ドイツ人女性ハンナ(仮名)四十二才の最後
約五十年前、西ドイツの中堅都市に住む主婦のハンナは誘拐されました。
買い物から車で帰宅する途中、前方で道路を塞ぐ様に停車していた車に歩いて近づいたところその車に押し込められたのです。
彼女は船に乗せられ、貨物室の貨物の中に閉じ込められました。
アメリカの港に着いた彼女を出迎えた人さらい業者は英語で彼女の下半身の汚辱を遠慮無く嘲笑して身柄を引き継ぎます。
幾重にも渡る車両の乗り継ぎを経て、軍用トラックに乗せられた彼女は多国籍の大勢の男女に囲まれました。
国籍はそれぞれ、カナダ、アメリカ、中国、ブラジル、メキシコ、キューバ、インドネシア、スペイン、イギリス、フランス、ロシア等です。
中には強姦をされ、心理障害を起こしている少年、少女も居ます。
用を足せる状況になかった船の貨物室の境遇からハンナは周囲からの羞恥に晒されました。
彼女は偶然居合わせたドイツ人男性と一言二言会話を交わし、膝を抱えて隅で石のように固まります。
特異な境遇で得た同胞との語らいすら彼女には不可能だったからです。
ハンナは咽び泣きます。
夫と息子を戦争で失ったハンナは両親と三人暮らしです。
(家族に会いたい。
国に帰りたい。
怖い、怖い、何なのこれは。
映画の撮影のためにどうして大勢の人々を誘拐出来るの。
一体どんな権力なの。
世界一極支配に対抗するにはこれしか無いだなんて、また戦争があるというの。
もう戦争は嫌よ。
でも、私達の国は欧州で大惨事を起こしたわ。
だから・・・だから・・・私は西ドイツ国民として流すべき血があるのかもしれない。
夫と息子は愚かな国策のために命を失ってしまったわ。
私はだから・・・夫の為した行為の総量を中和する為の意志の総量が求められているのだわ。
そしてそれは私の意思の外部からの力が必要なのよ。
きっとここの人達は皆、自分の意思の外部の力の働きにより、自分の意思ではどうにも出来ない力に対抗すべく集まったのだわ。
集められた、という受動的表現ではなく、自らが内在的意思の発露から集まったのだという方向にアウフヘーベン(止揚)がきっと後に与えられるのだわ。
ああ、夫と息子をまた思い出してしまった。
このアウフヘーベンはどうすれば・・・うっうっ・・・)
戦争以来、感情への耽溺を理知的に禁じてきたハンナの頬に大粒の涙がこぼれ落ちます。
理知を装う情動とは、理知よりも危険で潜行しやすいと認識していたハンナは感情の規律を怠りませんでした。
しかし、自身が陥った異常状況の理知的解釈の過程で、失った家族に記憶が触れてしまい、理知を装う事の出来ない情動が溢れ出てきたのです。
そして戦後以来、情動への深い耽溺を禁じてきた彼女にその情動の理知的な止揚は極めて困難だったのでした。
ハンナ達一行はアメリカ国内の地下基地に入構します。
接するアメリカ兵や医師による扱いからどうしてもナチスの非人道的待遇を連想してしまった彼女は、自国の地位を世界最底辺に貶めたと理知的に信じる対象を見つけてしまい、抗議の声を立派に上げました。
「一体あなた達は何なの。
人の心はあるの。
理知的な機能組織に属しているのなら、人間の感情に尊厳を払うという自然な振る舞いにも理知が及ぶはずよ。
あなた達は戦勝国の軍人でしょう。
それではまるで枢軸国側の軍人の振る舞いよ。
人間の尊厳を尊ばない国は人間の感情的要素を解釈する事が出来ず、硬直的になって滅ぶのよ。
その際に残っているのは他国からの軍事攻撃のみなのよ。
そのように社会学的に分析出来るのよ。
あなた達は軍隊に属していながらどうしてナチスの過ちを学んでいないの。
理知とは何か・・・」
「黙れ。」
外国語のドイツ語であっても厳格な文法と語法、音韻を駆使すれば、高度知性を有する軍隊組織は何らかの理知的手段での接近を余儀無くされるであろうと踏むしかなかったのは、ハンナの理性からではなく、実は感情の発露故でした。
周囲の人々の恐怖の表情を、ナチスのゲシュタポに怯える東欧の人々、ユダヤ人になぞらえてしまったのです。
勇気のある彼女の感情の発露に対するアウフヘーベンの方法とは現代の地上でも変わらぬ傲慢なアメリカ人の暴力でした。
素拳でハンナを殴りつけたアメリカ兵は英語でこう罵倒します。
「やかましい負け犬ドイツのあばずれめ。
訳分からんファシスト野郎の言語をほざくな。
お前らはヒトラーの礼賛が情動的に止められなくなっていたんだろうが。
それをアメリカに力で許してもらえなくなったんだろう。
感謝しろ。
今はナチ公に教えてもらった規律正しさをアメリカに許してもらって大人しくしておけ。」
膝まずく彼女の肩を軍靴が強く蹴り押します。
(何て野蛮な連中なの。
でも・・・これが・・・この非道さが・・・ナチスが欧州の大勢の人々に強いた苦しみなのね・・・私の夫が・・・ああ、理知的に服従してしまった、実は理知を装った情動的組織なのね・・・私は・・・ああ、感情を許して夫と息子を思い出してしまった・・・だからそのアウフヘーベンのために・・・このような情動的加虐を受けるのね・・・)
彼女はただ耐え凌ぎます。
しかし如何に理知的に耐え忍んでもハンナは理知的に知る事は出来ない事があります。
彼女は何と生きたまま高速回転の円形のこぎりで肉体を裁断されていく運命にあるという事です。
彼女が地下基地で課されたのは各種心理実験でした。
一人、もしくは集団の中で裸で過ごしながら、ある意味の言葉や指示を英語で言われ、どのような心理負荷が発生し、どのようにそれが緩和されていくかが調べられました。
つまり心理抵抗を低めて奇怪な指示に従えるようになるには、どのような条件を付与されれば良いのかが調べられたのです。
極めて非人道的な心理実験でした。
暴言を吐かれながらいつまで物を持ち運び出来るか。
恥情報を晒されながらいつまで笑顔でいられるか。
家族の愚かさを晒されながらいつまで単純労働を継続出来るか。
暴力の恐怖を与えられながらいつまで幼児を救おうと振る舞えるのか。
知性的に自分が優っている暴君の支配者の演説に対し横槍を入れられるのはどのような衣服を着られるようになってからか。
どのような国益の為なら異性と寝られるか。
同胞へのどのような困難が予測出来たなら破廉恥な性的接待に及べるのか。
周囲が何人以上の異人種に囲まれれば、同人種との同調に走るのか。
どのような利益のためなら人々の前で堂々と放屁を出来るのか。
大勢の同胞を救えるとするなら同年代の前で何時間手淫していられるのか。
第二次大戦を止められるとするなら、どれだけの量のアメリカ人の大便を口に出来るのか。
第三世界の福祉を向上させられるとするなら、何分間アメリカ黒人の肛門を舐められるのか。
ハンナの精神は崩壊しました。
この心理実験は、ある意図を持った異星人が教唆したものでした。
しかし実験の細目の提案、実行の意思の発信源はアメリカで、利益の還元先もアメリカでした。
ハンナの精神が異常を来たしたのには別の理由があります。
ハンナは生理中も含めてほぼ毎日アメリカ人に強姦されていたのです。
妊娠したハンナはお腹を膨らませながら、時に全裸で心理実験に臨んでいたのでした。
強姦を教唆したのも異星人でしたが、意思の発信源はアメリカでした。
アメリカにとってのこの心理実験とは、いずれ処断されると認識している人間を死ぬまで搾取しての非情な利益の搾り取りなのです。
被験者が妊娠し、調査結果の精度が落ちても構わない意向でした。
胎児はまま処断です。
被験者の拘留期間は十ヶ月を過ぎない事をアメリカ軍は分かっていたのです。
アメリカ軍が欲しかったのは非道な心理実験でしか得られない貴重な人間行動学資料の蓄積でした。
使用目的は社会扇動、政党利益の確保、社会弱者の切り捨て、資本家層の支配力の拡充、共産圏への潜行的攻撃政策などのためです。
ところで契約相手の異星人からは契約について、こう諭されていました。
“人間とは必ず形成する集団生活への参画を経て、必要に迫られ倫理の鋭敏化が発生してしまう。
私達はそれを鈍麻させると同時に、倫理観の下降を起こす人間行動学的情報を知りたいのだ。
私達は非情な実験を通じ、その二つが絶対に別個である事を学んだ。
ところで宇宙には、異星人から非道な契約を提案され、喜々と応じる愚か者が多いのだ。
私達はそんな連中の存在数をどうにか最大効率で低減させていきたいのだ。
そのための心理実験だ。
しかし、そんな連中は宇宙から実際には完全には居なくならないであろう。
現実的には不可能であり、また宇宙の健全な倫理観の免疫のためもあり、必要ですらある。
であるからして、欲望の為に倫理観を欠如させてしまう連中について、最低限度の存在数を意図的、統計的に許容し続けるための手法の開発を求めているのだ。
この心理実験を通じ、人間集団の倫理観鋭敏化係数の上昇鈍麻傾向の維持且つ、倫理観愚劣化曲線の係数最大条件をどうにか知りたいのだ。
倫理観鋭敏化係数の上昇鈍麻傾向の維持とは君達の部下のアメリカ兵による被験者への非道な心理実験を意味する。
倫理観愚劣化曲線の係数最大条件とは、同じく部下のアメリカ兵自ら発した意思による被験者への陵辱行為を意味する。
非道な実験とは集団心理実験の形式で、何らかの倫理観の鈍麻に関するものなら、その心理実験によって発生した調査利益は君達が収集しても構わない。
私達は不要だ。
自ら発した意思による凌辱行為は君達のアメリカ軍上層部が提案してきた通り、以下の性的暴行とする。
即ち、女性被験者に対してはアメリカ兵による強姦、男性被験者に対しては他の男性被験者を強要しての同性愛行為である。
私達にとって契約の利益の収集対象とは、心理実験を行うアメリカ兵の方なのである。
君達の部下のアメリカ兵が心理実験の監督を通じ、他人の倫理観を鈍麻させておきながら一方、自身の倫理観の愚劣化にどのように無抵抗となっていくのかを調べたいのだ。
人間の倫理観というものは、集団内では基本的に鋭敏化していくものなのだ。
しかし、君達の部下には倫理観を鈍麻させていって欲しい。
二者の倫理観を鈍麻させて欲しいのだ。
他者の倫理観、そして自身の倫理観をだ。
集団で自然に起きてしまう他者の倫理観の鋭敏化に対し抵抗し、自身の倫理観に対しては愚劣化させて欲しいのだ。
アメリカ兵が監督者である心理実験の被験者達は非道い目に遭っていく。
アメリカ兵は非道い事をしていく。
その様子を見ていきたい。
そもそも倫理観という道徳的価値観は、人間生来のものだ。
集団生活の形成にとって必要不可欠なものであるからだ。
その鋭敏化が必ず起きる集団においてそれを平衛させていくには、まず倫理観鋭敏化の条件を見抜く必要がある。
そしてそれに対抗するためには集団主義の反対の個人主義項目を見抜けば良いのである。
例えば清潔な集団生活が起きている中で、個人主義であるだらしの無い身なりを許容する判断状況を付与するのである。
集団内に異端が現れると、集団全体の倫理観の向上が阻害されてしまうのである。
心理実験の監督者のアメリカ兵はこの現象を被験者の集団に起こす一方、自身の倫理観は愚劣化に走らせるのである。
アメリカ兵当人には一体何が起きるのか。
人格の破滅的な暴虐化である。
倫理観という人間集団の根本的価値観の成長を支配しているという指導者気取りの特権意識を持つ者が、自身の倫理観の愚劣化を図ると、等比級数的な係数でその悪化が起きるのだ。
ところでアメリカ兵が、以上の実験に於いて以下の状態に至ったならば、本人の明示的同意を得て連行してきたとされる被験者の肉体の裁断を実行する。
裁断の実行条件は一体何なのかと言うと、アメリカ兵達が被連行者達への心理実験や性的暴行行為を行う際の心理的忌避感を表出しなくなり一定期間が経過する事である。
そう至ったのならば、アメリカ兵達の倫理観が自律的な回復を見せ、人間生活を可能たらしめる集団への没入が再可能となる事は以降絶対に無いのである。
その時は、アメリカ兵による心理実験と性的暴行は延々と続くがままとなるのだ。
アメリカ兵は心理実験と称し、延々と被連行者を強姦し続けるのである。
私達としてはこれでは心理実験の結果得られる情報の動態性が失われてしまうのである。
情報の価値が固着してしまい、目的の観点からも価値を見いだせなくなるのである。
だから、アメリカ兵、被験者の双方は部屋をどいて場所を開けて欲しい。
次の集団から抽出可能な情報が欲しいのだ。
しかし、権力構造からして私達異星人側が実験参画者達に対し場所を空けろ、とは命令出来ないのだ。
故に因縁を綾しつけて双方を殺害処理せねばならない。
被連行者に対しては憐れな言い方だが、実は結果的に温情的な処分となるのだ。
いつまでも延々と続く凌辱より緩慢な全身麻酔下での処刑が望ましいと思われるからである。
因みに、アメリカ軍上層部以外の実験参加者は、倫理観の愚劣化という実験失敗に至ってしまえば私達にとっては何と泥棒だ。
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