goo blog サービス終了のお知らせ 

ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

季節はずれのスミレ

2011-11-10 10:04:35 | 日々のこと
今週になり、ようやくこの季節らしい気温になりました
先週まで、昼間は暑いくらいでしたね。

プランターや庭のあちこちにスミレが沢山自生しています
野生種なので、花は春にしか咲かないのですが・・・
今年は、小さいながら、秋にも少しだけ花を付けました
嬉しいのですが、今年だけ異常かもしれません



このスミレは、ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)という美しい蝶の
幼虫の食草です
今年は、まるで地面から幼虫が沸いて出るように、千客万来!
お陰で何度か、飢饉を心配しましたが、近所のあちらこちらに
自生しているスミレがありますので、乗り越える事ができました。

一般的に、蝶の多くはサナギで冬を越しますが、この蝶は幼虫で
越冬するのです
南向きの暖かい場所にビオラやパンジーを植えて、幼虫をここに
集めます。うちに来る鳥も多いため、見つからないように、工夫を
凝らして・・・
春、幼虫達が元気に動き出してくれると、とても嬉しいです。

幼虫の写真を小さく入れました
見た目、毒々しい毛虫ですが、外敵からのカモフラージュです
棘は柔らかいですし、無害です
これから、花壇のパンジーやビオラにこんな幼虫が居ても
ポイ!しないで下さいね

サナギはこんなキラキラのアクセサリーを10粒つけていて
光に当たると真珠貝のような光沢に見えたり、金色にも見えます
残念ながら、羽化すると、色はなくなります



アトリエ・ラ・ヴィータ

学園祭

2011-11-03 23:15:13 | 日々のこと
近畿大学農学部学園祭に行きました
この大学には車で15分程度の距離です。
近い、という事もあり、春の桜の季節・秋の学園祭・
時々開催される講演会などに出かける機会が多くて
卒業した学校より縁がある大学です



大学のキャンパスは山を造成して建設されたため、自然観察には
ぴったりの条件が揃っています
わざわざ遠くに出かけて観察するより、キャンパスのすぐ近くで
頻繁に観察した、研究発表など、学生さんが熱心に説明して下さる
のを毎年楽しみにしています
若いって素晴らしいですね~


アトリエ・ラ・ヴィータ

深まりゆく里山の秋

2011-10-16 19:52:52 | 日々のこと
昼間はまだ汗ばむ気温の日が続きますが、里山は
目に見えて秋の気配が深まりつつあります。

少し前まで、青い実だった「カラスウリ」
こんなに色付いていました



このカラスウリ、夏の夜、レースのように美しい花を咲かせます
朝日に照らされると、萎んでしまうので、なかなか見る事ができないのが
残念ですね・・
これから冬枯れの山にオレンジ色の実が彩りを添えてくれます




アトリエ・ラ・ヴィータ

日本一美しい処へ

2011-09-11 22:52:18 | 日々のこと
日本一美しいといわれている某所の見学に行きました
明治41年に建てられた、赤レンガの建物です
文化財として保存されているのではなく、現役で使われているのに
驚きました











ここは、日本一美しい刑務所といわれている
奈良少年刑務所です(明治41年竣工)
どこまでも続く赤煉瓦の高い塀にはコンクリートのような威圧感
は無く、ここに入る事になった少年達を守ってくれるかのようです

明治政府は近代刑事制度の完備を世界にアピールする目的で、
壮麗で豪華な監獄を建築しました。
しかし、旧五大監獄のうち千葉・金沢・長崎・鹿児島では、
完全に解体されたり、一部建物を残すのみです。
明治建築の全容が保存されているのは唯一奈良だけです。
わが国の貴重な建築遺産ですが、刑務所という施設の性質上、
見学の機会はほとんどありません

一年に一度、一般公開されます
ただの物見遊山で行った私なのですが、受刑者の少年達が書いた書、
描いた絵、工作などを見ているうち、涙が出てきます
どれもこれも繊細で・・・

最後に少年達が書いた詩の前でもう涙・涙・・
正直で無垢な言葉が宝石の原石のようです
周りに居た方達、皆さん同じ気持ちでした。

詩集を購入
「空が青いから白をえらんだのです」
レビューに書かれている言葉にも感動。
「やがて出て行く君たちへ」と詩を書いておられる方も。

色んな事を考えた一日でした


アトリエ・ラ・ヴィータ

燕尾服の貴公子

2011-09-09 13:30:00 | 日々のこと
シジミチョウの仲間は名前の通り、小さな小さな蝶です
本当にしじみ貝と同じくらい

最近、近所でツバメシジミをよく見かけます
幼虫の食草のシロツメクサが増えた事だと思います
全身真っ白で可愛いのですが、羽を広げるとラピスラズリー!

近所で区画整理が始まり、空き地や草原が増えていきます。
今年の春は、なんと!!ヒバリが戻ってきたのです!!
ローカルな駅でも一応、駅前。それなりに家が建っていました
空き地が草原になった途端、昆虫が増え、それをエサにする
小鳥も多くなったのは驚きです
田んぼも水が溜まったままで、いつしかビオトープに。
そのビオトープ、家の前だから、毎日楽しくてワクワク。
つかの間の楽しみです




夏からその空き地に重機が入り、道が出来たり、下水道工事がはじまり
あちこち、掘り起こしてます
ほんとうに「つかの間の夢」でした


アトリエ・ラ・ヴィータ

天竺へ・・・その後バサラ

2011-08-29 17:06:21 | 日々のこと

奈良国立博物館で開催されていた「天竺へ 三蔵法師3万キロの旅」
をやっと見てきました
予想外の混雑に驚きながらも、三蔵法師の旅の様子にわくわくします
日本で描かれた絵巻物なので砂漠や荒野もそれらしくありません
当時の日本人には草木が生えない荒野なんて想像出来なかった事でしょう
・・・重箱のスミをつつくようなアラ探しをしながらも三蔵法師の困難
な旅の様子に魅入ってしまいます

見終わる頃には気分はすっかり「西遊記」

帰り、薬師寺に立ち寄り、平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」を鑑賞。
今まで、何度となく、鑑賞してきた障壁画ですが、この日はいつもと違う
気持。絵の前で自然に合掌。



奈良市内では、ちょうど、「バサラ祭り」が行われていましたので見物。
ついで・・・のつもりが楽しくて楽しくて!!
すっかり夢中になってしまい、来年は計画的に「バサラ祭り」を目的に
しようと思うほどでした。
神社やお寺の行事やお祭りが多い奈良では珍しい市民参加型のお祭りです
「バサラ」はサンスクリット語でダイヤモンドを意味するそうです
この日の為に一生懸命練習されてきたのですね
参加された方たちの汗はダイヤモンドのように輝いていて美しかったです





博物館では、10月末から開催される「正倉院展」も話題になってます

夏を象徴するミンミンゼミ、アブラゼミに替わり
ヒグラシが「カナカナ・・・」と涼しげな声で鳴いています
少し寂しげな夏の終わりを知らせる声
もう、夏も終わりですね


アトリエ・ラ・ヴィータ

紅花染め

2011-08-17 16:20:22 | 日々のこと
植物染めには色を定着させる為に「灰」が必要です
染めたい色によって、適した灰があるとの事です
(「灰」は陶磁器の釉薬にもなります)
科学の知識の無い昔の人の知恵には脱帽いたします
何かの偶然から色んな事を発見していったのでしょう。

紅花染めには藁灰で燻した「烏梅」(うばい と読みます)
を使います
梅に含まれるクエン酸が紅色を定着させるのに必要なのです
この天然の「烏梅」を作っているのが奈良の月ヶ瀬です
この月ヶ瀬梅林は「烏梅」を作る為の梅林です
大変な手間がかかるため日本で、唯一つの場所になってしまいました

人工的なクエン酸でも染まるそうですが、風合いが全く違うそうです

奈良の月ヶ瀬梅林といえば・・・
ガラスの仮面 紅天女の梅の里はここを舞台にしたそうです
確かに「秘境」という言葉が似合う渓谷ですね
美内すずえ先生、どうか最終回を執筆するまでご健在でいらしてください!


写真は「染司よしおか」さんからお借りいたしました





これが「烏梅」
月ヶ瀬に行ったとき、観光案内所で撮影させていただきました




アトリエ・ラ・ヴィータ

睡蓮と蓮

2011-08-03 20:49:46 | 日々のこと

睡蓮と蓮

その違いは、水面に花が浮かんでいるのが睡蓮
茎が長く伸びるのが蓮
私が知ってるのはこれくらい。

睡蓮が描きたくて、実物を見たり、調べたりしているうちに
葉に切れ込みが入っているのに気付いたのです




鑑真和上が唐から伝えたとされる「唐招提寺蓮」
珍しい八重咲きの蓮です



雄しべも雌しべも全然違いますね。
睡蓮には温帯睡蓮、熱帯睡蓮があり、熱帯睡蓮の花は蓮のように
茎が長く伸びることもわかりました
英語では「Water Lily」なのに、「水蓮」でなく「睡蓮」
昼間開いた花が夜、閉じる事から「睡眠する蓮」→「睡蓮」だそう

肝心の絵を描く前に、色々調べすぎて、なかなか取り掛かる
事が出来ないのは毎度の事。

たぶん完成は冬・・・?
・・・それとも来年の夏?


アトリエ・ラ・ヴィータ

ムラサキの夢

2011-06-28 17:51:44 | 日々のこと
オオムラサキ オス



メス



日本名 オオムラサキ
英語名 Great purple emperor 
日本の国蝶です

聖徳太子が制定した官位十二階の最高位の濃紫を名前に戴いた美しく
気高い蝶です

私たちに馴染みが深い、アゲハやモンシロチョウと違い、一年で一度だけ
この時期に成蝶になります
ゆっくり成長して幼虫で越冬するのです

蝶といえばお花の蜜を吸う、と思われていますが、このオオムラサキは
クヌギ、コナラなどの樹液を吸います
・・・カブトムシやクワガタムシと同じですね
他には熟れきった果物など(ちょっと腐った位が好きみたい)


幼虫の食草は、榎(エノキ)だけ
このエノキは七色に輝くタマムシも育てます
美しい花が咲くわけでもなく、美味しい実もできないエノキはどんどん
切り倒され、それに伴って、オオムラサキ、タマムシなどは姿を見せなく
なりました。
それに加えて人が山の手入れをしなくなった為、クヌギやコナラも樹液を
出さなくなってきています

今年、縁あって、このオオムラサキの幼虫の世話を引き受ける事に。。
アゲハやモンシロチョウで経験豊富な私でも、本当に苦労の連続。

預かった幼虫が全て羽化してくれて安堵してます
乳母の役目も終わると、寂しいですね
今まで積み重ねた経験も役にたちました!
成長に伴う脱皮の時、足場を無くして困ってる幼虫の助け方
とんでもない場所で蛹になってしまった時の移動方法・・・
マニアックですが・・・

何より、オオムラサキという準絶滅危惧種を育てる上で、今までに
無いくらい熱心に昆虫の事、蝶の事、いろいろ調べました。
「一頭の蝶をめぐって交錯する複雑な人間関係」も嫌という程学びました


来年の飼育はどうしようか・・・と頭の中は紫色になっている自分にも
笑ってしまいます。

今朝、見事なクロアゲハのメスが羽化しました
鹿鳴館の夜会に行けそうな漆黒のイヴニングドレスをまとった蝶です
「オオムラサキさんも美しいけど、あなたも十分綺麗よ」
と旅立ちを見送りました





「オオムラサキから学んだこと」
「オオムラサキに教えてもらった事」がたくさんあり、

オオムラサキは私たちに宿題を残して飛び立っていきました



アトリエ・ラ・ヴィータ