純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

瓶ビール・樽詰生ビール等の生産者価格値上げ通知!・・・またかぁ・・アサヒ3月・他社4月より

2018年02月09日 | ビールの話
昨年6月の改正酒税法・酒類業組合法の

「酒類の公正な取引の基準」により

酒類の安売りが規制されて

昨年大幅な値上げがあったばかりのビールだが・・・



まただ・・



「瓶ビール」「樽詰生ビール」「樽詰チューハイ」等々の

生産者価格(ビールメーカーが問屋に卸す価格)が上昇することになった



3月からアサヒビールが先行値上げし・・

4月からは「キリンビール」「サントリービール」「サッポロビール」も追随する


ただ今回の値上げ、

缶ビールについては対象外で価格据え置きである


なぜか???


アサヒビール様の

「酒類リターナブル容器商品の価格改定について」← 詳細はクリック

という文面の一部を引用すると


「酒類業界を取り巻く物流環境は、車両不足やドライバー不足による物流費の世間相場上昇等による厳しさが増しております。そうしたなか、酒類リターナブル容器商品は、缶商品等のワンウェイ商品とは異なり、メーカーの空容器回収・洗浄・保管等の負担が増加しています。 当社は、製造・物流・営業・管理各部門の効率化等により収益性の向上に努めてまいりましたが、当該商品の収益性の悪化が続く中、総販売原価割れ、もしくは近い将来総販売原価割れとなる可能性が高くなっているため、法令順守の観点より生産者価格を改定することにしました。なお、採算が悪化している樽詰容器のリキュール・焼酎についても同様の理由で改定します。」


とのことだ


ここで

昨年の6月の酒税法の改正点を振り返ると

「酒類の公正な取引に関する基準」に基づき

酒類の販売価格は、その販売に要する費用に利潤を加えた合理的なものにすること

すなわち、

「総販売原価」=「売上原価」+「販売費および一般管理費」

(* この「販管費率」は、店舗ごと、事業者ごとに違うから、ややこしい)

継続的に、この「総販売原価」を下回って、安く販売すると、

「製造免許」や「酒販免許」取り消しにされることがある、

ということだ


だから・・・


空き瓶や空き樽の回収に、物流費や人件費がかさみ

総販売原価割れしそうになってきた「酒類リターナブル容器商品」を

値上げしなければ

「製造免許」を取り消される可能性もあるので

値上げに踏み切ったということらしい


そこで・・・


改めて、当店の缶ビールと瓶ビールの1Lあたりの売価の単価を比べてみると・・・


                 1Lあたり(税込み)

瓶ビール大瓶ケース価格・・・・・・・489.7円

瓶ビール中瓶ケース価格・・・・・・・519.0円

樽詰め生ビール価格・・・・・・・・・545.0円

缶ビール350mlケース価格・・・・605.9円



缶ビールの単価に比べると瓶ビールは、

異常に安すぎることが分かる



次にアサヒビールの3月以降の値上げ幅であるが

出揃った問屋の見積もりから換算すると


スーパードライ大瓶(633ml)1本:30円
スーパードライ中瓶(500ml)1本:20円
スーパードライ生樽1Lあたり:15円

上記程度の売価上昇になりそうだ(当店の場合)


価格上昇後の、当店予定価格の缶ビールと瓶ビールの1Lあたりの売価の単価を比べてみると・・・


                 1Lあたり(税込み)

瓶ビール大瓶ケース価格・・・・・・・535.5円

瓶ビール中瓶ケース価格・・・・・・・559.0円

樽詰め生ビール価格・・・・・・・・・560.0円

缶ビール350mlケース価格・・・・605.9円


このような1L単価になり

まだ瓶ビールの単価は、缶ビールに比べると、かなり安い


このようなことを勘案すれば

妥当な価格上昇といえるかもしれない・・・


などと

酒屋のオヤジの立場として

今回の酒類リターナブル容器商品の生産価格上昇については

一応理解してはいる・・・


しかし、

瓶ビールや生樽を購入して頂いている飲食店様

こだわりをもって瓶ビールしか呑まれない一般のお客様

等々に・・

どうやって説明するの??


昨年6月に値上がりになったばかりで

また値上げ・・・


そして10月の消費税アップの値上げも迫っているし・・・

メーカーさんは、そのあたりのユーザーへの説明は

酒屋あるいは業務卸に丸投げ・・・


「町の酒屋さんを救うため」にと

昨年、改正された酒税法らしいが

スーパーやコンビニでは、あまり取り扱わない

瓶ビールや樽詰生ビールを

積極的に扱っている

町の酒屋さんの

範疇にも思いっきり飛び火してきて

「町の酒屋さん」は苦悶するのみ・・・


イオングループを筆頭に、「改正酒税法(安売り規制法)」に反旗を翻す勢力に

未だ何もアクションを起こさない政府、国税局、公正取引委員会、税務署・・


要は、国の「お荷物」となってきた「町の酒屋さん」を一掃するのが狙いだったとしか・・・???


巡り巡って犠牲になるのは・・・

一般の消費者のみ・・???


町の酒屋さんが負うべき


「専門知識」「地理的便利さ」「町の冷蔵庫」「配達」「時間の融通」「情報発信」「地域貢献」「地域密着」・・等々


一般消費者の被る損失は底知れない



そんな逆境にも

めげない

のが、いままで、

さんざん逆境にたえてきた

町の酒屋さん

とも言えますがね(笑)

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