無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

安倍政治の考え方・・・③

2016年11月18日 | Weblog
テレビ・新聞が昔のままの健全な姿だったら、政権がひっくり返っている出来事が毎日の様に起こっているのに、日本国の政治は安泰なのだ。

その理由の一つは、衆参両院で与党が圧倒的多数を占めている点であり、もう一つはテレビ・大新聞が政府の言い分で報道を閉じるという「公正な?政府広報」報道を貫いているからだ。

文化の日(現憲法施行日)の5大新聞の中から一面見出しをコピペしてみる。

≪産経新聞≫


ウヨクの考え方は「アメリカGHQや戦後教育によって日本人は『反政府』『反体制』『反権力』といった「公をないがしろにする思想」、そして『反戦平和』と言った自虐史観(このウヨクが用いる言葉は安倍首相も用いている)が植え付けられた。」であり、「戦後の教育により洗脳された日本人は皆サヨクなのだ」と考える。

長くなるので、上の記事に対するコメントは省略するが、例えば、今週の「釣りバカ日誌」(ビッグコミックオリジナル)の冒頭に乗っていた下記のコメント。
日本会議・安倍政治の考え方でいくと、この作者は「サヨク」なのだ。

日本の大企業は、合わせると300兆円も内部留保があるそうです。
その一部でも従業員に出したら、景気も良くなって企業も儲かると思うんですけどねえ。


上の言葉で漫画が始まっているのですが、この言葉は「ウヨク」(安倍政権)に言わせると戦後教育により「反権力」「反政府」を植え付けられた「サヨク」の言葉であり、

「共産党の様に公安の監視対象になっている団体もあるので『念のためではありますが、やまざきさん(作者)がそういった団体の影響で書いているのかどうか』と公安から調べられる」

事になるのです。

そんな馬鹿な、と思った人は、私が以前に書いた「ナチス・ドイツ時代の牧師さんの話」をもう一度読み直してみてください。(今日は略)

次の読売新聞を見る前に、今の国会には300名近い日本会議所属の国会議員(ウヨク)がいるのだということを頭にしっかりと刻んでおいてください。

≪読売新聞≫


記事にも載っているように、与党及び維新・こころ等改憲を目指す野党で2/3議席以上を占めている国会議員にアンケートしても記事のような結果になるのは、つまり、アンケートを取る前から「憲法改正必要 73%」の結果が出ることは分かり切っている事だ。
それを一面にでかでかと「憲法改正は必要」と出し、『世間に迎合する考えなしの国民』を洗脳して操っている。

こんな無駄なアンケートを取るくらいなら、国会議員一人一人の実名を挙げて「この人は改憲派・この人は護憲派」と国民に知らせるのがジャーナリストの使命であり、まともなマスコミと言えるのだ。

何故、憲法施行日に国民のアンケート(憲法改正是非の世論調査)を取らなかったのか?発表しなかったのか?

最近は意図的かどうかは知らないけれど「憲法改正」に関する世論調査をテレビ・大新聞で見かけないので少し前の資料になるが、

≪選挙権を獲得した若者たちの現行憲法に関する意見≫


政府マスコミによる情報操作・世論誘導(世論調査の質問の仕方・固定電話のみの調査方法等も含む)を無視すれば日本国民(サヨク)は殆んどこの若者たちと同様の意見傾向を示していると思われる。

政府マスコミは「敵(覇権主義中国)(北朝鮮の核ミサイル)が攻めてくるぞ!」と繰り返し喧伝し、「現実から乖離した憲法」と国民の脳裏に焼き付けた。現在も産経新聞の様に「制度疲労した憲法」「現状と矛盾」と大見出しが一面に躍る。

これも今回はパスするつもりだったが憲法改正について考える上で重要な「判断の分岐点」となるので、少し余談として話しておく。もう私の日記に何十回と登場している話なので、私の日記を隅から隅まで読んで理解している人は下の余談をスキップして先に進めて下さい。

(余談)

第二次大戦後、戦勝国が敗戦国を裁いた裁判で「何故、ドイツ国民はあのような無謀な戦争に突入していったのか?」の問いに、ヒトラーの片腕と言われ、ヒトラーの後継者と目されていたヘルマン・ゲーリング元帥は次の様に答えた。


もちろん国民は戦争など望んでいません。

でも実は戦争を起すことは簡単なのです。

一般国民に向かっては「我々は攻撃されかかっているのだ」と危機をあおり、

そして戦争に反対する平和主義者に対しては「愛国心が欠けている」と非難すればよいのです。

これを繰り返せば、国家など簡単に戦争に向かいます。

これはドイツだけの話ではありません。

このやりかたはどんな国でも有効です。


あなたは今の日本で上のナチスの手法が採られているのに気付いていますか?

これも何回も載せたが実に1000回以上も毎日一面を飾った夕刊フジの大見出し。
■中国 暴挙 尖閣にミサイル発射 情報

感じが分かるように一つだけ上の画像を載せて、以下は上の画像と同じ夕刊フジの一面大見出しを列記。
■中国軍 尖閣強奪へ 11月 攻撃 準備
■中国尖閣に侵攻 軍事介入の恐怖
■暴走 中国 沖ノ鳥島 強奪へ 次は沖縄
■尖閣緊迫 自衛艦出動 P3C哨戒機は警戒続行
■自衛隊 尖閣死守 特殊部隊待機
■中国 暴走 日本漁船拿捕 狙った

そして、

■安倍 中国と決戦 覚悟
「一歩も引かない」「尖閣を断固守る」

■今の日中関係は(戦争になった)第一次世界大戦前の英独関係と同じ(安倍首相)

さて、南シナ海・北のミサイル・国籍不明機への緊急発進等々、敵が攻めてくるぞ!報道へのコメントも今回は略す。

この様なマスコミ報道をバックに安倍首相(ウヨク)は「我が国を取り巻く安全保障環境が日に日に厳しさを増す中・・・」として集団的自衛権行使の解釈改憲を行ない、安保法制を整備し日米軍事同盟を強化・日本の自衛隊を正式軍隊として米軍と共に海外で活躍→そのための憲法改正をして他の諸国と同じように「普通の国」「戦争できる国」に日本をもって行こうとしている。

≪領土問題≫
この「尖閣」については最近、ヒラリークリントン氏が某非公式の講演(2013/4/6)で次の様に言っていた事が公にされたので「尖閣問題の意見の代表」として載せておく。

クリントン氏「〝尖閣諸島をめぐる混乱”(日中対立)は日本の国粋主義者(石原氏)のせいで起きた。」

(あるブログを改竄)
おそらくこれを読むと「ウヨク」の人々はヒラリーを親中で反日だとイキリ立つかも知れない。いや、ウヨクだけではなく安倍政権によってさんざん「中国の脅威」を吹き込まれてきた日本人の多くも「日本の領土や領海を狙って中国がいきなり侵犯してきたのに何を言うか!」とヒラリーを批判したくなるだろう。
しかし、ヒラリーが別に親中的立場でこれを言ったのではないことは同じ講演で「もし中国政府が✖✖✖したら、ミサイル防衛で中国を包囲するつもりだ」と中国を恫喝していることからも分かる。

にもかかわらず、ヒラリーが尖閣諸島の件で同盟国の日本を批判したのは、それが客観的な事実だからだ。

日中国交正常化の際、日本が実効支配していた尖閣諸島の領有問題も中国側が「後の世代の叡智に任せよう」と「問題を棚上げ」して日中友好条約が締結された。
そして最近まで日本が尖閣諸島を実効支配してきた。

ところが、2012年4月、日本側がこの「棚上げ」を破ってしまう。

当時、東京都知事だった石原慎太郎が突如、東京都で尖閣諸島の一部を買い取る計画をぶちあげ、購入資金にあてる寄付金を募り始めたのだ。
この動きを受け、当時の野田首相は、中国に対しタカ派の姿勢を鮮明にする石原の東京都が尖閣を購入するよりも、国の保有としたほうが中国側の反発は少ないだろうと判断し、尖閣国有化という苦渋の決断をした。

しかし、中国側は、この尖閣国有化により日本は尖閣の実効支配を強め、中国を挑発してきたと受け止め、中国内では「反日デモ」が勃発。
そして中国側と合わせ鏡の形で、前述の「ナチの手法」で敵愾心を抱かされた日本国内のナショナリズムもまた大衆的なレベルで強く燃え盛り、今日の日中関係の悪化へと至った。

石原の尖閣購入計画に端を発する尖閣国有化で、中国側に日本が「棚上げ」の姿勢を崩したとみなされ、領海侵入の〝口実”を作らせてしまったのだ。
そういう意味では尖閣をめぐる日中対立は石原慎太郎都知事がもたらした、といえる。

そして、そのことを指摘したヒラリー・クリントンの講演での発言は、事実に基づいた、ごく「まっとうな」ものだったと言える。
これは米国政府、いや当時の国際社会の共通認識だった。

※オバマ大統領が訪日した際、日本(安倍首相)に対し「(日本は中国に対し)対話や信頼醸成の取り組みがなく、このまま事態の悪化(日中関係の悪化)を見続けるのは大きな過ちだ。」と強い口調で批判した。(注:日本のマスコミにより日本国民に大きく伝わらず)

※メルケル独首相が今年3月訪日した際、日本が領土問題を前面に打ち出すといった頑なな姿勢をとっていることに対して(領土問題解決の選択肢として)「1500年、1600年、1700年当時の国境がどこであったかなどは、問題とすべきではない」と日本(安倍首相)を批判した。

今の日本ではこうした国際感覚は完全に失われてしまった。
その後も安倍政権は軌道修正するどころか、この日中対立をエスカレートさせていった。
安倍首相は「敵がせめてくるぞ!」と日本国民に敵愾心(ナショナリズム)を植え付け、日中対立を利用して自らの政治的思惑、すなわち「戦争の出来る国づくり」を推し進めてきた。その結果が「集団的自衛権行使という解釈改憲」「新安保関連法」であることは言うまでもない。

安倍ウヨク政権は今も、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出、それにロシア機(国籍不明機)による自衛隊機の緊急発進等の「一触即発」の脅威を煽ることで、憲法改正の必要性を強く訴えている。

「領土問題」もそうである。直接足を運んだこともなく、その存在を地図上でしか知らない島(尖閣は無人島)に国民がここまで熱くなるのは、それこそ、政府マスコミの手によってその意識が作られて来たからだ。

そして、国家の指導者たちは、法的な強制よりも領土・領海を意識させることの方が、はるかに国民支配を強化できることを知っているのだ。

そういう意味でヒラリー・クリントンのこの講演での発言は、尖閣問題を自発的な愛国心の発露だと勘違いしている私たち(日本国民)が、実はそれが日本会議・安倍内閣・マスコミ等のウヨクによって仕掛けられたことだった、と気付くきっかけになるものだったと言えるだろう。

この国のマスコミは国粋主義者たち(ウヨク)が反発するような報道はほとんどできない。

おそらく、日本国民はこのヒラリークリントンの講演もオバマ大統領の安倍政治批判もメルケル首相の安倍政治批判も、その情報に国民が触れることはないだろうし、尖閣問題の本当の原因も思い出されることはないだろう。
(余談終り)


余談を少し挿入しようと思って書き始めたらブログの人のほぼ全文を掲載してしまった。

本当は憲法について多少まともだと思った東京新聞の記事を載せようと思ったのだが、次回に続きます。

今日はここまで。