この葡萄の色で、
この容量、三階建てな菓子、“れいああうふは”、冷え系があった。
軽銀製の皿の上で、透明のフタを被っている。
傍らの竹のサジで切り、ヘラですくい、紙の器に置き、透明なサジで食すべし。
長野産巨峰、純正の寒天菓子には、結果的に、炭酸が混じっていた。
ねおの菓子工房は、巧妙だった。
炭酸を、お喉に喰らわすには、に向けて。
試行錯誤の果てに、分からしめ、を浴びせていった相手は、菓子を作る指の周囲に立つあらゆる、功利提供機能や人。
手の甲、手首、肘、肩、胴体、そして他の部署の者。
ようやく、菓子の内部に、月産の植物の種が、発芽するとの事態を見る。
一言も、炭酸を加えるべし、との指示を放った者は居らずであったがとにかく、巨峰純正の寒天菓子の制作推移を察知した、菓子工房の者は無言のまま炭酸を加え出す。
完成品の表面から僅か下から底までには、しびれを急いでさそう強力な炭酸の辛みが満ちていた。
高濃度の炭酸菓子が完成した。
この菓子は、組織構造上の非言語指示をしゃもじに選んでいた。
かくなる、成文そのものがこの菓子だった。
銀の皿に乗るこれは、ねおの一粒子、堂々なる天守閣とその主、一体不可分状態だった。
炭酸の辛きを、客の舌が知ると、高濃度の察知が頭部を襲う。
製作に当たった菓子企業の上層と製作現場の間に満ちしは、信頼であろうか。
いや、信頼の振る舞いを働きし何らかの刺激が、遮二無二搾乳されるまでの間、何を呼吸していた職員の肺であったであろうか、との問いを注視すべきか。
とにかく、客はねおの望み通り、高濃度の炭酸を喉に喰らう。
何を、お望みであるのか、菓子製作企業は。
これが、ねおを隈なく走っていた、一脳波変調音波だった。
高濃度の炭酸の器が喉にされつつも、敵陣の意思を探るべく浮かばせる言語は、胃ほどの深みより。
この刺激が三度、表情と佇みに関する分析をねおの給仕二人について、これで宿泊客は開闢条件を満たしていった。
三、二は最も優秀な人間だった。
その他の開闢者は七、一や九、五。
宿泊客の中にはねおで浴びた刺激により、開闢に至っていった者が大勢居た。
一人残らずが、開闢世界の中でその条件、満足地を知っており大歓びしている。
これが、ねおでの真なる最高利益者。
炭酸葡萄系冷え菓子、“すぬんぬふぬぅん・・・”は製作時期なら毎日九本から十三本が消えていた。
金星製の食器に置かれし一本が、貴船川きぶねがわ、上流水の砂利氷の池に浮いている島、と見立てられていた。
こうした、軽量熱量印象、な菓子なら、異人種さんのご検討の的に立ち易く、数多くの人種がほふっていった。
Kifune Soundscape 貴船川(貴船神社きふねじんじゃ、貴船川きぶねがわ)
スイカの四分の三の高さが残されるべく、まぶたと眉の間が切断され、そして内部がくり抜かれている。
浅い、木の箱に乗っているこのスイカの中、底には漬物が座っている。
奈良漬けだった。
鏑かぶら、を七枚まとう串が数本佇んでいる。
こちらをお握りになる以前に、スイカの空洞の中で的を、探したとの俯瞰上判定をお浴びになりつつ、串の先端で、強固に恐らく、喰い物らしき、をお刺しになって下さい。
匂い如何を無視され、奈良漬けを食道にお迎えになって下さい。
スイカの空洞量ほど、醜女しこめを無視し美女の手首を握ろうと図ったとの選別眼の大きさを、思い出しいきになる筈です。
ここに満ちる、無手自己の頭部、紙芝居劇の最終場面、裂帛気勢と果敢気迫が、あなたの気管支へ籠るとの疑いは、いずれすぐさま、容易なる吐き出しをお勧めしゆく事でしょう。
奈良漬け、は過剰美味なる料理への付き添い役が現代では妥当であり、美味とは程遠し。
味覚快楽を、これはもたらそうとはせず。
開発当初より、衒学志向だった。
何だかんだと、軽量喫茶衝動に従い、これを食せ、だと。
白い米煎餅が、葛かつら、製の籠に無数枚、置かれていた。
まま、現代版。
これより、三糎広いのが、二十七枚、横へ皿連なり。
日本のどこでもが、自然と同類を着想しているが、ねお版に関しては画像の先代、熊本の山鹿やまが、技術製だった。
籠を置くと、空になる。
そこで、新たな籠を置く。
毎日、二籠が空になっていた。
そこで、後に一つの籠に約五十枚が乗る事となった。
すると僅か枚数が残っていき出す。
籠の大きさ、現在、眼前なる枚数、自己の立ち食い欲、これらはいつも即興なるせめぎ合いを命ぜられる。
ねおは、そのように知り出し始め、客を使役した頭部刺激事態に恥を感じ始める。
一方、客側は、実のところ、全てをほふりたがっておられた。
しかし、せず。
大きな籠に止めや致命傷を刺す役を避けたがり。
他方、ねおは二籠を、配りいく姿勢を選ばず。
客の、立ちながら喫食の胃を、知的性欲の足支えに捉えいく事になる故。
そこで、ねおは籠を二段重ねにする、空に成った段は視野から隠れ、見られず構造を選ぶ、との策を次々選んでいく。
客は一度、大量枚数を籠に残してしまう。
次の、利用機会に、籠の生命を、お残しすべく、と。
ねおと客のせめぎ合いは長く続いていき、果ては無かった。
他人の胃に仕えるべく配備されし理性的手腕は、必ず、周期ごとに服しいくが、その推移を克明に掌握しようと試みる者は、極めて非常識者扱い。
せめぎ合いに、終わり無しの故、こちらも、無し。
より深くを、追わずべし。
難波の向こう、九州の田舎を、難波の商人腕力でガサ入れする際の難癖、不届き者探しを、着物の胸に秘め続ける、論外なる真の不届き者への接近に他ならずにして。
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