1997年~2007年に書かれた人気時代作家・宇江佐真理のエッセイ本だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/3a/9319fe34d6af5f7ccecfaa5654348080.jpg)
このエッセイに<新川慕情>という記述があり、函館市街を流れる川・新川(現亀田川というらしい)
にある千歳橋のことが記されていた。
宇江佐さんはこの新川付近に生れ育ち、現在もそこに在住し小説を書いている。
実は私もそこに生れ高校卒業まで住んでいたので、とっても懐かしく読ませていただきました。
作家の日々の生活、函館のこと、読書のこと、6度直木賞候補になるも落選、などが多彩に網羅。
私も読むまで知らなかったのであるが、治水工事の立案者は青森から来た堀川乗経という僧で、
私の生れた堀川町はこの名にちなむというではないですか。
まぁ、私ごとはどうでもよいのではあるが、数多くの宇江佐作品(江戸の掘割の描写など)における
登場人物の視線は、この千歳橋から新川を見つめる視点にほかならないという。
行って戻って、また行って。 恐らく死ぬまでこの川を渡り続けるだろう、、、と記す。
夫は元大工。次男はお笑い芸人修業の身とか、築100年もの古い民家に住み、台所の片隅で
小説を書き、函館一本やりの作家人生を貫く姿勢は、なかなかどうして。
不思議と、若かりし時(今も若いが?)は歴史が好きになれなかったようだ。
為政者ばかりの話に終始していたため、信長も秀吉も家康なども興味を持てない人物であったという。
これには私も共感する。 時代小説を書く人は こうでなくっちゃ!
宇江佐作品はその殆どが無名の主人公だ。普通の人々の普通の暮らしを通して仄みえる江戸のイメージを
掬い取って書くだけ、との思いにも。
函館の自宅にたびたび編集者の来訪もあるという。
『書斎はどこですか と真顔で訊く馬鹿ものがいる。
あるか そんなもの! 冷蔵庫の横にある机を顎(あご)でしゃくる』
作家というときっと立派な書斎で書いていると思ったのでしょう。その生活ぶりもまた 見事である。
また、若い担当編集者から≪切ないお話≫をと所望されることがあったという。
『 馬鹿いってんじゃねぇ。 切ないことはごまんとあって、今更何が悲しくて書かにゃならない・・』
読者からの反応で、人生の指針を求めているのだなぁ、と思いなおし、母親の心でその娘たちの
恋愛を静観する姿勢を取ろうと考えたともいう。
『 なに? また、うたかたの作品かって? あぁそうともさ 』
時代ものを長く書き続けると、江戸っ子気質が身につくようだ。女性のベらんめぇ口調も実に気持ちよい!
でもなぁ 函館弁を 忘れちゃいけねぇぜ!(あれっ??)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/3a/9319fe34d6af5f7ccecfaa5654348080.jpg)
このエッセイに<新川慕情>という記述があり、函館市街を流れる川・新川(現亀田川というらしい)
にある千歳橋のことが記されていた。
宇江佐さんはこの新川付近に生れ育ち、現在もそこに在住し小説を書いている。
実は私もそこに生れ高校卒業まで住んでいたので、とっても懐かしく読ませていただきました。
作家の日々の生活、函館のこと、読書のこと、6度直木賞候補になるも落選、などが多彩に網羅。
私も読むまで知らなかったのであるが、治水工事の立案者は青森から来た堀川乗経という僧で、
私の生れた堀川町はこの名にちなむというではないですか。
まぁ、私ごとはどうでもよいのではあるが、数多くの宇江佐作品(江戸の掘割の描写など)における
登場人物の視線は、この千歳橋から新川を見つめる視点にほかならないという。
行って戻って、また行って。 恐らく死ぬまでこの川を渡り続けるだろう、、、と記す。
夫は元大工。次男はお笑い芸人修業の身とか、築100年もの古い民家に住み、台所の片隅で
小説を書き、函館一本やりの作家人生を貫く姿勢は、なかなかどうして。
不思議と、若かりし時(今も若いが?)は歴史が好きになれなかったようだ。
為政者ばかりの話に終始していたため、信長も秀吉も家康なども興味を持てない人物であったという。
これには私も共感する。 時代小説を書く人は こうでなくっちゃ!
宇江佐作品はその殆どが無名の主人公だ。普通の人々の普通の暮らしを通して仄みえる江戸のイメージを
掬い取って書くだけ、との思いにも。
函館の自宅にたびたび編集者の来訪もあるという。
『書斎はどこですか と真顔で訊く馬鹿ものがいる。
あるか そんなもの! 冷蔵庫の横にある机を顎(あご)でしゃくる』
作家というときっと立派な書斎で書いていると思ったのでしょう。その生活ぶりもまた 見事である。
また、若い担当編集者から≪切ないお話≫をと所望されることがあったという。
『 馬鹿いってんじゃねぇ。 切ないことはごまんとあって、今更何が悲しくて書かにゃならない・・』
読者からの反応で、人生の指針を求めているのだなぁ、と思いなおし、母親の心でその娘たちの
恋愛を静観する姿勢を取ろうと考えたともいう。
『 なに? また、うたかたの作品かって? あぁそうともさ 』
時代ものを長く書き続けると、江戸っ子気質が身につくようだ。女性のベらんめぇ口調も実に気持ちよい!
でもなぁ 函館弁を 忘れちゃいけねぇぜ!(あれっ??)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます