうからとのことで、市役所と連携しているものだけを置くのだそうです。そして、全く問題なく受け取ってくれる施設がほとんどとなりました。はじめの一歩でくじけた私がどんなに愚かだったか身に染みました。リーメンシュナイダーの彫刻を見るためには、真冬で閉館中の美術館をも開けていただくほどの勇気と押しの強さを持つのに、何で日本ではこんなに意気地が無いのだろうと、この年齢になって深く反省しています。

 関係者の方々、大変失礼いたしました。

 

▶ここへきていろいろなことが重なり、めげています。

 その最たるものがスマホの故障です。もうすぐ写真展が始まるので準備を詰めているところなのに、10月20日(日曜日)の朝には普通に使えたスマホがお昼にはまっ暗で全く立ち上がらなくなってしまいました。心臓がバクバクしました。朝の段階で充電が必要であればメッセージが出ますから、電池切れではなかったはず。念のため充電器に繋いでみましたが、全く反応がありません。あわててドコモショップに電話を入れ、午後の予約を取ってもらいました。

 担当者がスマホのまっ暗画面を見てから何かじっとしているなと思ったら、立ち上がり画面が出てきたのです。ショック療法を使ったけど、もう一度同じ状態になったときにこのやり方が効くかどうかはわからないとのこと。立ち上がり画面が出てきても、今まで普通に使えていたメールすら見られません。何も契約がないと書かれていました。どこかが壊れたのは確かでした。このまま写真展を迎えられないと思った私はやむを得ず新しいスマホに変えることにしました。
 ところがこの日は日曜日。機種変更のためには電話番号をそのまま持ち歩けるナンバーが必要です。でも相手のオペレーターが日曜日で出ないのです。オンラインで申し込むこともできるというのですが、「あのパスワードは?」「このIDは?」と聞かれる度に冷や汗です。そんな覚えていられませんもの。メモを見てもどのことかわからず、あれかな、これかなと入力してようやく少し先に進みましたが、最後は疲れ切り、力尽きて、翌日出直すことにしました。

 
そして今日。予約していた時間に今までの書類も全部持って行きました。今までスマホ操作がわからなくなる度にこのドコモショップに来ていましたが、私がスマホで使っている契約会社が子会社系列のため、ドコモのdカードを予約の機械が受け付けてくれなかったのです。今後も度々相談しないとなかなか様々なアプリを使えるまでにならないので、使用していたモバイル会社を正規のdocomoに変更することにしたのでした。そのため、あれもこれもとすごく時間がかかりました。担当者も根気よく作業を続けてくださって、できる範囲の最低限のデータ移動を終えてから次回続きをすることにしてショップを後にしたのでした。この間3時間半。その間に何度住所・電話番号・生年月日を聞かれたことでしょう。あと何年かして同じように機種変更をするとなったら今のようにすらすらと答えられるのでしょうか? いくつもあるIDやパスワードを見つけられるのでしょうか。ため息が出ました。でも機械の故障や紛失はいつでも起こりえます。願わくばもっと簡単に同じように操作できるスマホができますように。



こちらは実家に咲いた彼岸花

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358. ごめんなさい、修正させていただきます。

2024年10月05日 | 日記

▶352号の記事に書いた内容に修正しなければならない箇所がありました。

 


 秋津駅北口から見えるとまず見えるのはこの大きな茶色の建物でした。


▶申し訳ありません。

 352号の記事には以下のように書きました。

第1回写真展でいらしてくださった皆さんとあれこれお話しできたのは私にとって大変貴重な時間でした。
 今はコロナもまたピークを迎えているようですが、開催は10月末。涼しくなって患者数も減っていることを祈りつつ、このカフェギャラリー縁でもゆっくりお茶や珈琲を飲みながらリーメンシュナイダー談義を交わしたいと願っています。ギャラリートークは今回は予定しておりません。

 場所は西武池袋線秋津駅の北口から1~2分です。人によっては1分では足りないかもしれないと思って160mと書いておきましたが気持ちとしては駅を出て右方向を見ればすぐです。

ところが、先日その様子を写真に撮って掲載しようと思いましたら、マンションの奥にギャラリーの屋根が少し見えるだけでした。従って「駅を出て右方向を見ればすぐです。」というのは違っていて、「すぐに大きなマンションが見え、その奥にある建物です」と修正させていただきます。

 そして部屋の壁面サイズを測りに2階の展示会場に入りましたら(以前来たときには気が付かなかったのですが)、奥の方に「会場内での飲食はできません(正式な文言は忘れました)」と書かれた注意書きがありました。従って「お茶や珈琲を飲みながらリーメンシュナイダー談議を交わせる」のは1階のカフェでということになります。どの位の参観者が来てくださるのかわかりませんが、あまり混んでいなければカフェでゆっくりお話ができるかと思います。ただ、私が思い描いていた”写真を見ながらのお喋り”はできそうになく、ちょっと残念です。お知らせしておきます。


 こちらが「カフェギャラリー縁(えん)」の建物です。
 皆さまにお送りしたチラシは拡大してもマリア様のお顔が良く見えなかったのです。どうしようかと思いましたが、引き延ばした別のマリア像
 の写真とチラシの情報部分を貼り合わせて作ったポスターを貼ってきました。


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356. FMラジオ TOKYO854「ゆったり小平」に出演してきました

2024年09月14日 | 日記

▶我が家の見守り役 ドイツから来たくるみ割り人形




 これは我が家の玄関で皆を見守る「くるみ割り人形」です。
 今は亡きペーターのプレゼントでした。

 

▶記録的な暑さの中、東久留米のFMラジオ854スタジオ(くるめラ)に行ってきました。

 353. FMラジオ TOKYO854「ゆったり小平」に出演しますで書いたように、今日はリーメンシュナイダーに関するお話をさせていただけるということでドキドキしながら東久留米に行ってきました。

 ここ数日、どの本を持っていくか悩んだ末、どうしてもリーメンシュナイダーのことをお話する場にいる方々に見ていただきたい「天使に支えられる聖マグダレーナ」の巻頭写真がある『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』をまず選びました。このマグダレーナ像こそが私を「リーメンシュナイダーの追いかけ人(びと)」に導いた像だったからです。彫刻を見て涙したのは初体験で忘れられません。
 
そして、念のためリーメンシュナイダーの履歴や作品年表を掲載した『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』が参考になるかもしれないと思って持っていきました。先日、家まで取材に来てくださった小梶さんに、「リーメンシュナイダーって一体日本ではいつ頃の人なんですか」と聞かれて「はて?」と考えてしまったのです。調べてみたところ、彼が生まれた1460年(頃)というのは室町時代の応仁の乱が始まる少し前ということがわかりました。そしてマイスターになる修業の旅を経てヴュルツブルクに工房を構えたのは足利義政が銀閣寺を建てた少し後、亡くなったのは鉄砲とキリスト教が日本に伝来する(1543年)12年前の1531年ということが確認できました。確かに日本のいつ頃の人なんだろうという小梶さんから投げかけられた疑問は持ってしかるべきものでしたね。
 さらに同時代の世界的に有名な彫刻家レオナルド・ダ・ヴィンチはリーメンシュナイダーより一回り年上で、ミケランジェロ・ブオナローティは15歳年下だということもわかる表を印刷して持っていきましたが、そこまで突っ込んで話すゆとりはありませんでした。

 それにしても私たちの写真集は重いのです。清瀬駅までは連れ合いが車で担当してくれましたが、東久留米の駅から成美教育会館まで歩くには2冊に絞っても荷物は重いし、暑いしで、汗だくになって到着。しばし涼んで汗が引いてからスタジオにお邪魔しました。

 先日我が家まで取材に来てくださった局長の小梶雅善さん、番組で対談する小平市役所勤務の新井啓明さん、パーソナリティーの柳瀬ゴローさんとご挨拶してから簡単な打ち合わせ。柳瀬さんとは同じ清瀬の住人ということでお話が弾みました。でも「途中で音楽を流すのですがどんな曲が良いですか?」と小梶さんに聞かれ、困ってしまいました。私は昔から音楽を聴きながら勉強とか作業とかするのが苦手でパッと思い付かないのです。流すとしたら曲名を覚えられない中世の音楽とか…。正直、今はやっている曲もよく知らない人間なので冷や汗をかいていると「ローレライならどうかな」と小梶さん(もしかしたら柳瀬さん?)。柳瀬さんが「由紀さおりバージョンならありますよ」と言ってくださってホッとしました。それなら私もメロディーが思い浮かぶし楽しめます。由紀さおりさんの歌声も好きですし、連れ合いもさおりファンです。

 いざ「ゆったり小平」の番組が始まりました。初めは小梶さんと新井さんのやり取りで、私は隣の部屋でスタンバイ。途中から私も収録スタジオに入りました。何をどれだけ話したのか記憶はぷっつんと飛んでいてよく思い出せません。友人によると「最初は緑さんの声が小さくて、緑さんのマイクのボリュームを上げてもらえないかな、と思っていたら、だんだん緑さんの声も話し方ものってきて、もうすっかりいつもの緑さん。緑さんの熱意、一生懸命が伝わってきてとてもいい番組でした。」とのことでした。ホッとしました。
 帰宅後、連れ合いからは「良かったよ。でもせっかく同時代の作家の話を小梶さんが振ってくれたのにあまり触れなかったのが残念だったね」と注意が。はい、作者名がパッと出てこなかったんです。でも今回の写真展では、2019年に作った同時代の作家たちのパネルに加えて2022年、2023年に訪ねた小さな教会の新しく作ったパネルも展示しますのでご覧ください。

 番組の最後に小平市の新井さんから今後の行事の紹介がありました。ルネこだいらで由紀さおりさんのコンサートも開かれるそうですし、「キーウ・クラシック・バレエ くるみ割り人形」の案内もありました。私の孫はバレエを習っていて今年3月の発表会の演目が「くるみ割り人形」だったのです。我が家にはドイツの故ペーターからいただいたくるみ割り人形があったのですが、ずっと屋根裏部屋に鎮座していたのを、この発表会後は玄関に置くようになりました。そんなご縁もあり、会場のルネこだいらは近いし、孫たちも興味があったら行けるかもしれないと思って新井さんがお持ちだったチラシをいただいてきました。以下にご紹介しておきます。

 

▶なんだか繋がりを感じたくるみ割り人形でした。



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354. 近隣の市にお住まいの方へ写真展 No.3のお知らせを郵送しました。

2024年09月04日 | 日記

▶2022年9月28日のクレークリンゲン新聞


これはクレークリンゲンにあるヘルゴット教会のマリア祭壇前で写してもらった写真です。

 

▶2024年9月4日にこの記事を載せた写真展のお知らせを郵送しました。

 今年、「福田緑写真展 No.3  祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」を地元清瀬市にある「カフェギャラリー縁(えん)」で開催することはこのブログでもお知らせしていましたが、皆さんがブログを読んでいるわけではないので、長いお付き合いのある友人・知人に加えて今回は清瀬市・東村山市・東久留米市にお住まいで、今までのリーメンシュナイダー写真展 初回とNo.2に来てくださった方にはチラシを郵送しようということになりました。本来なら全員に送りたいところですが、おそらく5年間の間に移転した方もいらっしゃるでしょうし、その作業エネルギーが持てず、申し訳ないと思いながら上記3市にお住まいの方に絞った次第です。なお、来館者名簿にメールアドレスを書いてくださった方にはチラシの載っているブログのリンクをご案内しました。

 ここ数日連れ合いの三津夫と作業を進めてきて今日(9月4日)午前中にようやく発送することができました。過去2回分の来館者でお名前とご住所を記入してくださった方は総計599名となっています。その名簿を眺めながら住所をチェックしていると目はチラチラ、どこまで見たのかわからずに行ったり来たり。何度も数え直しをしなければならず、やはり年齢を感じます。その文面をここにコピーしておきます。

 

**************************************

   「福田緑写真展 No.3 
  祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち」
                              開催のお知らせ

 *この手紙は、過去2回の「福田緑写真展」いずれかに来てくださった方々、またメールや電話等でご連絡をくださった方々、そして連れ合いの三津夫と私が来ていただけると嬉しいと思っている方々に  お送りしています。


 酷暑の日々が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか。
 国分寺で開いたリーメンシュナイダー写真展から2年半が過ぎました。コロナ後の旅行ではクレークリンゲンのヘルゴット教会に皆さまが買ってくださったチャリティー絵はがきの寄付を届けて参りました。その折に地元の新聞から取材を受けました。そのときの新聞記事です。

(トップの写真)

※この記事の翻訳を読みたい方はgooブログ https://blog.goo.ne.jp/riemenschneider_nachfolgerin/
  または「リーメンシュナイダーを歩く」から検索していただき、「274. 17回目のドイツ旅行(2) 新聞    記事の翻訳です。」をご覧ください。探しにくかった場合は、以下のアドレスにメールをお送りいただけましたら    リンクのアドレスをお送りいたします。   midfk4915@yahoo.co.jp

 今回は昨年(2023年)撮影してきた8月15日の「マリア昇天礼拝」の様子を展示します。なかなかこの日に居合わせるのは難しく、私も生涯2度目の体験でしたが、皆さまにも味わっていただければと、光の移ろう様子を12枚の新しいパネルにしたものです。
 それと共にリーメンシュナイダーと同時代の作家たちの作品(チラシ裏面参照)も、新作パネルを追加して展示します。詳しくは以下のブログでご覧ください。写真展No.2では人気の絵はがきで売り切れとなっていた聖母子像などを、今回は追加印刷してご用意してあります。
 
 写真展会場の「カフェギャラリー縁(えん)」は西武池袋線秋津駅北口から徒歩1~2分です。JR武蔵野線新秋津駅からは約10分です。10月31日(木曜日)は休館日となっておりますのでご注意ください。私は休館日以外は全日在廊の予定です。今回は、コロナ禍ではできなかったリーメンシュナイダーに関するお喋りを皆さんとゆっくり楽しみたいと思っています。
 皆さまのお越しをお待ちしています。


※なお、チラシをさらにご要望の方は、必要枚数と郵便番号、ご住所、お電話番号をお書きの上、9月末までにメールか郵便でお知らせください。

**************************************

 ここまでお読みになって最初の2行の文章が気になった方がいらっしゃるのではないかと思います。   
 はい、最初、私は全員に送るつもりでいたのでついそのままの気持ちで書いてしまいました。でも結局3市に絞ったのに文面を修正し忘れていたのでした。お友だち関係の中で「私にはお知らせが来たけど、あなたには来てないの?」というやりとりもあるかもしれないと思い、今になって申し訳ないと思っています。そうした方にはどうぞこの事情をお伝えください。よろしくお願いいたします。


▶もう一つ書き忘れたこと

 そして発送した後で連れ合いから「あ、本の安売りについては書いたっけ?」と質問が。いいえ、そのことも書き忘れていました。その内容は次号にまとめて書きます。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2024  Midori FUKUDA

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339. リーメンシュナイダー友だち、野村和子さん

2024年03月03日 | 日記

▶ウクライナの芸術家たちは今……

 


アルトエッティング、聖フィリップ・ヤコブ  カトリック教会の聖母子像

 

▶野村和子さんからのメールをご紹介します。

私の友人・大阪の片山ふえさん(ロシア語通訳者)が、ウクライナの画家さんと長いお付き合いをなさっておられて、このたび下記のメッセージと動画をお送りくださいました。どうぞご覧くださり、ご自由に拡散してくだされば幸いです。」

 野村さんはリーメンシュナイダーの作品を熱心に見て回っているリーメンシュナイダー友だちです。彼女の思いを皆さまにもお伝えしておきたいと思って以下にそのご友人、片山ふえさんのメール内容も載せさせていただきました。


◆記◆

「キーウの画家オリガ・ペトローワさんの依頼で、戦時下で創作を続ける画家たちの頑張りを観ていただくビデオを作りました。

 お時間が許せば、ご覧いただけないでしょうか(13分くらいです)。
    https://youtu.be/jtLJdGYgLg4

  そして、もし彼らに声援を送ろうと思ってくださったら、「いいね」をクリックしてください。

  ウクライナでも、このyou tubeを見ることができるのです。よろしくお願いいたします。

  片山ふえ

 

 野村さん、ありがとうございます。1日も早い平和をと願います。


▶暗い時代を導く光として

 以下に掲載するのは、私がたまたまナウムブルクの大聖堂で見たたいまつを掲げる4体の像です。制作者も制作年もわかりませんが、このウクライナの動画を見て、ウクライナの芸術家たちに共通する「暗い時代に光の道を作って導く人々」のように思えます。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023  Midori FUKUDA

 

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272 『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の目次

2022年08月30日 | 日記

▶『結(ゆい)・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の内容紹介 その2

 


フライブルクの路上モニュメント こちらは第Ⅱ部の扉表紙に載せました。 

 

▶『結(ゆい)・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の目次を紹介します。


 目 次                                                     
       
 まえがき   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⅰ

 中世後期のドイツで活躍した彫刻家たちを紹介するにあたって     ・・・・・・・・・・ ⅹ

 [年表] 中世後期のドイツで活躍した彫刻家たちとその作品  ・・・・・・・・・・・・・ ⅺ

   [地図] 中世後期のドイツで活躍した彫刻家たちの作品所在地および関連する町    ・・・・・ⅻ


 第Ⅰ部  所蔵館別 特別掲載アルバム         ・・・・・・・・・・1
 
     ニュルンベルク ゲルマン国立博物館 
     Germanisches Nationalmuseum, Nürnberg   ・・・・・・・・・・・・・・・3

  ファイト・シュトース  Veit Stoß
      1. 大天使ラファエルと若きトビアス Erzengel Raphael und der junge Tobias  4
      2. 聖母子像Muttergottes  6
        3. 煮えたぎる油壺の中の聖ファイト Heiliger Veit im Ölkessel  8

  アダム・クラフト  Adam Kraft
        4. 十字架の道行き Kreuzwegstationen   10

  ペーター・フィッシャー(父)  Peter Vischer der Ältere
        5. 聖マウリティウス Heiliger Mauritius  12

  ティルマン・リーメンシュナイダー  Tilman Riemenschneider
        6. 聖エリザベート Heilige Elisabeth   14

  ハンス・トーマン  Hans Thoman
        7. 聖バルバラと聖マルティン Die Heiligen Barbara und Martin   16
        8. 聖ゲオルクと聖マルガレータ  Die Heiligen Georg und Margareta  17   

    ダニエル・マウホ(?)  Daniel Mauch(?)
        9. 聖アンナ三代像 Hl. Anna selbdritt  24

  ペーター・デル(父)  Peter Dell der Ältere 
      10. キリスト教の救済の真実の寓意 Allegorie der christlichen Heilswahrheit  25

 
    バンベルク バンベルク大聖堂     
  Dom zu Bamberg, Bamberg  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

  ティルマン・リーメンシュナイダー Tilman Riemenschneider
      11. 皇帝ハインリッヒⅡ世と皇妃クニグンデの石棺彫刻                            
              Grabmal für Kaiser Heinrich Ⅱ. und Kaiserin Kunigunde  30
                                                                            
    12. いわゆるリーメンシュナイダー祭壇  Sogenannter Riemenschneideraltar  40

    ファイト・シュトース  Veit Stoß
    13. マリア祭壇 Marienaltar  43


    ミュンナーシュタット 聖マリア・マグダレーナ教会 
    St. Maria Magdalena, Münnerstadt  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 

    ティルマン・リーメンシュナイダー Tilman Riemenschneider
         14. リーメンシュナイダー祭壇  Riemenschneideraltar    48 

    ファイト・シュトース  Veit Stoß
         15. リーメンシュナイダー祭壇の祭壇画  
              Altargemälde des Riemenschneideraltars     50
                                                                   

第Ⅱ部 彫刻家別 特別掲載アルバム  ・・・・・・・・・55

 ニコラウス・ゲルハールト・フォン・ライデン Niclaus Gerhaert von Leyden    ・57

   トリーア、トリーア大聖堂博物館 Museum am Dom Trier, Trier
         16. ヤコブ・フォン・ズィールク トリーア司教区大司教墓碑 
    Grabmal des Trierer Erzbischofs Jakob von Sierck  57
 
   ストラスブール(フランス)、ストラスブール大聖堂 ヨハネ礼拝堂       
      Münster, Johannes-Kapelle, Strasbourg, France
        17. ある聖職者の墓碑 (コンラート・フォン・ブスナング)
              Grabanlage eines Geistlichen (Konrad von Busnang)  58

   ウィーナー・ノイシュタット(オーストリア)、ノイクロスター教会
   Neuklosterkirche, Wiener Neustadt, Österreich
       18. 皇妃エレオノーレの墓碑  Grabmal der Kaiserin Eleonore  60
 
   ウィーン(オーストリア)、シュテファン大聖堂  Stephansdom, Wien, Österreich
       19. 皇帝フリードリッヒⅢ世墓碑の上板 
    Deckplatte vom Grabmal Kaiser Friedrichs Ⅲ.     61

 ミヒャエル・パッハー  Michael Pacher      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
 
   ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク Alte Pinakothek, München
        20. 教父祭壇 (祭壇画) Kirchenväteraltar(Altargemälde)  62


 ダニエル・マウホ Daniel Mauch       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70

   ミュンヘン、バイエルン国立博物館 Bayerisches Nationalmuseum, München
         21. 聖家族  Heilige Sippe  70
 
   ビーゼルバッハ、フランツ・クサーヴァー礼拝堂 
      Franz-Xaver-Kapelle, Bieselbach
         22. 聖家族を描写した翼付き祭壇 
            Flügelaltar mit Darstellung der Heiligen Sippe  71            
 
     フランクフルト・アム・マイン、リービークハウス
   Liebieghaus, Frankfurt am Main
    23. マリアの誕生 Geburt Mariens  73
                                   
     ガイスリンゲン・アン・デア・シュタイク、
                    ルター派教区教会 ガイスリンゲン・アン・デア・シュタイク
      Evangelische Stadtkirche Geislingen an der Steig, Geislingen an der Steig         
      24. ガイスリンゲン祭壇  Geislinger Altar     75


第Ⅲ部 中世後期のドイツで活躍した彫刻家たち   81

 ハンス・ムルチャー  Hans Multscher  
    彫刻家であり画家としても名声を馳せた先駆者  83

 ニコラウス・ゲルハールト・フォン・ライデン  Niclaus Gerhaert von Leyden
    近代彫刻と見間違う自刻像も彫る  86
                                                       
 ミヒャエル・パッハー Michael Pacher
  彫刻と絵画の両刀遣い  90
                                                      
 ミヒェル・エーアハルト  Michel Erhart      
  リーメンシュナイダーなど多くの彫刻家を育てる  95
 グレゴール・エーアハルト Gregor Erhart       
  ミヒェル・エーアハルトの長男   95
                                                      
 ファイト・シュトース  Veit Stoß
  大罪を犯した巨匠  102
                                                      
 エラスムス・グラッサー  Erasmus Grasser
  躍動感ある踊り手も彫る  109
                                                     
 アダム・クラフト  Adam Kraft
  石彫「十字架の道行き」多数制作  112

 ペーター・フィッシャー(父)  Peter Vischer der Ältere
   彫金の傑作「ゼバルドゥス墓碑」制作   114
                                                     
 ティルマン・リーメンシュナイダー  Tilman Riemenschneider
   静謐で深い精神性を感じさせる彫刻  117
   [年表] リーメンシュナイダーの生涯と主な作品    126 

 ダニエル・マウホ  Daniel Mauch                                              
  柔らかな膨らみに安らぎを感じる彫刻  130
                                                                            
 ハンス・ラインベルガー Hans Leinberger
  現代にも通じる超個性的彫刻家   133

 オットーボイレンのマイスターはハンス・トーマン?   
   War Meister von Ottobeuren Hans Thoman?     
   服などのラインが特徴的で美しい彫刻  136
 マイスターH.L.はハンス・ロイ?  War Meister H.L. Hans Loy?
    丸みを帯びた柔らかな表情の人物像  136

 ペータ・デル(父) Peter Dell der Ältere
     レリーフに冴え   139

 文  献  145
                                                               

第Ⅳ部 祈りの彫刻を歩く
    お勧めの美術館・博物館および教会   ・・・・ 147

 
ドイツ国内       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・149

 ベルリン Berlin
       ボーデ博物館  Bode-Museum  149

 フランクフルト・アム・マイン Frankfurt am Main
  リービークハウス  Liebieghaus  152

 ミュンヘン München
  バイエルン国立博物館  Bayerisches Nationalmuseum  154

 ニュルンベルク Nürnberg
  ゲルマン国立博物館  Germanisches Nationalmuseum  157
     聖ゼバルドゥス教会St. Sebalduskirche  159
                                                                              
 ウルム Ulm
  ウルム博物館  Museum Ulm  161

 ヴュルツブルク Würzburg
  フランケン博物館─ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館
     Museum für Franken - Staatliches Museum für Kunst- und 
                     Kulturgeschichte in Würzburg  164

                                  
ドイツ国外   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・167

 ストラスブール(フランス)  Strasbourg, France  
  ルーブル・ノートルダム美術館  Musée de l’uvre Notre-Dame  167

    ウィーン(オーストリア) Wien, Österreich
       美術史美術館  Kunsthistorisches Museum  169

    クリーヴランド(アメリカ合衆国) Cleveland, United States of America 
       クリーヴランド美術館  The Cleveland Museum of Art  171

    ニューヨーク(アメリカ合衆国) New York, United States of America
     メトロポリタン美術館  The Metropolitan Museum of Art     173
                                                                  

第Ⅴ部 資料編        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・175

  リーメンシュナイダー・覚え書き     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・177       

  掲載作品写真の提供者および撮影者          ・・・・・・・・・・・・・・・・・186

  参考資料        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・188

  主な参考文献           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199


  あとがき     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・203

 

 
 以上をご覧いただくとおわかりかと思いますが、第Ⅰ部と第Ⅱ部のアルバムは、本書の
約5分の2を占めています。第Ⅰ部で紹介した15作品では、大半の作品を拝観済みですが、博物館や教会からようやく掲載許可をいただいた作品や購入した作品を掲載しています。唯一ミュンナーシュタットのファイト・シュトースが描いた祭壇画(作品15)は、聖マグダレーナ教会に祭壇を見に行っているのにもかかわらず、壁に掛かっていた祭壇画には気が付かなかったものですが、友人のマティアス・ヴェニガー博士(バイエルン国立博物館)が貴重な画像を提供してくださいました。きちんと予習していかなかった反省と共に、17回目のドイツ旅ではしっかり拝観してこようと思っている作品です。
 第Ⅱ部で紹介した9作品の内の7作品は未拝観のものです。日本語のカタログを見つけることができないでいる彫刻家ニコラウス・ゲルハールト・フォン・ライデンとダニエル・マウホの作品を紹介しました。どちらも博物館の研究者シュテファン・ロラー博士(リービークハウス)とエヴァ・ライステンシュナイダー博士(ウルム博物館)から寄贈していただいた写真を掲載してあります。これからの旅で回って見るのがとても楽しみな作品ばかりです。パッハーの祭壇画(作品20)だけは拝観していますが、ガラスケースの反射でよく写すことができませんでしたし、画像を購入しなければ掲載は認められませんでした。本書は最後の写真集ということで思い切ってアルテ・ピナコテークから祭壇画の画像を購入して掲載しました。

 第Ⅲ部ではこの時代に活躍していた15人の彫刻家たちの足跡を辿りました。  
 こちらも日本語の書籍ではほとんど見られない作家の様子が少しでも紹介できればと、ドイツ語のカタログから書きだしてまとめた章です。その彫刻家の中でも、リーメンシュナイダーに関しては今までの20年以上の「追いかけ人」人生の集大成となっています。リーメンシュナイダーの年表もこちらに載せました。

 第Ⅳ部では世界各地の美術館、博物館を訪ねた中で、特に印象に残っている10館について、お世話になった方々との交流や思い出などを辿って書きました。

 第Ⅴ部の資料編では、三津夫の「リーメンシュナイダー・覚え書き」が必見です。日本で見られる資料などの貴重なまとめとなっています。また、『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』シリーズ全4巻に紹介したすべての作品名を参考資料として挙げておきました。

 

 本日2022年8月30日現在、本書を所蔵する図書館は公立図書館で21館、大学図書館で4館の計25館となっています。発行して1か月ほどとしては嬉しい結果です。皆さまにもお近くの図書館に購入をお願いしていただき、お手にとって読んでいただけると大変嬉しく思います。

 そろそろ17回目のドイツ旅に出発します。何とか新型コロナに罹患することなく、無事に帰国できることを祈りながら楽しんできたいと思います。帰国して落ち着きましたら、また17回目のドイツ旅のエピソードなどを書いていきたいと思います。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

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271『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の「まえがき」

2022年08月28日 | 日記

▶『結(ゆい)・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の内容紹介


フライブルクの路上モニュメント 一番下に見えるのは私の靴です。

 

▶『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』まえがき

 

まえがき 
                                                                                          

   ドイツ旅行にはまり始めたのは1999年のことだった。妻の福田緑がドイツ中世後期の彫刻家、ティルマン・リーメンシュナイダーの追いかけ人(びと)になったからだ。
 「ドイツでこんなに著名な彫刻家の写真集が日本に存在しないわけがない。」と主張したのが私、「出版されていない。」と断言したのが妻だった。「それならどちらが正しいかお寿司を賭けよう」と言いながら内心ほくそ笑んだが、私が知っている本屋では最大の池袋のジュンク堂に行っても、ネットで探してもいっこうにリーメンシュナイダーの写真集は見つからなかった。結果として妻にお寿司をおごることとなってしまった。
  それから9年後に日本初のリーメンシュナイダーの写真集出版が妻の手によって成し遂げられた。現在までに4冊を数える。

  第Ⅰ巻『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』                   2008年
  第Ⅱ巻『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』               2013年
  第Ⅲ巻『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』   2018年
  第Ⅳ巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』   2020年

  第Ⅰ巻はドイツのアマチュア写真家ヨハネス・ペッチュ氏のカラー写真と娘・福田奈々子の白黒写真の合作、第Ⅱ~Ⅳ巻は緑の撮り下ろしと寄贈していただいた写真で構成してある。
  追いかけ人としての緑の執念は凄まじいものだった。リーメンシュナイダー本人だけでなく工房、弟子、リーメンシュナイダー派の作品までしらみつぶしに探し求めて写真を撮って回った。ドイツを中心にイギリス・オランダ・フランス・オーストリアなどのヨーロッパ各国、アメリカ・カナダにまで足を延ばした。一般人には鑑賞がかなわない個人蔵や、探しても見つけられずにいる作品などを除けばほぼ見尽くしたといってよい。その数は妻なりの数え方で450作品中426作品、拝観率は94.7%となる。ドイツの中世彫刻研究者に聞いてもここまでリーメンシュナイダーを追い求めた者はいないようだ。オタクの域をはるかに超えてしまったのかもしれない。
  妻と共に「リーメンシュナイダーを歩く」うちに、同時代のほかの作家たちの彫刻にも強く魅せられたのが私である。まさにドイツ・ルネサンスと呼ぶべき個性と創造性に満ちた彫刻群だった。これらを日本に紹介しない手はないと緑に強く出版を勧めたのが第Ⅲ、Ⅳ巻に結実した。

   ニュルンベルクといえばナチ戦犯に対する「ニュルンベルク裁判」やワーグナーの歌劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー(職匠歌人)』を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。あるいはドイツの最髙峰の画家といわれるアルブレヒト・デューラーの出身地ということでデューラーの家を訪れる人も多いかもしれない。さすがにリーメンシュナイダーのライバルと称されるファイト・シュトースの工房があった地でもあることを知っている人はごく限られているだろう。

 ドイツ中世後期の彫刻の追いかけ人(びと)の私たちにとってはニュルンベルクといえば、すでに数回訪れているゲルマン国立博物館がまずもってお目当ての場所である。数点のリーメンシュナイダー作品だけでなく、ファイト・シュトースやアダム・クラフト、ペーター・フィッシャー(父)などの作品の宝庫でもあるのだ。ところが残念なことに緑の写真集にはここの作品は1点も掲載されていない。その理由は、緑が撮影した写真の掲載のお願いをしてみたが許可が出ず、博物館が撮った写真を購入しなければならなかったからだ。アメリカにある美術館の大半も同様で、年金暮らしの私たちにはこれは大きな問題であった。
  しかし、ゲルマン国立博物館に勝るとも劣らない彫刻群が、そこから歩いて数分の距離に存在しているのを我々は知ることになった。

 ゲルマン国立博物館をたっぷり見たあとに決まって訪れるのは聖ローレンツ教会である。『地球の歩き方 ドイツ 2021~22』(ダイヤモンド社、2020年)の「おもな見どころ」として写真入りで紹介されているが、ここにはファイト・シュトースの「天使の挨拶(受胎告知)」(第Ⅲ巻 161~162頁)やアダム・クラフトの自刻像の台座が有名な「秘蹟室」(同 169~170頁)があるので多くの観光客が訪れる。
 あるとき私たちがデューラーの家までの道沿いにあるフラウエン教会にも足を延ばし、そしてその先の聖ゼバルドゥス教会に足を踏み入れたところ、驚愕すべき事実が待ち受けていた。緑の事前の調査では教会の外壁にアダム・クラフトの最高傑作と思われる作品「シュライアー・ランダウアー墓碑」(第Ⅳ巻 167~171頁)が鉄柵越しに拝観できることはわかっていたので、まずはこの大作をしっかり撮影をした。そして入口の受付で売っていた小さいながらも充実した内容の冊子を見て、この教会の彫刻は実に質の高いものであることが判明する。教会の外壁だけではなく内陣にもアダム・クラフトの作品「十字架の道行き」(同172~173頁)、ペーター・フィッシャー(父)の代表作「ゼバルドゥス墓碑」(同 177~180頁)、ファイト・シュトースの三連の「フォルカマーの記念碑」(同 143~145頁)、「聖アンデレ」(同 146~148頁)、「ヴィッケルの磔刑像」(同 149~152頁)など数点の傑作が目白押しなのだ。
  ほぼ同世代のファイト・シュトース、アダム・クラフト、ペーター・フィッシャー(父)はニュルンベルクを中心に活躍した彫刻家だが、この聖ゼバルドゥス教会にはそれぞれ最高の知恵と技量が結集されたに違いない。緑の撮影が終了するのを教会の椅子に座って待ちながら、500年前のこの三巨匠たちにどんな交流があったのだろうかと、思い巡らしていた。
  そんなとき、ふとミュンヘンのバイエル国立博物館の「いわゆる『枝を折る人』」(第Ⅳ巻 174~176頁)を思い出した。作者がペーター・フィッシャー(父)で、モデルがアダム・クラフトの青銅製の像である。高さ40センチメートルほどの小品だが、三十数キログラムもあると教えてくれたのは博物館のマティアス・ヴェニガー博士(本書154頁)だった。

 それにしても、私たちはドイツ中世後期彫刻の宝庫といっても過言ではない聖ゼバルドゥス教会を今まで易(やす)々(やす)と見逃してきたのではないだろうか。『地球の歩き方 ドイツ』だけでなく『地球の歩き方 南ドイツ』にも見どころとして紹介されていないのだ。第Ⅳ巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』の出版価値はこれを紹介したところにあったと思っている。
  一応、写真集は第Ⅳ巻で完結したが、紙数の関係で紹介しきれない作品があまた残されてしまった。日本の人たちにもっと作品を紹介したい。そうした強い思いを抱いたのが私だった。
 写真集で緑が書き尽くせなかった作品との邂(かい)逅(こう)のドラマもある。十数回のドイツ旅行で知り得たドイツ中世後期の彫刻作品を所蔵する美術館や博物館、教会などについての情報も伝えたい。そのように緑に何度も出版の意義を伝えてようやく本書作成の運びとなった。
                                                 
 なお、本書の作成に際してもう一度ニュルンベルクのゲルマン国立博物館に緑の写真掲載を求める手紙と見本を送ったところ、正面性のある写真を博物館から購入するという条件で、ほかのアングル写真は緑の写真を掲載してよろしいという許可を得ることができた。今まで撮影料を支払って写した写真は載せてきているものの、購入した画像を掲載するのは今回が初めてだ。しかし、これまで掲載できずにいたゲルマン国立博物館のリーメンシュナイダーやファイト・シュトース、ダニエル・マウホ(?)やペーター・デル(父)の傑作も「特別掲載アルバム」として見ていただくことができるようになった。
 さらに、マウホについてはウルム博物館から多くの画像を寄贈いただくことができたため、作家別アルバムとしてマウホを特集し、日本に紹介することが可能となった。
 また、撮影は許可しているが公開を禁じているバンベルク大聖堂にも写真掲載の許可をいただいた。
 リーメンシュナイダーの代表作「皇帝ハインリッヒⅡ世と皇妃クニグンデの石棺彫刻」「いわゆるリーメンシュナイダー祭壇」を紹介できる日が来たことを嬉しく思う。
  
  最後に、ミヒャエル・パッハーの祭壇画について触れておきたい。
 写真集第Ⅲ巻、第Ⅳ巻を見ていただければ一目瞭然のように、パッハーは優れた彫刻作品を数多く残しているが、その技量の高さは絵画にまで及んでいる。詳しくは本文を読んでいただくとして、ここではノイシュティフト修道院の「教父祭壇(祭壇画)」(アルテ・ピナコテーク所蔵)を計8点特別掲載できることとなった。パッハーが彫刻家と画家の「両刀遣い」であるという全体像を本書で紹介できる幸せを感じている。
 さらに、卓越した「両刀遣い」といえば、ファイト・シュトースもその一人に数えられる。ミュンナーシュタットの聖マリア・マグダレーナ教会の「リーメンシュナイダー祭壇の祭壇画」はシュトースの代表作である。嬉しいことに、マティアス・ヴェニガー博士撮影の写真(50~54頁)も掲載させていただけることになった。
                                                              
 私たちは美術の専門家ではない。自らの嗜好の赴くまま、作品を訪ねてどこまでも訪ね歩く美術愛好家である。そんな私たちとこの本でドイツ中世後期彫刻の旅にご一緒していただきたい。


     2022年3月
                                                      福 田 三 津 夫

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

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270. 親友からの便り

2022年07月23日 | 日記

 


友人宅の「房フジウツギ」 花がたくさん付くのにびっくりです。

 

▶親友からの便りに胸打たれました。

 かつて共に働いていた小学校で、私は全く初めての分野の「ことばの教室」に配属されました。そこで少し年下だけど心はずっと先輩の温かい同僚に出逢いました。それが鈴木素子さんでした。

 彼女にどんなにたくさんのことを教えてもらったのか、数えきれません。初めての発音指導や吃音の子どもたちへの接し方などの技術面はもちろんのこと、ことばの教室に通ってくる子どもたちと悩める親御さんへのアドヴァイス、困っている同僚(私を含め)への手助け、どんなに小さな悩みも大きな悩みも親身になって受け止めてくれる彼女の姿に毎日たくさんの刺激をもらいました。そして一人ひとりの子どもたちへのアプローチを徐々に楽しむことができるようになったのでした。それらを退職後に振り返ってまとめたのが、ラジオ深夜便でもお話しした『子どもっておもしろい』という本です。

 その後、素子さんは転勤していき、数年後に退職。退職してからもしばらくは時々会っておしゃべりしていたのですが、段々別の忙しさが加わってなかなか会えない、おしゃべりもできないという状況で数年経ってしまいました。

 でも今回の本は、ずっと心の支えになってくれた素子さんにどうしても読んでもらいたかったので、贈呈させてもらったのでした。すると、一昨日、久しぶりに長いメールを送ってくれたのです。彼女のご家族のことも今の社会に思うこともたくさん書いてくれた中で、『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』について書いてくれた部分をここに彼女の承諾を得て紹介させてもらいたいと思います。

**************************************************

結•祈りの彫刻の出版、おめでとうございます。
貴重なご本を贈っていただけるなんて、感動しちゃって……。
本当にありがとうございました。

北西にいたころには、緑さんがヨーロッパの彫刻家の研究者になるなんて、想像もできなかったけれど、後半生のひとつのまとめというところまできたんですねー。

研究者っていうとわたしにはちょっと畏れおおくて遠く思えちゃいますが、追いかけ人って言われると、一途に情熱を傾ける緑さんらしくて、わたしにはぴったりきます。

緑さんと三津夫さんらしいご本ですよね。 読んでいると、いつの間にか「啓」を読んでるような気持ちになってしまう。

リーメンシュナイダーや他の作家を追いかけ研究するだけでなくて、そこに至るたくさんの出会いや奇跡の出来事などが書かれてる。

作品のある場所にどうやっていけばいいのか、どんな所なのかまでわかる。
緑さん三津夫さんの思いや情熱が、本からあふれ、本を開くわたしの手からもあふれ出るよう!
そして、みんなに伝えたいというお二人の気持ちがぎゅうっと詰まってる!
北西で緑さんの情熱を見ていたわたしは、緑さんの本なんだなあ、緑さんと三津夫さんにしか作れない本だなあと、そう思いました。
大変だったとは思いますが、三津夫さんがお連れ合いで、よかったですねぇ。
三津夫さんも、緑さんがいて世界がいろんな方向にさらに広く深くなったのですよね…と、すみません…勝手にそう思ってます。
お二人で歩んだからこその、お二人の今ですよね。

**************************************

 素子さん、ありがとう。
 三津夫とはしょっちゅう喧嘩しながらもう49年も連れ添ってきています。ときには腹の立つこともあるし、時には感謝することもあるという相棒ですが、一つ言えることは、三津夫がいなかったら私は『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』までで写真集を終えていただろうということ。彼がしつこくしつこく促し、なだめ、励まして、結局その後3冊もの写真集を作らせたのだなあと今は思っています。最後のⅤ巻目は本当に文章も共著となりましたが、これまでのⅠ~Ⅳ巻も、気持ちとしては共著だったのですよね。その辺を素子さんはしっかり読み取っていたのですね。

 素子さんの文中にある「啓」とは、息子が生まれてから三津夫の提案で始めた夫婦のミニコミの名前です。ここに三津夫は教育論などを、私は生活の中で思ったことや子どもたちの生育記録などを書き綴ってきましたが、退職してからはもっぱらリーメンシュナイダーを追いかける旅の記録をまとめてきました。このミニコミの発行も、書いて、印刷して、綴じて、送るという作業が段々しんどくなり、100号までで区切りを付けたのでした。
 素子さんはその相当部分を読んでくれていた読者の一人でもありました。それまでは離れていても結構お互いの状況はわかり合っていたように思いますが、「啓」を終刊としたのちは、家庭環境の変化で、日常のやり取りもなかなか難しくなっていたのだなと思います。『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』が素子さんとの繋がりをもう一度しっかりと結びつけてくれたと感謝しています。


 次号では、『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の「まえがき」と目次を紹介したいと思います。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

 

 

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269. 新刊『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』が届きました。

2022年07月16日 | 日記

▶思いがけず早い到着に慌てましたが…

 


友人宅の「タイマツバナ」


 見本は既にご紹介したとおりですが、7月20日にわが家に届くはずだった『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』が思いがけず早めに届きましたので、先行予約をいただいてお振り込みが確認できている方々、またお世話になった方々への発送を始めました。昨日から早速メールが届いたり電話がかかってきたりしています。私たちが驚いたように、20日発行と思って待ってくださっていた方は驚かれたようです。当然ですね。でも嬉しいサプライズで新本を手に取りました。

 なお、本書は刊行する前からアマゾンや楽天などでも紹介され、予約が受け付けられていたようですが(ただ、私がこのパソコンで検索する限りでは見つけられません)、三津夫が運営するアマゾンのネット本屋「猫家族」でも販売を始めます。既に情報はアップしたのですが、一般書店には予告通りに20日から出回るのかもしれません。「猫家族」では定価よりお安く、税無しでお買い求めいただけますので、どうぞご活用ください。

 

▶三津夫の親友、山﨑隆夫さんのブログを見て感動

 この検索の途上で三津夫の親友、山﨑隆夫さんが書いてくれたブログを読むことになりました。  

 

『彫刻はこう見るのか!』

『彫刻はこう見るのか!』

彫刻はこう見るのか! 福田緑・福田三津夫著、…素敵な写真集をいただく 大学時代の親友・福田三津夫君(以下、福田と呼ぶね)とパートナー緑さんが、2人で共同して出…

扉の向こうは子どもの時間

 

 何だかすごい感動!! こんな風に私の写真を見てくれる人がいるとはとても嬉しいことです。
    山﨑さんは自信なさそうに書いていましたが、特別アルバム内で
コピーライトのマーク©が付いている写真は購入したり、知り合いや友人の博物館で働く博士たちが寄贈してくれたものですが、何も書かれていない写真はすべて私が撮ったものです。バイエルン国立博物館のヴェニガーさんはご自分でも写真を撮って何冊ものカタログを書いていらっしゃるのですが、私の写真を「いや~、良いですねえ。どこがとは言えないんだけど良いですよ。」と言ってくれます。恐らく、山﨑さんが書いてくれたような気持ちが混ざっているのかなぁと感じました。これも中世後期(初期ルネサンスでもありますね)ドイツの彫刻家たちがたくさんの心のこもった作品を遺してくれたおかげです。

 山﨑さん、ありがとうございました。こちらこそ心からお礼申しあげます。

 

▶閑話休題

 いつも友人宅の花の写真を掲載しているのですが、なんでそればかりなのと思っていらっしゃる方も多いのではないかと思い、ちょっとだけ解説しておきます。

 このご近所の友人ご夫妻はご高齢で広い庭の手入れが難しく、私の娘は花が好きなのに植える庭がないとお互いが嘆きあっているのを聞いたのは2014年のことでした。そこで閃いたのが、私たちがこれと思った草花を買って来て植え、手入れをし、購入にかかった費用は友人ご夫妻にお払いいただくという、ある種のボランティア活動でした。完全なボランティアとはいいがたいかもしれませんが、私たちが毎年花屋さんに行っては珍しい花、可愛い花を買ってきて(これが大きな楽しみ)デザインしながら植えると、ご夫妻がとても喜んでくださるのです。雑草取りは大変な労働ではありますが、手が入ると庭はスッキリして違った顔を見せてくれますし、ご夫妻の笑顔は何よりの励みになります。おもしろい花やきれいな花は小さなカメラだとピントがはっきりしていませんが、記録として撮影し続けています。今回載せたタイマツバナは今年初めて大輪の花をつけました。堂々とした姿がパッと目を惹く花です。ご近所の方も通りすがりに「あの花は何ていうんですか?」「いつもきれいねと言いながら通っているんですよ」と声をかけてくださいます。

 最初にお子さんと一緒に庭しごとをしてくれた若いお隣さんは引っ越して、替わりに私がいつも一緒に清瀬で活動している友人たち2人が加わってくれました。娘も2015年には遠方に引っ越したので、来られるのは年間10回ぐらいでしょうか。その合間は清瀬グループで補っています。皆でわいわいと草取りをしては休みながらお喋りをしていると、体は疲れても心が元気になるのが不思議です。

 そんな訳で、これからも友人宅の花が入れ替わり載ることと思います。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

 

 

 

 

 

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268. 見本ができあがりました。

2022年07月11日 | 日記

▶こちらが第Ⅴ巻目の表紙と裏表紙です。

 


大天使ミカエル 「皇帝ハインリッヒⅡ世と皇妃クニグンデの石棺彫刻」より
 ティルマン・リーメンシュナイダー  1499~1513年 バンベルク大聖堂


大天使ラファエロと若きトビアス(部分)        
 ファイト・シュトース 1516年  ニュルンベルク、ゲルマン国立博物館 

 

▶ようやく見本が届きました。

 今回の『結(ゆい)・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』ほど何度も目をこらして原稿を読み直した本はありませんでした。それだけ校正の公文さんからは細かな質問や訂正が入り、何度も考え直したり書き直したりした本です。それでもやはりミスがゼロとなることは難しいのでしょうけれど、文章が長いということは大変なのだと身に染みてわかりました。

 本書は半分弱が写真集であり、残る半分強は中世後期のドイツで活躍した彫刻家たちの紹介、その作品が見られる主な美術館、博物館や教会の紹介となっています。皆さまが近くの町を訪ねる機会があれば、是非足を運んでいただきたいと願って作りました。

 今回ばかりは私たちがまだ拝観していない作品が24作品中6作品(拝観率75%)と、今までに較べて非常に多いのです。ちなみに今までの拝観率はといいますと…

  『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』 30作品中30作品 100%
  
『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』 70作品中69作品 99%
  『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』 64作品中64作品 100%
  『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』 43作品中43作品 100%

となっています。  

 そうした未拝観作品の写真をなぜアルバムに載せられたのかといいますと、画像を提供してくださったシュテファン・ロラー博士(フランクフルト・アム・マインのリービークハウス)、マティアス・ヴェニガー博士(バイエルン国立博物館)、エヴァ・ライステンシュナイダー博士(ウルム博物館)のおかげなのです。この方々のご協力がなければ、『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』はもっと寂しい本になっていたと思います。

 今年は3年ぶりに9月から17回目のドイツへの旅に出て、お目にかかって手渡しできる方には第Ⅴ巻を直接贈呈し、お忙しくてお目にかかれない方には日本から郵送するつもりでいます。

 今は、本書に掲載してまだ拝観していない作品を巡る旅の計画真っ最中です。

 なお、先行予約をいただいた方々には20日以降、手続きができ次第お送りする予定です。お手許に届くまで、もうしばらくお待ちください。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

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267. 本の原稿が手を離れました。

2022年06月25日 | 日記

▶第Ⅴ巻目の進捗状況です。

 


友人宅の庭のバーベナ

 

▶ようやく色校正を終えました。

 昨年6月から書き進めていた第Ⅴ巻目の本文原稿は、ようやく先週私たちの手を離れ、印刷に向かって色校正を始めたのが6月15日のことでした。

 本番で使用する用紙に打ち出していただいた写真の色を確認するのは、写真集では大変重要な一歩です。Ⅴ冊目ともなると、写真を見るパソコンのモニター(機種)によって色合いも違ってくること、昼間の光の下で見るのと、夜になって人工的な灯りの下で見るのとでも色が違って見える事がよくわかってきています。そのため、昼間の私の部屋での灯りの下で自分のパソコンに出した写真と、またその画像が掲載されたカタログがあればそのカタログとを見較べ、本番と同じ用紙に仮印刷をした色校の初稿にメモを書き入れて既に送ってありました。

 それでも実際に打ち出された写真を見ると、もう少し明るさが欲しい画像、もう少し落ち着いた色合いにしたい画像、ここの詳細がもっと見える明るさが欲しいとか、様々な要望が湧き出てきます。この日は持っていけるだけの大きなカタログも運んでいったので、もう百聞は一見にしかず。富士美術印刷さんの画像編集者、大塚欣一さんは、その私のアバウトな説明を聞きながらテキパキとご自分なりのメモを書き入れていきます。カタログに掲載された作品については一見しただけで理解してくださいます。大船に乗った気持ちでした。文章の校正が終わっていない間はこのカタログも手許に必要だったのですが、文章校正が終わったこの日は、これらのカタログも富士美術印刷さんに預けて帰ることができました。

 そして6月20日の月曜日に富士美術印刷さんまで出かけて第二回目の打ち合わせをしました。ほとんどの画像は思い通りの色合いになっていて、ほんの少しだけ手を入れていただくことで打ち合わせは終了。あとは大塚さんの腕を振るっていただいて印刷する段階となりました。苦しく、悩ましかった1年が終わり、ホッとしています。あとは刷り上がりを待つばかり…。

 

▶次回のお楽しみに

 今度の本はどんな表紙になったのか、まだちゃんとお目にかけていませんでしたね。

 第Ⅴ巻目『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』は、期せずしてティルマン・リーメンシュナイダーの「大天使ミカエル」が剣を持って表紙に立ち、裏表紙にはファイト・シュトースの「大天使ラファエル」がにこやかに皆さんをお招きしている姿が入りました。タイトルにもぴったりの本となっています。

 次回にはこの表紙と裏表紙の出来上がりを皆さんにお目にかけたいと思います。出版は7月20日の予定です。予定より大分遅れているため、ご心配をおかけして申し訳ありません。先行予約をいただいている方にはわが家に本が届き次第お送りする予定です。

 

 真夏の暑さがしばらく続きそうです。体調を整えて過ごしたいと思います。
 皆さまもどうぞご自愛ください。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

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266. 出版が少し先送りになります。

2022年05月29日 | 日記

▶第Ⅴ巻目の苦労


このご近所の花の名前はカルミアだそうです。

 

 このところ第Ⅴ巻の写真集『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』の校正作業に没頭しています。既に本文そのものは第四校となりました。それだけ落ち着かないのは、私の最初に考えた本の構成が作りながらあれこれ動いたために混乱を来したことが第一の原因です。そして第二の原因は、今回ばかりは文章が長いという点です。

 今までの、特に第Ⅱ巻から第Ⅳ巻では写真がメインで、書いた文章はごくわずか。例えば…

   第Ⅳ巻 269頁のうちの201頁が写真頁 残りの68頁分が私の書いた文章や資料
   第Ⅴ巻 206頁のうちの79頁が写真頁 残りの127頁が三津夫と私が書いた文章と資料

なのです。文章が多くなると、それだけあれこれの表記についてルールがあり、統一性が求められるのですが、昨年は6月頃から半年かけて少しずつ文章を書いてきたこともあり、地名と所蔵所の書き方がばらついていたり、キャプションの入れ方に統一性がなかったり、文章にちりばめられている作品名が章によって少し違っていたりということが多発、文章の校正をしてくれる公文さんには大仕事となってしまいました。書き込みを見る度に申し訳なくて頭が下がります。

 それでも初校に較べて少しずつ修正箇所も書き込みも減ってきたのですけれど、第三校でもう終わりと思っていたのに第四校まできてしまいました。さすがに修正箇所もあとわずかということになったところで、今日は、美術館、博物館や教会に所蔵されているドイツ中世後期に活躍していた彫刻家の作品について見直しをしました。
 念のためにウェブサイトで調べられるものは再チェックしたのですが、作品名が半年前とは変わっていたり、見当たらなくなってしまっていたものもあり、そうなるとまた修正箇所が出てきてしまって大慌てでした。私のファイルもパソコンのどこに何を入れてあったのか混乱してきていて、頭の中はカオス。本当に疲れる作業です。似たような名前をファイルに付けてしまっているためにこっちか、あっちかと開いたり閉じたり…。一度、彫刻家のデータと写真をもっとわかりやすく整理し直さなければと痛感しています。

 

▶そんなこんなで、出版予定日が延期となります。

 そんな事情もありまして、6月末には出版予定だった第Ⅴ巻の現在の予定日は7月20日となりました。前以て予約をしてくださった方々には、6月末頃にお詫びを兼ねて連絡をさせていただきます。ブログを読んでくださっている方には予めお詫びしておきます。申し訳ありません。表紙ができあがってきましたら、ここにアップしますので、もうしばらくお待ちください。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2022  Midori FUKUDA

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