サンタナ

2000年12月26日 | 音楽

 朝、今日は定時で帰ってくる、と女房がいったので、おれが帰る頃には家に
いると思っていたが、いなかった。9時になっても帰ってこない。心配する気
持ちと、腹立たしい思いがこころの中に渦巻いていたとき、携帯電話がなった。
おれの着メロは、自分で入力した「コンドルは飛んでいく」なんです。
 女房からで、
「今会社を出るとこなの」
 という。
「おれはいいけど、UとKは食べてない。早く連絡くれればスーパーで買って
きたのに、もう閉まっちゃったよ」
「ゴメン、今度から早く連絡する」
「いいよ。気をつけて帰ってきてくれ」
 UとKにどこかに食べに行ってこいというと、いいという。がまんするとい
う。
 おれは、女房にメールを打った。
「二人になにか食べる物、コンビニで買ってきて。おれは、飲み屋に行く」
 と。
 こういうときに行くのは「楽家」だ。
 客は二人いた。マスターと話しているが、自分のことをかっこつけて話す、
私の嫌いなタイプで、私は黙って飲んでいた。
「**さん、今日は静かね」
 と、ママがいう。
 おれは、仕事中はすべての人に話を合わすが、こういうときにはわがままを
通す。
 古いタイプのテレビでは、ビデオでビートルズのライブをやっていた。それ
が終わってマスターがビデオをかえた。
 画面にあらわれたのは、サンタナだった。おれは、サンタナが好きだ。
高校生の頃よく聴いた。ギターでも真似してメロディーをよく弾いた。
 サンタナのギター弾く姿を見、サウンドを聴いているうちに、さっきまでの
気持ちはどこかへ吹っ飛んだ。
 サンタナはいい。
 じつは最近、昼休みにギターを弾いている。家にあった壊れたエレキギター
を会社に持っていって弾いている。アンプがないので弦だけの小さな音だが、
ネックの弦を左手の指で押さえ、右手のピックで弦をはじくだけでおれは現実
から浮揚できる。
 明日の昼休みは、サンタナ、やるぞう。

コメント
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