純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

日置桜の・・・山根酒造場に行ってきた

2012年11月21日 | 純米酒
昨日は定休日を利用して

鳥取市青谷町の山根酒造場へ行ってきた


かねてから鳥取県の純米酒の王道を先陣切って進む

山根酒造場様の「日置桜」

ぜひ当店でも置きたいと思っていたのだが

忙しさや体調の問題で

なかなか実現させるに至らなかったのだ


純米酒の最需要期を迎えたこの時期に

ようやく奮い立ち

山根正紀蔵元さまへ

お取引の要請と蔵訪問を申し込み

昨日訪問させていただくことができた


9:30分過ぎに山根酒造場様へ到着してから

お暇する12:30分まで

蔵内を案内していただく時間30分を挟んで

約3時間お話させていただいた



山根酒造場の蔵元様はとにかく凄い


何がって・・・


米作り・米の質・酒造計画・酒造り・杜氏や蔵人さんへの気配りなど

隅々に至るまでこだわり抜いていらっしゃることだ

本当に勉強になった


お取引もご了承いただいた

近々「日置桜」入荷予定です!



話しを伺ったこと覚書


○米のタンパク質含有量を7.5%以下にすることを農家に要求していること
○農家の中にはタンパク質含有量が6%代前半の凄い米を造る方もいらっしゃること
○米のタンパク質含有量が6%前半という数値なら、精米80%でも精米歩合50%の酒に劣らず雑味がなくなる
○それぞれの農家が栽培した米のみで純米酒を造ることで、農家の方に自分の米で造った酒の出来上がりの味と米の成分との因果関係を知っていただくようにして、農家の意識を高めて米の品質を上げていること
○鳥取の古代の酒米「強力(ごうりき)」を復活させ酒造りに使用していること
○酒米の強力は、復活後何年も栽培している間に当初の分厚い酸をもつ酒になる独特の特徴が薄れて、他の酒米との特徴が出にくくなってきたこと
○強力米の特徴が出にくくなった要因が環境ホルモン成分の除草剤や窒素含有量の多い土壌にあるのではないか?ということ
○除草剤を使用しない田んぼの強力米のなかに背の高い先祖帰りした強力米ができたこと
○先祖がえりの強力米を別に育てていること
○常温(夏場は液の温度が40度越えるようなところ)でのタンク貯蔵による10年熟成実験で底に大量の滓ができ、上澄みがすごくきれいだったこと。雑味が滓として溜まることで精米したことと同様な効果がでたこと
○生もとづくりにおける蔵付き酵母、乳酸菌を求めてもと場をかえたこと
○麹室を木で造ることで乾湿さを活かした強い麹米をつくれるようになったこと、また麹室で酒に木の香りがつくことがあること、麹箱、麹蓋を併用
○生老香の原因は温度と米のたんぱく質含有量にあるかもしれないこと
○生老香・老香・つわり香などの悪い香りと言われるものにも、人によっては好きな香りだと思う人がいるということ
○香りにたいする好き嫌いは、国や民族、地場の食物で相違するんじゃないか?ということ
○業務店や他のお客様に純米酒にのめり込んでもらうために各々のスイッチを探ることの必要性
○醪温度の変化やボーメ・酸度・アミノ酸度の実際の仕込め数値を見せていただいたこと
○平杯は舌の全体で甘・辛・渋・酸・苦を感じるために、純米燗に適していること
○滋味を感じ取れるようになること
○呑む際の器も研究せねばならないこと
○蔵元交流会など



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