青龍神界鏡

次はまた首相してみんかお前。
https://www.youtube.com/watch?v=CsI7GSs4d1s

速記掲示板 その七百六十三

2022年10月29日 17時59分23秒 | 投稿


“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”


顔が白く体毛が黄色、目が黒い普通の猿が大きめの檻の中の小さな木の枝で座っている。
注視していると、ガラス越しでは聞こえぬ咆哮を口の動きが唱える。
更に注視していると、枝から何とガラスへ飛び掛かり、四本の手足がカメレオンが如く、ガラスに引っ付く。
再び咆哮を上げる。
すると口の四角が、それぞれの方角へ、一本ずつの牙と共に開いていく。
プレデター系。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”


上下に揃う歯として、ヒトの前歯のみが綺麗に並んでいる。
咆哮を上げても、上下は閉じたまま。
「いやああああああああああああ、何この猿ーーーーーーーーーー。」
絶叫する女性達。
宇宙人と米軍の関係に、私達は一体どんな不作法を、今までの人生が及ぼしたと評価されたの。
私達は何をしたというの。
分からない。
顔が薄い黄色が混じる白い毛で覆われているモグラとハムスターの間のような生物が顔を掻きむしっている。
手の動きが、コオロギの羽音時が如く、超高速で見えない。
掻きむしりを注視していると、黒い目を、自ら傷付けていた。
呆れる女性達。
何と、頭蓋が露出してくる。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”


片目はもう無いが、出血は無い。
まだ、それは生きているらしく、在らぬ方向へ顔を向け、鼻をひくひくと動かす。
次に“8”の字に高速で走り回り出す。
時折動きを止め出す。
そして、仰向けに転がり、口から脳と似るものを吐き漏らす。
喉の奥に溜まっていた、露出系リンパ構造の千切れ後だった。
絶叫する女性達。
「いやああああああああああああああ。」
そいつはそのまま死んだ。
カラスと酷似するが、尾が灰色な鳥が檻の中の木の枝に止まっている。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”


何と、女性の歩みを、ひたすら注視してくるが、その首の動きが、極めて人間的で、実に滑らか。
カニが水槽の中の浅瀬に佇んでいる。
挟みが途中から二双分かれで、一つのハサミの中央からは独鈷状なるドリルが生えている。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”


無言で沈むカニは、恐らく無意識的に、ドリルのみを回す。
その速度、なまめかしさが、実に、生理的嫌悪感を人間女性に必ず、与えてくる。
たまらず、二名の女性は嘔吐する。
別の色である猿が、ガラスの檻の中の地面で背中を丸めて佇んでいる。
外の動きを察知したらしく、ガラスに寄って来る。
エサ置き場の籠へ一飛びで乗り、高さを得て外を注視している。
遠間から女性達を口を開閉して威圧しているが、何と鼻が激しく動いている。
接近を強いられ、注視してみると、鈍い赤茶色のみとの両目の下で、鼻が裂け、左右に大きく開いていた。
呼吸を求めてはおらず、奥には実は神経であった、白い小さなミミズ状が四本と少し生えている。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”


「助けてーーーーーー嫌よ嫌よ気持ち悪いわよ何よここーーーーーーー誰か出してここからーーーーーーーー。」
陸軍が敷設した、消毒剤混じりの水道水の蛇口を一行は見つけていたが、出口には出会えない。
人生にとって凶悪、と本能的に察知する未経験の悪臭が充満する、異形の水槽や檻だらけの迷路の中で全員が餓死していった。
最後の一人は、檻からの反応咆哮を無視してただ絶叫していた。
「助けて、助けて、誰か助けて、ここから出してお願い、誰か助けて。」
事態には一人として気付かずのままだった。
~two months later.
三十名以上から構成されし陸軍、final armament unitが定期調査へ派遣され、銃火器を抱えつつ、迷路を進む。


死体に出会った彼らは、事態を察する。
防護服で身を包む死体処理班が死体を搬出していき、検死に回す。
ここへの檻や水槽の搬入作業を担当したのは防護服をまとう陸軍だった。
異形と悪臭にただ、畏怖しつつ。
エサは与えてはならず。
餓死に任せるべし。
これがこの異形生物にとっての立ち位置だった。
以上の処遇に追いやられし属性は、カナダ、アメリカ出身の二十代前半の男女のみだった。
ここ、生物兵器保管区画の淵源は、一因子のみを挙げる事は出来ない。
既に、雑多成分なる、震源からは遠い波。

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