スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

夏目さん

2014年04月18日 | 雑感
夏目房之介著 『孫が読む漱石』 を読んでみた。

文豪・夏目漱石が遺した名作10数作品の批評に挑んだ書である。
(房之介・夏目漱石の孫。1940年生、マンガ評論家・マンガ家・エッセイスト、著書「漱石の孫」で知られる)

   

夏目漱石の講演集 『私の個人主義』 にこんな言葉があるという。

  「元来 国と国とは 徳義心はそんなにありやしません。 
        詐欺をやる 誤魔化しをやる ペテンに掛ける。 滅茶苦茶なものであります。」
 


続けて孫・房之介氏はこう語る。

  惚れぼれするような啖呵である。 

  自分の正義をふりかざしてテロリスト国家を脅し、根拠薄弱なまま戦争に追い込む米国。
  一方で違う正義を唱えながら国家体制を守るたえに反米反西洋を自国民扇動に使う国家群。
  そして彼らの戦争に、当の国家住民にとっての義が無いと知りながら協力する国家群。

  それらの国々の情報制御をみれば、いずれも徳義心のない詐欺・ペテンのたぐいだと。
  俺たち個人の方が、よっぽどましじゃねえか、、と。


ん~なるほど。 欧米を初めとする大国も、そう日本も詐欺・ペテン師のたぐいか! 

見事に言い当てておりますね。 痛快です。 

実は『吾輩は猫である』『坊っちゃん』など数冊しか読んでおらず、漱石についての評論等も難解で手に負えないイメージが私の中にありました。でもこれを機に今一度<漱石>も面白いかな、そんな思いのする本でした。