青龍神界鏡

次はまた首相してみんかお前。
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二十七面目   イースター島西の円形舞台

2012年08月20日 19時00分00秒 | 投稿

ゲァフシュハアフゥ星人はムー大陸の沈没事件の謎を追う異星人が大陸のかつての輪郭を航空調査する際、イースター島のモアイ像発見の可能性を高く見ていました。
“モアイ像の築造は、大陸存在時に於けるムー文明の後見異星人による介入の篤さ、その規模への栄典事業であると思われるが同時に、上陸組へ継続した一定度の誠意、イースター島の安定的な政治体制、大陸沈降の激変時に於いては後見異星人によるムー人への緊急的救済行為の概括的推測を許す。
政治的危険性が付随してくる、更なる追求調査による資料作成を経ないままの概観分析では、ムー文明の後見異星人の分類象限は善である。”
このような概括分析の発生をゲ星人は希望していました。
宇宙に於ける星籍の初期診察で分類象限が善となり易い判断資料、“面倒な手続き”をゲ星人は演出したのです。
大陸の沈没事件について他の異星人に質問を受けた際は、ゲ星人は“現地で悪が跋扈した為”と以下のように弁明するつもりでした。
“ムー人は励起機器を手に悪に走っていった。
そして他の異星人との不純交際にふらつくようになり、取り返しのつかなくなる一線を越えた。
故に私達は彼らに致し方無く罰を与える事にし、その範囲たるや病根の焼灼と社会学的冷却措置の確実性を期す為、大陸全土を選択したが、この判断に際し星籍を意識した義侠心の発露は無かった。”
実のところ、ムー大陸の沈没事件の真相とはゲ星人の失策の隠蔽だったのです。
イースター島の選択理由にも裏刺繍が隠されていました。
イースター島から西に約六十キロ進んだ威厳のある見晴らしの丘が見降ろす低地にはゲ星人がしつらえた円形舞台がかつて存在していました。
この円形舞台は大陸沈降前にゲ星人が励起機器の音波で粉々に破壊しました。
ここはゲ星人が“偉大な先導者”形象でムー人に星示を降ろしていた拠点の一つでした。
彼らはこの円形舞台で、本性を漏らした蛮行に及んでいました。
社会調査項目以外の何らかの教育的成果が上がらないと本星に課業成績の低評価を受ける恐れのある地球現地のゲ星人にとって円形舞台は、心理負荷の発散場所となっていたのです。
彼らはそこで夜間に科学機器を用いてムー人を呼び出しては励起機器の悪用に明け暮れた酋長一族を処刑を装いつつ遊び半分で殺害する、その他の犯罪人、癪に障った者を素拳で半殺しにする、見初めた女性を強姦するといった狂態に耽っていました。
また巨人の混血種の撥ね殺しが常態化して久しいムー後期には、代替の罰としてここに生物兵器を降臨させていました。
エゾヒグマより巨大で凶暴な毛むくじゃらの四つん這い形象は一カ月ほどムー人を喰い殺し回り、初期設定通り死んでいきます。
この頑健な生物兵器はどうにか上空から巨石を頭部に当てる以外は石舟で撥ねられても中々死なず、殺害には難儀していましたが、ムー人は生物兵器の降臨が起き出した後も励起機器の悪用犯罪を止めませんでした。
ムー人のイースター島上陸組は、近くに祭政上重要且つ畏怖を要する場所があった事を知っていました。
ゲ星人にとってイースター島はムー人を心理操作しやすい場所だったのです。
ちなみにゲ星人のムー大陸現地組の振る舞いは追跡調査されており、本星帰還後、“脳内議論に必要な、議案の提出、議員の歩く廊下の清掃、筆記用具の整頓、空気清浄度の維持といった手続きの存在意義が、脳内議論のみを目的とするだけとなっていた為、逆に不可避的に脳内議論を軽んじ出すに至った結果の振る舞い”つまり犯罪に走った者は尋問後、峻烈な刑に処されていきました。
星際間調査活動に従事する現地組は如何なる状況下で如何なる心理負荷を感じ、如何なる逸脱行動でそれを解消したのかという、本星での秘密調査の対象とされていたのです。
ここでもゲ星人は倫理より社会調査利益を優先していました。
盗聴で判明していた現地組のムーでの蛮行を止めなかったのです。
ところで、励起機器の音波を照射された対象物は、必ず特殊な音波を放つ為、音紋励起知識を持つ異星人なら足跡を感知する事が出来ました。
また、科学機器やその使用履歴が発するある科学波長が現地の文明星以外の由来であると、ある一定段階の文明以上は探知が可能です。
この可能性を恐れ、ゲ星人は望まぬ外患を誘致する恐れのある円形舞台を抹消する、もしくは倫理的に浄化する必要がありました。
破壊音波を照射しても、対象物の残骸が放つ残存音波故、他文明による追跡可能性は完全には抹消不可能である為、対象物の製造音波等の履歴を撹乱した上、海中への沈降処理を施せば追跡可能性を極めて低くする事が出来るとゲ星人は概算しました。
もし、円形舞台が地上で音紋科学文明に発見されてしまえば、そこで照射された二百波以上もの攻撃的音波照射履歴が意味する、“科学劣位人種に対する、恐らく法的審議の粗雑さが伴っての粉う事無き一方的虐殺現場”を即座に断定されてしまいます。
また、もし音紋科学文明が本腰の調査に出れば、照射から一定期間内であれば、音波履歴は海中からでも探知されてしまいます。
撹乱された音波は海中からでもきな臭いものがあります。
そこでゲ星人はムー人との協調を表面上匂わせるモアイ像の寂しげな視線を円形舞台に向ける事で、他の異星人からの論難の可能性を更に低めようとしたのです。
ムー大陸を担当していた役人としては“汚い場所を綺麗にした”と本星に報告し、自身の功績とする目的がありました。
地球への介入策について異星人がゲ星人を詰問して来た事がありましたが、彼らはモアイ像をちらつかせてムー人との協調の日々を匂わせ、非難をかわせた場合がありました。

また大量のモアイ像群が示す築造物の圧倒的量数、重量、大きさは音紋励起技術を擁する科学段階により他の異星人を威圧し、追跡調査を抑止する効果を期待していました。
しかしゲァフシュハアフゥ星は時を経て、粗雑な星際間調査とその不始末隠蔽の策謀を見破られた異星人により多くの異星人に暴露され、非難に遭っていきました。

撹乱

二千四百四十六青字

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