スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

アメージング・グレース

2014年07月01日 | 雑感
ジョン・ニュートン著 『 アメージング・グレース物語 』という本を読んでみた。
                 副タイトル ー「ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝」ー


テレビドラマ「白い巨塔」や亡くなった歌手・本多美奈子で知られた名曲・「アメージンググレース」。

       

このゴスペルソングの詩を書いたが著書のジョン・ニュートン(1725-1807)という人物だ。

奴隷商人(船長)として悪辣の限りを尽くし、その後宗教に目覚め牧師になり奴隷貿易の廃止運動に関わる。

人間の魂の救済が書かれたこの詩は、彼の波乱に満ちた人生に自らの人生を重ね合わせたアメリカの黒人や
移民者の心に響き、癒しを求める万人の心の歌になったという。

ヘイリー・アメージンググレース 
本多美奈子・アメージンググレース

アメージング・グレースは六つの章節からなり、一部の章節は歌詞が変更されているのも多いようです。

下記はオリジナルの歌詞試訳です。

  アメージング・グレース(何と甘美なる響き)
   道ならぬ私を救ってくださった。
    かつて迷えし者が、今見出され
     闇を出でて、光の中にいる。

   神の恵みが私の心に畏れることを教えてくださり
    くだんの恐怖も消えた!
     恵みがどれほどありがたく思えたことか
      初めて祈ったとき。

   七難八苦、数多の誘惑を乗り越え
    ようやくたどり着いた。
     ここまで無事にこれたのも、神の恵み
      だから故郷にも連れて行ってくださるだろう。

   主は私に良きことを約束してくださった
    主の約束は希望の支え
     主は私の盾と分になってくれるだろう
      命が続く限りは。

   そう、この身と心が尽き果て
    この世の生が終わるとき
     私は、かぶり布の中に
      喜びと平和の生をもつだろう。

   地球は間もなく雪のようにとけ
    太陽は輝くことをやめるだろう
     だが、かくも卑しき私に声をかけてくださった神は
      永久に私のものになるだろう。



奴隷制度について語るなど私には到底できませんが、著者はこの告白本ともいえる中でこう語っている。

この奴隷貿易が、それに従事する人たちへの心に及ぼす影響について、、、。

これほどまでに道徳心を鈍麻させ、人の心から優しい人間的特質の一切合財を消し去り、
細やかな人情の機微にことごとく逆らって、人間の心をまるで鋼鉄のように硬化させてしまう
直接的傾向をもった方法を私は知りません。

                                        こう告白していた。

十万人を下らない奴隷たちが、毎年アフリカの全ての港から輸出され、そのうちの半分以上がイギリスの船舶で
輸送。当時イギリスでは奴隷貿易は違法ではなく、貴族階級にとって重要な資金源になっていたという。

奴隷貿易の主な供給源は原住民での争いであったといい、とても言葉では言い表せない奴隷への扱い、
流行熱に下痢など劣悪な環境により、運ばれる途中四分の一が死ぬというその死亡率にまで話は及ぶ。

そういえばあの「9.11」での犠牲者の追悼歌としても演奏されておりました。

アメリカでは≪第二の国歌≫といわれているそうです。




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