京都以外にねおと酷似のねおは在ったのか。
いや、今回、最近の地球文明には存在していない。南米、中東、欧州どこも。
理由は福沢が居なかったから。異常才覚者。
国債の発行費用に充当すべく、であった多額の賠償金はな、着想自体からして儂と霊元双方の間で霧散を見た。
無くなった。要求があるならば、双方にとって本当に非意図的に永遠に焼灼出来ぬとなる学徒にとっての血の通学路の招来が不可避と確認し合ったから、じゃった。
日本側は多々詳細なる、服従事、上納事、承服事、禁欲事を述べてきた。全て決裁はならん色合いじゃった。無視じゃ。
決裁はしてやらん代わりとして、鞘の内の血糊を拭う者に笑みは無いか、を永遠に厳しく調べ続けろ、という儂の要求を霊元ではなく御苑全体が無条件で飲む事になった。
霊元からは終戦近くに血でしたためられた謝罪文が届いた。こちらで数えるに、混ぜ込められた四十一名分と恐らくは伊勢神宮の神馬(しんめ)それも白の、となると意味は重くなると見た。
儂は高く評価した。
そして、霧散に繋がった。
清には元代から知る地形上不可避の地域格差があった。物流の遅さによる知的資源の上限、が現象の中央じゃ。
これを明瞭に描画した障壁指数なる山岳地帯を意味する等高線があったが閲覧権能者は儂を含め七名。公開すれば不満で国が割れる。知らんでいい。
偶然繁茂の頂点知性者が如何に踏破を試みても、絶対に割れない峰があった。
国債発行による地下不平、社会圧搾の未共有由来の音響をこの峰に圧縮する事は既に可能じゃった。指示を下せば、必ずそこへの概念の結集、及びそこへの無視が起きる。
ベトナム東端からネパール西端にかけての国境を意識しつつ、往来型の行商人を営むそこらの現代の人間は、中国政府非関知なる不良債権による悪貨に実は喘いでいるのじゃが、以降の言葉は無い。知らん。すまんも無い。
当該地域の人間は天徽購入に向けての意思へ賛同したのか、天徽による京打倒の恩恵を受けたのか、いや京の勝利による脅威に晒されるべくの地域であったのか。
いや、以上に対し全く関係は無い。
儂はそう言う。後は近衛に聞け。
霊元の次の東山はな、御苑に直接着陸してきた宇宙船二隻に乗って来た異星人にボコされおったんぞ。
ぎゃははな事実じゃ。儂は寿命近くで知って酒飲んでにやつきおった。いい肴(さかな)じゃ。
ねおを利用しての、近衛と類似の策謀の発端(ほったん)への動きを異空間技術、盗聴で探知されたから、じゃ。
掲示板に通報されとった。約束事ではないが、共同行為への意思が不齟齬、を確認し合い、計四人種が夜の三時に東山を無理矢理起こしおった。
月からの三人種は女優の北側氏形象まま当人、と角のある黄土色、六角形の顔のいかついがたいの人種と大きな四角の目が深く窪んでいる、角のある青色の肌の人種とグレイ。
東山の頭に声が聞こえる。お前またあの宿の力を使って汚い戦を計画すべくの婦女子向けの恋文講座を夜に妄想しているでしょう。分かっているのよ。
え、いや、あの。
聞けコラ。
布団に座す東山の横顔を蹴り飛ばすグレイ。意味は重症なる知性への瞬間との瞬間的合意。地球。
足で頭を撫で踏む全然異人種。またお前嘘言ったな、私達の宿への記帳を、利用して槍の力を強くするなと、槍の力で命令する前に、お前の知性が恋文以下の下駄箱の中の悪臭だという事を、辛うじてでも学習させてやる機会を与えてやると、言っているのだがそれは槍の力故なのでこうも夜間に紳士的なんだよ。
あ、あの、はい。苦笑いのアホ。どうしよう、かなりまずい。突然来訪への興奮を、自己の至らなさへの奇怪な自己嘲笑を混ぜて拡大して今はどうにかこの場を乗り切ろう。北京(ほっきょう)との戦に負けて京中が貧しさに喘いでいるんだ。大勢を率いねばならない、という自己叱咤でこの恐怖を、まずは来訪による興奮で誤魔化し、いずれ必ず手中に収まる、ねお由来の爆騰銘柄がある・・・逃がさんぞコラ、利用せん手は無いぞコラ、いつまでも北京におもねって不味い貧乏飯を喰う日々など、昔の御苑の日々の記録を見ると・・・。
この手の来訪を御苑は十数回お受けなさっとった。
多種多様な角度からの、監視はねおを知る数多くの異星人、表現は全て、が要る、に喰らっとった。
お前らが泥棒しとる辞書使っていいから、全然異言語の手紙を必ずお前が読めや天皇。新嘗祭(にいなめさい)の小型儀式に、何と全然異人種が混ざっとるが参加者は理由すら聞けん、分からん。恐怖のままの進行。子供グレイが御座に正座しつつ太鼓ば叩きおる。ずこー。
祇園祭の御輿の中がな、白粉(おしろい)を塗った京都の稚児(ちご)ではなくはちまきば締めた子供グレイ。ずこー。やたら甲高(かんだか)い声ではいよーーーだって。蓋を開けたら何あんた、と顔が真っ青の宮内庁職員。何ですかあれ、とは誰にも聞けん。皆恐怖で無視。天皇の不手際に関わる。追求は死。それも知れ渡っている死後の劣化を伴いつつの。
葵祭(あおいまつり)へ列席する馬部隊の見送り時に風雅な声で歌ば歌わねばならんのだが視界の端を常に選び続ける目に眩しい金髪が五人居ってからガン付けおる。服装からして全然違う文明、それと星。胸元と口元には、口伝で伝わる、音や光、他人の態度を後で鏡でそっくりに再生しながら、女子が自身の心内の醜さを見ない様にしつつも、他人の幼さを笑わずのまま、世を歩く術を身に付けてしまった困難で業の深い生業の者の証、自己罰なる炭の固め物が見える。月の民、甕(みか、火星)の民、龜(かめ、金星)の民の女子と幼子が隠し持って京を歩くと聞く。これを儀式中に隠さない。他の星での新たな門出、人生の日々を捨てる詔を仰いだ筈だ。つまり古い力、かつての星の力をそのままに使う意思だ。それは幼さをあまりに隠さなかった私達への罰の役に用いられる。・・・長いので略。
あの人達は以上の推論を、読みつつの動きを示している。推論を読む、つまり事前の憶測根拠が不可欠だ。儀式中、ここまでの並走とは、私達内心奥深くへ刺さっている怒りが根拠を生やした畑の土に要る。
先代の天皇の代が深く関わってくる。
(その通りで、正解と告げておくわ。儀式中に呆けた態度を許しての推論に耽る指数は以下・・・のお馬鹿。脳波波形からして、清より西遥かの饒穣(じょうじょう)大地発多弁商人兼証文知性脳内鍵盤状態人(ユダヤ人)の子孫ね。)
“・・・・・・・・・・・・・・・。”
(あなたは次に私達のこれを欲しがる筈よ。それは・・・・・・。)
“・・・・・・。”
東山が、寝台の天幕ば開く、となるとこいつの最後の良識も股を開く時。
そしたら犬やら猫の写真図鑑が寝とる。こいつはどれだけ笑顔でこれを耽読するかの脳内波形を、異空間技術を用いて調べおったのは金星人じゃった。これを踏まえてこいつが絶対に落ちる罠に引っ掛けていった。こいつが好んだのは美人女子が必ず当惑の前に無言で茫然となる時間帯、で例えば身なり清潔欲求と立身出世資源維持力とこれらと類似表現が次に並んだ際に、見せる困り、どれらとの間で迷えば良いのか分からずの肌に空く穴、じゃった。
あまりの非人間本性、と出たそうじゃ。背後は宇宙。中東降臨の無の者の血。
笑えるネタは挙げれば切りが無い。ずこー、が足りんとぞ。
国債は、十割を即買わせた。償還費は自動的に燃える、を指示しておいたがその割合は結果的に七割にまで至った。
人間の経済活動、行間文化、政治家の面子の鍔迫り合いが必ず予定する発汗現象がある。湯気の中で一線を越え、他者への君臨欲、阿片成分の純粋性、無罪性にまで至った者が“許されない詩編”を破り捨てる。
詩編、が許されない、とは自己、社会、他者何者かによる認定であり、破り捨てる、とは認定行為の即座性を意味する。詩編とは国が発行していた、と思われた、と思われた、と情動した、状態の何らかの衒学的刊行物。
国が闘争を煽る。そうすると、情動が燃え、鍔迫り合いが認定、即座性を突き抜ける。発行する詩編、とは単に官吏が発する言葉、いや態度でも構わん。出本は、実在する本物の国債現物を政治家が国庫で検分しつつの、行間態度の介在せずのままの、配下の官吏への直接指示。権能を有しておった政治家五名は全て儂の配下也。国債を買わせた相手は、清の情けなさ、未来。民が真っ当に生きていけるかどうかは分からぬを示す、株の主要銘柄の価格を陶器の盤の目盛の針が揺れ続ける経済部局。
残りの三割が、峰の堆肥となった。使えん、牛糞じゃ。
国債の破り方はな顔は乾隆帝の清精髄の官吏部隊が二十年かけて開発しとった。明の異星人契約を口伝すら経んままの目線文化で畏怖に至り、清の未来を案じ、袖の幅の広げが急務と見たからじゃった。皇帝の指示は無い。自ら導いた不可避の急務。
峰への埋没については、不可欠だったのが火星人知見。欧州での火星人の振る舞い、宿の帳簿、行動観察をしたためた記録。
三十年、が燃えが下火になるまでにかかった時間じゃった。いつぞやに七割に至り、指示通り、三割は峰に収まった。状況への綿布となるべくの日本からの何らかの上納は無かったのか。公家の動向の情報は多々あったが、焼け鎮めには使えん。日本は清の状況を知っとったのか。知らん振りをしとった。清の面子を慮(おもんぱか)っての複合言語。京は基本的には喪に服しとった。
活気立った、と殺気立ったの間を推移しとった、が今なら分かる清の全体的変化。儂も闘技場での賭博ば開催してからよう燃やしおった。犯罪人対決、たまに虎が混じる。おもしれーの何の、虎が全勝。客は虎一択じゃった。爪でひっかじったら骨が見えてから血がぶしゃーじゃ。ずこー。
賭け金の倍率は虎が一・〇一で拳法の使い手で連続強姦疑惑を晴らしたい張は試合前に山盛りの阿片ば鼻で吸う。良し張、貴様逝く前に無罪への哀願、生への執着で性の罪を燃やす、前に国債もそうしろ。あ、そうしたか。張、お前の倍率は百じゃ。しかし、お前には誰も賭けん。
何でか。
客は虎の戦績を知っているが、張は知らん。虎は千戦全勝。
虎は勝った後、薬を打たれ興奮し、瀕死や死亡済みの相手の脳をほぼ必ず喰い出す。
この御食事風景を感得したならば、お前らの愚かさ、爪の短かさ由来の痒みは必ず超克に向けての運命を選び出す、そう儂は大声で煽った。何者やこいつ。ヤクザと官吏の間だろうな。どっちでもいい。知らん。
虎に賭ける金は、情けない賭けで得た小銭じゃ。客はそう選び出したんじゃ。
喰われる脳とはそして、過去の情けない判断、忸怩を宿せし自己の脳の投影。
客は気合いを入れて虎に賭けるんじゃ。
たまに、義理で無罪の出場者が居る。拳法の達人が居った。佇まいですぐに分かった。これは本物ぞ。八極拳の古い流れを身に付けとった暗殺稼業の四十代の身なりの良い男が、雪男の前に立つ。こいつはヒマラヤ山脈から沸いてきたアホで、農作物荒らしを止めんかった。言葉は微妙に分かりおった。山の向こうは月。戦闘法は相手に近づいて大声で脅しつけつつ相手の両肩を掴んで激しく揺らす。殴打、噛みつきはせん。
試合開始。
すたすたと身長百四十九センチが小歩きで身長三メートルの紫顔、白い体毛に近づき、さりげない速度で右の手のひらで胸元を押す。
バン、と破裂音がこだますや否や、首の裏が爆発しおった。漆黒の血が細く吹き出しつつ斜め後ろに直立で硬直したまま倒れる雪男。
達人は何気ない足取りで試合場を後にした。男は雪男は慣れとった。同類の稼業で顔を出し、発勁(はっけい)を喰らわしおった。
発勁の根源は心臓の鼓動。掌握法は震脚の振動。達人は根源はしかし、足取りと意識していた。軽やかな足取りでも既に、発勁を打てる、と。体内に充満している心臓の鼓動の音波概念を、厳しい鐘の音にして一瞬で放つ。合気とは異なる概念操作。開発者はスウァンスイ星人の科学。他の星へは槍を持って渡れ。異星人はまずならず者を放逐し共同体をめぽせんきででじゅづこせにぶえこりゅ・・・。以下判読不能、だが武具を急ぎで与えた模様。