無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

戦争への道7

2008年02月06日 | Weblog
昨日の続きです。

マスメディアの使命は、「国民にとって重要な問題に対し、国民に判断材料を提供すること」なのに、その国民にとって重要な岐路になる出来事に対し、国民に警告を発するどころか、沈黙し、政府筋の意向を宣伝し国民の感覚にスリコミをしている。今、一番まともなのは三流と言われようが「日刊ゲンダイ」くらいなもの? 過激発言で構成されているものの、政府・官僚のやっていることを“批判的”に書いている、即ち国民に判断材料を提供している記事は他のマスメディアに見出せない。(その記事の意見を採用するしないは別問題)

世の中の不正を見逃すマスメディアは、共犯者どころか主犯に近い。

マスメディア=政府公報機関、国民愚民化促進機関である。

(1)憲法を踏みにじり、裁判所をコケにしても罰せられない国

 「反戦な家づくり」http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-498.htmlのブログである。もう少し大人しく書いてあるブログもあるが、端的で分かりやすい本質をついたブログだったので載せることにした。

(引用開始)
プリンスホテルが、右翼と共謀して日教組の集会をつぶした今回の事態で、一番恐ろしいのは、プリンスホテルが裁判所の判決を無視しても「当然」のような顔をしていることだ。

裁判所が不当判決を出すことはあっても、まがいなりにも判決に従わない場合は制裁を受けるというのが、これまでの社会常識だったはずだ。
しかし、今回は違う。裁判所の判決を平然と無視して何事もなかったようにしていられる国とは、いったい何なのだ。

マスゴミも、当初の報道こそしたものの、これほどの社会的な犯罪を何一つ追及することなく黙っている

このことに危機感を抱くのは、もう一つ理由がある。…(中略)…つまり、憲法や、基本的人権や、自分自身の自由、ということよりも、目の前の「めんどくさい」と言うことの方が、なんの躊躇もなく優先されてしまう風潮が、ごく普通の生活の中にしみ通ってしまっている。

これは、実に恐ろしいことだ。
今回のプリンスホテルの暴挙は、実はこうしたことの巨大化した姿であるし、また、これが平然と許されることで日常の中でもフツーに自由を放棄することが加速されていくだろう。…引用終り

■無風注:右翼の街宣車という「暴力」に屈したことになり、この集会の自由等、国民の自由はどんどん無くなっていく。詳しくは「ヤメ蚊」さんのブログhttp://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/

(2)「平和のための戦争展」の後援要請を、国民投票法を理由に断った野田市の事件

(朝日新聞の記事引用)

千葉県野田市で市民団体が18、19日(2007年8月)に開催予定の『平和のための戦争展』をめぐり、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の『公務員による地位利用』にあたりかねないことを理由に、野田市が後援要請を断っていた。

(ヤメ蚊さんのブログ引用)
まず、事実経過は、次のとおりらしい。

「平和のための戦争展」は、野田・九条の会や同市被爆者の会などでつくる実行委員会が主催し、市中央公民館で今年初めて開く。広島・長崎の原爆写真や野田と戦争とのかかわりなどについて展示。
後援申請を受けた野田市は7月、後援しないことを決め、実行委に文書で通知した。
理由は

(1)9条改正反対を訴える内容が含まれ、政治的傾向が顕著

(2)発議可能となる3年後に国会で9条改正が発議されるのは必至で、どのような考えに基づく行事でも後援するのは公務員の地位利用につながる

というものだった。

では、野田市がいう公務員の地位利用に関する条文(日本国憲法の改正手続に関する法律)を確認してみよう。

【第百三条 国若しくは地方公共団体の公務員若しくは特定独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人をいう。第百十一条において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。第百十一条において同じ。)の役員若しくは職員又は公職選挙法第百三十六条の二第一項第二号に規定する公庫の役職員は、その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない】

これだけ読んでもよく分からない。そもそも、国民投票運動とは何なのか?

答えは101条にある。

【第百一条 投票管理者、開票管理者、国民投票分会長及び国民投票長は、在職中、その関係区域内において、憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為(以下「国民投票運動」という。)をすることができない】

つまり、国民投票運動とは、「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし、又はしないよう勧誘する行為」なのだ。

しかし、まだ、分からない。「憲法改正案」とは何のか?

この答えは、14条にある。

【第十四条 協議会は、次に掲げる事務を行う。
 一 国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成】

つまり、憲法改正案とは「国会の発議に係る日本国憲法の改正案」のことなのだ。

これですっきりした「国民投票運動」とは「国会の発議に係る日本国憲法の改正案に対し賛成又は反対の投票をし、又はしないよう勧誘する行為」というわけだ。

ということは、現時点では「国会の発議に係る日本国憲法の改正案」というものは存在していないのだから、国民投票運動をしようと思ってもしようがないわけだ。

野田市の回答について、主催者側は【「憲法改正案が発議されてもいないのに、地位利用を理由にするのはおかしい」と納得していない。】というが、もっともなことだ。

そもそも、この法案は、成立するに際して次のような附帯決議が可決されている。

【一、公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の規制については、意見表明の自由、学問の自由、教育の自由等を侵害することとならないよう特に慎重な運用を図るとともに、禁止される行為と許容される行為を明確化するなど、その基準と表現を検討すること。】

野田市の判断は、この附帯決議が心配したとおり意見表明の自由を侵害するものとなっている。

もちろん、野田市がある行事を後援するかどうかは野田市の判断だから、後援を強制することは出来ないが、少なくとも「日本国憲法の改正手続に関する法律」の公務員の地位利用規程と関連して後援を断ることは、表現の自由の侵害を助長することになる。

なぜ、野田市が公務員の地位利用なるものを理由に後援を断ったのか…。

条文をよく読まなかったのか、それともあえてこの条項を持ち出すことでほかの自治体や全国約400万公務員にプレッシャーをかけようという自民党の意向を反映したものなのか…。

いずれにせよ、法案成立前に批判されたとおり、公務員の地位利用に関する規定が表現の自由を侵害する事例が早くも出てきたのであり、憲法改正発議までに公務員の地位利用に関する規定は削除する必要があることが裏付けられたのではないだろうか。…引用終り

■無風注:確かに後援するしないは市の判断だが、「平和のための」展示会の後援を国の機関(公務員)が断る、といったところに、政府がどちらの方向に日本をもって行くつもりか?がはっきり見て取れる。(戦争か平和か)

(3)防衛庁の防衛省への昇格

マスメディアが沈黙し「国民に問題を提起し、警告を発し」国民に判断材料を与えることをしなかった問題の一つである。(本当にマスメディアの役割放棄の罪を揚げたら切りが無い)

前に私の日記に書いたことを、少しまとめておくと…。

1950年代後半、アイゼンハワー大統領は、ソ連の脅威を誇張し、ありもしない恐怖によって国民を洗脳する軍事産業・政治家・軍事専門家などの集合体を「軍産複合体」と呼び、アメリカにとって危険な存在であると警告した。
1960年退任を前にアイゼンハワー大統領はテレビ演説を行い、「アメリカの民主主義は新たな、巨大な、陰険な勢力によって脅威を受けている。
それは「軍事産業複合体」とも称すべき脅威である。」といい、アメリカには制御が困難な軍産複合体が生まれつつあると警告した。
その息子で元軍人のジョン・アイゼンハワーは「父は予算拡大を求めるペンタゴン(国防省)と戦い続けていた」と回想する。…以上前に書いたこと。

私がここで言いたいのは、防衛省に昇格させることは防衛予算を自分で要求できるようになることであり、マスメディアは当然上記アイゼンハワー大統領の息子が言った様なことは知っていたはずである。

確かに、省に昇格させることが『海外派兵』が独自判断で出来るようになり、『予算』を直接要求できるようになる、といった表面づらは報道していたが、省になったときの上記のような問題点を国民に警告することは皆無であった。

本来のマスメディアの姿であれば、「アメリカの二の舞になる」「文民統制が出来難くなる」と省昇格に批判的態度を堂々と取って政策批判報道をすべきだ。それが国民の立場に立った報道姿勢であり、それがマスメディアの役割だ。

(引用開始)
天木直人のブログhttp://www.amakiblog.com/archives/2008/02/05/より

…しかし、私が今日のブログで指摘する米国の異常さはこれではない。
これほどまでに赤字が膨らんでいる財政を抱えてなお、米国の2009年度(08.10-09.9)の国防予算案は過去最高の5154億ドル(前年度比7・5%増)の要求がなされているという事である。
しかも、ブッシュ大統領は、この国防予算とは別に、イラクやアフガニスタンにおける対テロ戦争経費として700億ドルの補正予算まで要求しているという。

史上最高の赤字財政の中で、史上最高の軍事予算を組み続ける、そんな手品のような事がどうしてできるのか。

それは世界から金をかき集めているからだ。

そしてその米国を無条件で支え続けて来たもっとも忠実な国が日本である。

今日本は国民の生活さえ満足に面倒を見られないほど財政状況が悪化している。
そんな中で政府は更なる増税が不可避だという。
その一方で政官財による税の無駄遣いが国民の怒りを買っている。

しかし本当の問題は、そのような無駄遣いとは桁違いの予算が日本国民の犠牲の下に米国に流れているという事なのである。

政府はその事を正直に国民に説明しなければならない。
その上で、「それでも日米同盟維持は国益だ」と言わなければならない。国民を納得させなければならない。

マスメディアはその事を国民の前で大きく報道しなければならない。…引用終り

■無風注:いつも無断引用させてもらっている天木氏のブログの後の方を引用しましたが、是非最初から全文読んで頂きたい、と思います。

それにしても、どうしてマスメディアは、権力者の意向だけを伝え、情報操作で国民の目を塞ぐ「大本営発表」だけを流すようになってしまったのか?

マスメディアの異常な(恐くなるような)沈黙は挙げたら切りが無いが、とりあえず、明日に続きます。





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