アグリジェントから西海岸にはほとんどキャンプサイトが無い。ただ一箇所開いているはずのキャンプサイトへ行ってみたが、保守工事の真っ最中で断られた。
まだ無理をすればパルレモへたどり着けるかもしれないが、今夜はフリーキャンプと行こう。メイン道路を離れて海岸に大きな駐車場らしいのを見つけた。幸い水道もあり、今夜の魚料理もできる。駐車場の近くの家は、夏のセカンドハウスらしく全部閉まっていた。
シシリーでは西海岸しか夕日が海に落ちるところを見られない。そしてここマルサラ(Marsala)は絶好の場所だった。
夕食を終わって静かな波音を聞きながら読書や数独をしていると、11時頃今まで無人の駐車場に車が2台乗り付けて来た。そして若い男女5-6名が降り立ち、車の音響を最大限にして、踊り狂っている。私の大嫌いな激しいドラムの音とバンドが騒々しい。この夜は金曜日、夜明けまでこれをやられたら、たまったものじゃない。12時まで我慢をし、だめならどこかへ移ろうと話し合っていたら、ちょうど12時、急に静かになり2台とも立ち去ってしまった。現代版シンデレラはここシシリーに居るらしい。
亭主によればシシリーはカソリックの信仰篤く、おまけにマフィアの多いところ、10代の娘を持つ親も躾が厳しいのだろう・・・と。
その後は朝まで誰にも邪魔されることもなくのんびり朝寝坊までしたが、もしあの2台がマフィアだったら・・・・と思うと、ゾーとした。マルサラから160Km、高速道路は快調で海辺の町や山頂の村を見ながら、パルレモから7Km南にあるはずのキャンプサイトを探し回った。
高速を降りてはじめに見つけたスーパーマーケットで誰かに聞こうと駐車場へ入り、こんなひどい渋滞に巻き込まれたのは、ブカレスト以来初めてだった。
キャンプサイトは設備も良く、着いてすぐに洗濯機で洗った衣類やシーツ類が夕方までに乾いた。キャンプサイトは町の一角で海岸線はホリデー客用のプロムナードが長く伸びて散歩に最適、レストランや土産店の通りで生うにを売っている屋台が数軒出ていた。イタリア人はウニもマッスルも生で食べる。私は食指が動かなかったが。
Capo Gallo (ガロー岬)はキャンプサイトの散歩道の終点で、面白いかざりが目を楽しませてくれる。
キャンプサイトのパンフレットにはパルレモには車を運転してはいけない。カメラを持って行っては危ない。財布やクレジットカードは危ない・・・・・と禁止事項が書かれていて、それほどまでしてゆく価値は無いと観光をあきらめた。