無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

軍事独裁国家への道

2013年12月11日 | Weblog
今日も雑談2には進めない。

ネットで秘密保護法成立に関して読めば読むほど、とても先の話に進めなくなる。

今日もこの「国民弾圧法」について書いていくが、言いたいことが山ほど溜まってとても全体をまとめた形では話を進めていけない。
従って、もう纏まった書き方を止めて、箇条書き的に書いていく。


1.秘密保護法が必要な法律とする理由への批判意見(天木直人氏のブログより) 

あれほど景気回復を優先すると言っていた安倍首相が、なぜ秘密保護法案成立の国会に終始してしまったのか。
安倍政権の誰が、どの省庁の官僚が、この法案成立を進言し、その実現に向けて動いたのか。その思惑は何か。

もっとも不思議なのは、この法案を成立させなければならない理由である。

この法案は国民にとって何の役にも立たない。

それどころか反対に、国民にとって如何に有害で危険なものであるかを示す理由は山ほど指摘されている。

その一方で、この法案の重要性を語る言葉はただ一つだ。

すなわちこの法案によって

①情報漏洩が防げる。

②それにより、米国の信用が高まり米国からの情報入手がより可能になる。

③その結果、日米同盟が強化されて日本の外交・安全保障力が高まる。

という三段論法だ。

実際のところこれ以外の理由はどこを探しても、誰の言葉を聞いても、見つからない。


ところがこの理由ほど馬鹿げたものはない。

機密漏洩の防止で厳罰を課している米国でさえ、最高級の機密がどんどん流出しそれを米国も防げない時代だ。

もはや秘密工作や秘密外交を行なう時代ではないのだ。

しかも、米国から機密情報をもらわなくては日本の外交・安全保障は強化出来ないというのは日本政府の無能を認めているようなものだ。

極めつけは日本が秘密保護法をつくれば米国から重要な情報がもらえるという理由である。

これほどおめでたい思い込みはない。

米国は、秘密保護法があってもなくても、米国に都合のいい情報しか日本には渡さない。
(これは外交の初歩・常識である)


前回も載せたが、国内のみならず国連はじめ世界中から非難を浴びているこの法律。

唯一、この法律に好意的な意見を表明しているアメリカ軍関係者でさえも「国民の知る権利が充分に確保されている」事を条件にしている。



2.国民の知る権利は十分に確保されているか?(諸々のブログより) 


山本議員が「これは特定秘密だ」と決める権利のある機関名・権限を持っている人は誰か?を政府に問い合わせたところ53機関(長)が挙げられて回答があった。

《それは秘密です、知ろうとしたら10年以下の懲役です、と決められる人・機関》

防衛大臣・外務大臣・財務大臣・国土交通大臣・法務大臣・農林水産大臣・厚生労働大臣・環境大臣、等各大臣。

内閣法制局長官・宮内庁長官・公安調査庁長官・文化庁長官・特許庁長官・中小企業庁長官・海上保安庁長官・資源エネルギー庁長官・林野庁長官・気象庁長官、等各長官。

郵政民営化推進本部長・地域再生本部長・都市再生本部長・中心市街地活性化本部長・宇宙開発戦略本部長・産業特別区域推進本部長・総合特別区域推進本部長、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長、等各本部長。

国家公安委員会・原子力規制委員会・公安審査委員会・公正取引委員会・中央労働委員会・原子力防災会議・安全保障会議etc.etc.etc.

回答書には更にこれらの機関がそれぞれに作った「政令で定める機関」も特定秘密指定権者に含まれると書かれている。これは秘密保護法で決められているのだが、これによりこの53機関の下部組織=天下り先の長まで「それは秘密です、あなたは懲役10年の犯罪者です」と決める権利を有する事になる。

当然、防衛関連なので山田洋行が見積に上乗せしてボロ儲けをしていた、とか年金横領・消えた年金とか耐震偽造とか事故米といった政府・省庁・業者の悪事が暴かれることはなくなり、国民の知る権利は確実に無くなってしまったのだ。

余談:政府の「国民の知る権利には十分に配慮する」という発言。あなたは『ありがたや、ありがたや』『政府が十分に配慮する』と言ってくれているのだからこの法律が成立してもいいじゃないか』といった感覚で、この発言を受け止めていませんか。
国民の知る権利は憲法に謳われ、遵守義務のある政府は当然確保しなければならない国民の権利なのです。
それを偉そうにお上目線で「配慮する」とは何様だと思っているのか!・・・余談終わり

これは明らかに違憲立法である。



3.国民はどうなっていくのか?(諸々のブログより)


◎法つくる人が権力にぎるなら、権力しばる法はなくなる。

久しぶりに上の言葉を載せた。

麻生副総理が学べと言った「ナチスの手口」とは、民主的なワイマール憲法のもと、ナチス党が国会で圧倒的多数を占め、行政が立法権まで握った事がナチス・ヒットラーの独裁国家を許し国民を戦争へ戦争へと駆り立てる結果となった事を言うのだが、いま日本で衆参両院で圧倒的多数を占める与党が強行採決したこの法律はまさにナチスドイツの誕生と同じであり、戦前の治安維持法と同じである
(前回東京新聞の記事で紹介したので今日は略)

東京新聞の保坂正康氏の言葉。

この秘密保護法が成立した瞬間に、私たちの社会は全く別の世界になると考えたほうがいい。

国家権力は都合の悪い事実を堂々と秘匿・隠蔽し、その情報にアクセスしようとしただけで犯罪者にでっち上げられる。



■(日本国民に)ジワジワと襲来する恐怖の生活

*当面は何の変化もないように平穏に見えるが気がついたときはもう遅いという事態が必ず来るこの法律の成立。

*戦争のために犠牲にされる国民の言論と自由

*どんな悪法も「決められる」独裁政治

*合法を装った平和憲法の実質停止による戦前回帰
・・・以上、日刊ゲンダイ2013年12月10日号の見出しを列記

余談:この「ジワジワと襲来する」実例として、第一次安倍内閣の時にその意図をほとんど国民に知られる事無く強行採決され成立した改正教育基本法(愛国心を叩き込む国民教練法)が挙げられる。

詳しくは別の機会に書く事にするが、2006年に成立した法律は7年後のこんにち、第二次安倍内閣で国民に露骨に牙を向いてきた。

教科書出版社の検定申請時の提出書類に「愛国心を養うなどの新しい教育基本法の趣旨」をどのように具現化したかを書かせ、検定基準で、新しい教育基本法の精神・目標に照らして重大な欠陥がある場合は検定不合格にする、と国の検定方針を明らかにしたのだ。

新たな検定基準では、尖閣諸島(沖縄県石垣市)や竹島(島根県隠岐の島町)など領土に関わる問題、慰安婦や南京事件など歴史問題、自衛隊の位置づけなどについて、公正な記述(即ち、新しい教育基本法の精神に照らし愛国心を養うために尖閣諸島・竹島は日本の領土と記載し、慰安婦問題・南京事件は無かったものとし、自衛隊は日本を守る気概に燃え、命を国民のために捧げた人々による神聖な国防軍であり、今までの「平和は大切」と教え戦争を否定する自虐史観を排除した記述教科書)でなければ、不採用とするとしている。
改正教育基本法が成立して7年をして国定教科書が完成することになった。

日刊ゲンダイが秘密保護法により社会はどうなるかについて「(日本国民に)ジワジワと襲来する恐怖の生活」とする所以である。

・・・詳しくは別途、余談終わり。


■秘密保護法成立後の悔やんでも始まらない想像を絶する恐怖の事態と国民生活

*この秘密保護法は治安維持法と同じ道を辿る、と専門家筋の警告

*秘密保護法が弾圧の道具に使われる

*日本は「平時」から「戦時」へスタートを切った
・・・以上、日刊ゲンダイ2013年12月11日号の見出しを列記

この内容を少々。

治安維持法は共産主義を取り締まる法律で、時の政権は「国体の破壊と私有財産制の廃止の2つだけが処罰の対象だ。他を取り締まる意思はない」と説明して成立。

ところが一旦成立すると、法律を拡大解釈し、必ずしも「国体変革」に結びつかない民主主義者や自由主義者を弾圧。

地主に納めるコメの減量を訴えた農家まで逮捕し、裁判で「地主を倒す運動は天皇制の否定につながる」と3年の投獄判決となった。

その後、治安維持法は改正、強化され、最高刑が「死刑」になり、「予防拘禁制」も導入された。

政府に批判的な市民が獄中で拷問されたことは誰でも知っている話。


この治安維持法成立時、多くの国民は「(自分は共産主義者ではないから)自分には関係ない」と考えていた。

ところが成立したら、いつの間にか一般市民が弾圧のターゲットとなり、自由にモノが言えない社会になっていた。


「秘密保護法」が成立する前に既に政府の「特別管理秘密」は約42万件が指定され、一定のルールのもとで保護されていた。
公務員の罰則規定もある。何故「秘密保護法」を強行採決したのか。

安倍首相は2013/12/09の記者会見で、秘密保護法の成立で「格段に(秘密保全の在り方の)透明性もルールも明確になる」と意義を強調した。さらに「今回の法律で、今ある秘密の範囲が広がることはなく、一般の人が巻き込まれることはない」と弁解した。
だが、安倍首相がいくらそんなことを言っても、単なる空手形である。一度この法案が通れば、安倍首相が現場を全て監督することが出来るわけもなく、警察・検察などの行政長がその気になれば何でも特定秘密に出来、一般人を犯罪者に出来る状態になる。だから怖いのである。

この法律は治安維持法の成立と類似しており、その後の展開も同様だと容易に推測される。


日本国民=あなたは「秘密保護法」は「自分には直接関係ないしな」と思っているのではないか。

しかし、無関係だと考えているとしたら大間違いだ。

この法律は一般市民も簡単に逮捕できる。
(無風注:前述の様に「秘密だ」とする権限を持った機関・指定権利者、即ち貴方を犯罪者にすることの出来る機関はあなたの周りに多大な数、存在しているのだ。あなたの恐怖生活が始まる。)

何故、2000人もの学者が「反対する学者の会」に名を連ねたのか。

何故、アメリカの財団が「21世紀で最悪の法律」と非難したのか。


秘密保護法成立により、日本社会が激変する
(民主主義国家でなくなる)と分かっているからだ。…日刊ゲンダイ2013/12/11より


■秘密保護法の報道に対する疑問



先週金曜日に成立した特定秘密保護法の国会審議について、85%の人が十分ではなかったと考えていることが、JNNの世論調査で明らかになりました。…中略…

次に、先週金曜深夜に成立した特定秘密保護法について、成立を評価するかどうかを尋ねたところ「評価する」は28%で、「評価しない」と答えた人はおよそ倍の57%でした。

また秘密保護法の国会での審議について十分だったかどうかを聞いたところ、「十分だ」とした人は8%で、「十分でなかった」と回答した人が85%に上りました。「不十分」と答えた人は、与党の自民党と公明党の支持層でも7割を超える結果となりました。

さらに野党との修正協議により国民の「知る権利」を侵害する懸念はなくなったかどうかを尋ねましたが、「なくなったとは思わない」が79%に上りました。



この記事から日刊ゲンダイの様な国民の立場になった報道姿勢は見られない。

私は最初に特定秘密保護法の国会審議について十分でなかったとする人が85%に上りました。との書き方を見て憤慨しました。

それじゃあ、だらだらと例えば300時間審議して成立させたらこの法律に問題はないのか?という事。

あなたは「審議が十分だったと思うか?」「成立を評価するか?」との問い方に疑問を感じないか!

書き方にも疑問がある。

秘密保護法の国会での審議について十分だったかどうかを聞いたところ、「十分だ」とした人は8%で、「十分でなかった」と回答した人が85%に上りました。

これを

秘密保護法の国会での審議について十分だったかどうかを聞いたところ、不十分との答えが85%とほとんどを占め、十分だと答えた人は回答者の8%に留まりました。

同様にこの法律を評価するか、との質問でなく、この法律成立に賛成か反対かとの質問をすべきである。

書き方は、「この法律成立に賛成する人は28%にとどまり、反対と回答した人は2倍を超える57%に達っしました。」が普通だと思わないか。

全体の数字を見ても、だからどうなの?と言いたくなる。

この数字だけの報道は「原発再稼働」で下に活断層があるかないか、と再稼働条件をその有無で決めようと報道した手口と類似している。

福島原発の事故は下に活断層があったから起きた事故ではない!

この様なイカサマ報道により、稀代の悪法が成立しても先のJNN世論調査で、(世論調査記事続き)

第2次安倍内閣は今月末に1年を迎えますが、安倍政権が長く続いてほしいと思うかどうかを尋ねたところ、59%が長期政権を望んでいることがわかりました。

また総理大臣にふさわしい政治家を聞いたところ、安倍総理を挙げた人が13%、小泉進次郎氏が7%、自民党の石破幹事長が3%などとなりました。

政党支持率は自民党が前の月と比べて7.1ポイント減らし、30.3%となりました。


となるのだ。

ブログで意見を言っている人達からすると、信じられない高い数字である。

「知らされない国民」は前回の東京新聞社説のように悲劇の道を歩まされているのに・・・。

毎回とめどもなくなるので、今日はここまで、またね。