夏目さんの次は高倉さん というか あの健さんです。
健さんといえば、最近はいろんな人の名が出てくるのだそうです。 時代も変わるものですね。
高倉 健著『あなたに褒められたくて』『南極のペンギン』『旅の途中で』の三冊を久しぶりに再読してみました。
健さんの祖先は北条氏。一門自害したが、北条篤時は子と共に鎌倉の地を逃れ九州に辿り着いたという。
若かりし時はそうとうな不良だったようです。
ボクシングに夢中に。 スキューバダイビング歴20数年。 催眠術もできるそうですよ。
『あなたに褒められたくて』
海外での仕事も多い健さん、無頼派作家・壇一雄の晩年住んでいたポルトガルの漁師の街サンタクルス
<宛名のない絵葉書>の章から始まるのですが、旅先で会った人々との交流。
そして小林稔侍さんとの思い出。 他界した母への想い。
二十八章まであるのですが、どれも心打たれ暖かくなるエッセイでした。
<ウサギのお守り>という章の文章を抜粋してみます。
人が人を傷つけるとき、自分が一番大事に想う人を、いや、むしろとっても大切な人をこそ、
深く傷つけてきたような気がする。
この人はかけがえのない人なんだ、もうこんな人には二度とは会えないぞ と思うような人に限って
深く傷つけるんですねえ。 傷つけたことで自分も傷ついてしまう。
そしていつのころからか、本当にいい人、のめり込んでいきそうな人、本当に大事だと思う人からは、
できるだけ遠ざかって、キラキラしている思いだけを ずっと持っていたいと考えるようになってますね。
卑怯なんですかねえ。
文章もなかなかのもので、実はこの本、第十三回日本文芸大賞エッセイ賞受賞しているんです。
『南極のペンギン』 にこんな話がありました。<ふるさとのおかあさん>の章
母親想いの非常に強い人でもあり、丁度映画≪あうん≫の撮影中に母が他界。
葬儀に間に合わず一週間も遅れてふるさ とに帰り、線香をあげておがんでいるうちに、
母親の骨を見たくなり仏壇の骨壺をあけ見ていたら、むしょうに母と別れ たくなくなって、
骨をバリバリかじってしまったとの話も。
そばにいた妹たちに「おにいさん、やめてっ!」と悲鳴が、、、頭が変になったのかと思われたようです。
この本は絵本になっている。
『旅の途中で』 ではこんな告白も。<赤いガラス玉>の章
大学時代(明大)新宿に遊郭があり、雪の降る日そこへ行った時のこと。
ある事情でさんざん待たされ帰ろうとした時、そのお姉さんが
学生服を着た貧しい学生と思ったのでしょう。
「これ質屋さんに入れてなにか食べて帰りなさい」と言われ渡された赤いガラス玉。
言われた通りに質屋に入れ友達に景気良くおごったという。
身体を売らなければ生きていけない、世界中どんな法律を作っても、未だにこの哀しい生業。
「遊女の心意気」だったかもしれない。自分にとっては「ルビーの指輪」。
雪を見ると時々ふっと思い出されるという。
あの時のお姉さん、まだ元気だったら、どうかお幸せでいてください。
僕も一生懸命頑張ってます。
健さんももう80歳を過ぎた年齢に。 コーヒー色に染まってきた健さん いい色です。
(映画「あなたへ」打ち上げ時)
健さんといえば、最近はいろんな人の名が出てくるのだそうです。 時代も変わるものですね。
高倉 健著『あなたに褒められたくて』『南極のペンギン』『旅の途中で』の三冊を久しぶりに再読してみました。
健さんの祖先は北条氏。一門自害したが、北条篤時は子と共に鎌倉の地を逃れ九州に辿り着いたという。
若かりし時はそうとうな不良だったようです。
ボクシングに夢中に。 スキューバダイビング歴20数年。 催眠術もできるそうですよ。
『あなたに褒められたくて』
海外での仕事も多い健さん、無頼派作家・壇一雄の晩年住んでいたポルトガルの漁師の街サンタクルス
<宛名のない絵葉書>の章から始まるのですが、旅先で会った人々との交流。
そして小林稔侍さんとの思い出。 他界した母への想い。
二十八章まであるのですが、どれも心打たれ暖かくなるエッセイでした。
<ウサギのお守り>という章の文章を抜粋してみます。
人が人を傷つけるとき、自分が一番大事に想う人を、いや、むしろとっても大切な人をこそ、
深く傷つけてきたような気がする。
この人はかけがえのない人なんだ、もうこんな人には二度とは会えないぞ と思うような人に限って
深く傷つけるんですねえ。 傷つけたことで自分も傷ついてしまう。
そしていつのころからか、本当にいい人、のめり込んでいきそうな人、本当に大事だと思う人からは、
できるだけ遠ざかって、キラキラしている思いだけを ずっと持っていたいと考えるようになってますね。
卑怯なんですかねえ。
文章もなかなかのもので、実はこの本、第十三回日本文芸大賞エッセイ賞受賞しているんです。
『南極のペンギン』 にこんな話がありました。<ふるさとのおかあさん>の章
母親想いの非常に強い人でもあり、丁度映画≪あうん≫の撮影中に母が他界。
葬儀に間に合わず一週間も遅れてふるさ とに帰り、線香をあげておがんでいるうちに、
母親の骨を見たくなり仏壇の骨壺をあけ見ていたら、むしょうに母と別れ たくなくなって、
骨をバリバリかじってしまったとの話も。
そばにいた妹たちに「おにいさん、やめてっ!」と悲鳴が、、、頭が変になったのかと思われたようです。
この本は絵本になっている。
『旅の途中で』 ではこんな告白も。<赤いガラス玉>の章
大学時代(明大)新宿に遊郭があり、雪の降る日そこへ行った時のこと。
ある事情でさんざん待たされ帰ろうとした時、そのお姉さんが
学生服を着た貧しい学生と思ったのでしょう。
「これ質屋さんに入れてなにか食べて帰りなさい」と言われ渡された赤いガラス玉。
言われた通りに質屋に入れ友達に景気良くおごったという。
身体を売らなければ生きていけない、世界中どんな法律を作っても、未だにこの哀しい生業。
「遊女の心意気」だったかもしれない。自分にとっては「ルビーの指輪」。
雪を見ると時々ふっと思い出されるという。
あの時のお姉さん、まだ元気だったら、どうかお幸せでいてください。
僕も一生懸命頑張ってます。
健さんももう80歳を過ぎた年齢に。 コーヒー色に染まってきた健さん いい色です。
(映画「あなたへ」打ち上げ時)