純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

熟成酒(古酒)の白影泉・・・その個性に魅せられて!

2015年05月08日 | 純米酒
4月12日に「奥播磨」の呑みきり会へ行ってきた

奥播磨は兵庫県姫路市安富町の下村酒造店が醸す純米酒である


奥播磨の純米酒の魅力は

その太くて旨味ある酸に集約される


とくに「山廃純米」のイチジクが熟したような旨味たっぷりの酸は味わい深く

ジビエ料理など肉料理と相性が良いのが特徴だ


さて今回の呑みきり会だが

時節柄「生酒」が多かった

ただ若い酒の「生酒」は沢山味利きするのはキツイ!

単純に私が「生酒っぽい香り(生ヒネ香)」を得意ではないからだが・・・

やはり疲れる・・(笑)


私が癒され

「ホッ」と安心できるのは

やはり熟成酒(古酒)だということが良くわかった


というのも

奥播磨は、素晴らしい熟成過程を辿る純米酒を沢山もっていて

それらを愉しく味利きできたからだ

呑みきり会に行った甲斐があった
(^_^)v



そんな長熟成酒(古酒)を紹介することにする


その前に長期熟成酒(古酒)の特徴だが・・

1.非常に「濃い山吹色」をしている

2.「黒糖」「ナッツ」「醤油」「味噌」などに通じる独特の香りの「熟成香」がある。
 これは個人的嗜好により好き嫌いがはっきり分かれる香りだ。
 私には食欲をそそる香りなのだが・・・(笑)

3.熟成により「旨味」が集積、凝縮している

4.「燗酒」でこそ凝縮した旨味が開き、本領を発揮する

5.「食中酒」として料理とともに呑んでこそ真価を発揮し、お互いを高めあう
 和食はもとより、濃い味わいの中華料理、ジビエ・肉料理、チーズ料理などとも相性が良い

純米古酒(長期熟成酒)は、このように大変個性的であり

慣れてない方は嫌悪感さえ感じる可能性もある

紹興酒や梅酒に似た酒質を有するので

これらを呑みなれている方なら比較的すんなりと受け入れることができるはずだ


注意:下記の古酒の名称の「H10BY」とは、平成10酒造年度(平成10年7月〜平成11年6月)に搾られた清酒を意味します。


これらの特徴をふまえて「奥播磨長期熟成酒」を紹介していこう


奥播磨 白影泉 純米吟醸しもむら 山田錦6割磨きH16BY 1,800ml:3,855円
H16BYの熟成純米吟醸古酒。
熟成の刻を経て、味噌汁、昆布出汁にも似た米の旨味が十二分に凝縮されていて素晴らしい。
もちろん黒糖、ナッツといった熟成香があるが、上品で食欲をそそる香りだ。また酸のフレッシュ感が異彩を放つ。米の旨味の凝縮感、爽やかな酸との融合が面白く呑み飽きしない。燗につけても安心感がある。熟成酒の醍醐味がここにある



奥播磨 山廃純米 白影泉 山田錦5.5割磨きH17BY1,800ml:3,855円
H17BYの山廃仕込みの古酒。
黒糖や梅酒、紹興酒に通じるような、しっかりした熟成香がある。熟成による旨味の集積で、アタックは甘味、旨味がを強く感じるが、中心に太くしっかりしたボディの酸があり、キレ良く呑ませてくれる。
燗につけると、酸がグ-ッと立ち、キレキレですべらかだ。



奥播磨 山廃純米 白影泉 山田錦5.5割磨きH19BY1,800ml:3,855円
H19BYの山廃仕込みの熟成酒。
しっかり熟成香もあり、それに伴う凝縮された旨味、甘味は、柔らかく、優しく、まろやかだ。そしてまだフレッシュな酸はスレンダーだが、上品にキレる。凄く品の良い熟成酒として進化をつづけている印象だ。
また、燗でこそ真価を発揮するのが古酒だ。集積した旨味とスレンダーでキレる酸が、よりたって味わいの輪郭がしっかり現れる。



奥播磨 宮の井 速醸純米H17BY1,800ml:2,098円
宮の井H17BYの速醸バージョン。(Ver.1の山廃は完売)
香りは、熟成酒特有の黒糖・醤油・紹興酒にも通じる熟成香がけっこう強い。
口に含むと仰天!昆布出汁のような凝縮した旨味と甘味が一気に口いっぱいに広がる。その後を追いかけるように酸がキッテいく。「これぞ熟成酒の極み」と声をあげそうな迫力だ(笑)
これを燗にするとまた一段と美味いんだなぁ!
60度あたりの高めの温度帯でも大丈夫!
全くへこたれず米の旨味を存分に増幅する強い純米酒なのだ。
しかし、何でこんな価格なのか?意味がわからない。そんな気にさせるコスパ抜群の熟成酒だ。


こんな「熟成古酒」の宝庫、それが奥播磨のもう一面の顔とも言える


また「日置桜」と「秋鹿」からもワクワクさせられる古酒が入荷した


日置桜 山笑ふ 古酒豊含1,800ml:4,320円
「山笑ふ」は複数の熟成酒をブレンド調合したシリーズだ。今回の「其の六」では、玉栄のH5BYとH20BYのブレンドだ。
上立ち香は、ナッツや黒糖、醤油などの熟成香が強い。しかし、口に含むと、熟成によって練れた旨味とともに、若くピチピチした酸も立ち、「若さ」と「枯れたニュアンス」のハーモニーが面白い調べを奏でる。まったりとした熟成感を主張する「旨味」と、すべらかにキレる酒質へ導く「酸」の融合を、ぜひとも味わってほしい。
だが、もちろん真価を発揮するのは燗酒だ。
温めて呑むと桃源郷へ誘ってくれるようだ。



秋鹿 純米古酒 H12BY1,800ml:6,480円
黒糖、醤油のニュアンスの熟成香が強いが、その香りの中に梅のような涼やかな香りを感じる。
アタックで、甘味、旨味の波がストレートに押し寄せてくる。しじみ汁を妄想するような美味さだ。これこそが、熟成により「味が凝縮する」ということなのだ、と再度納得してしまう凝縮感だ。歳月の重さ、畏敬の念とともに、面白さを感じる。
最終的には、酸が思ったよりキレてきて辛口へといざなわれる。
燗につけて、食中酒としての、この古酒のポテンシャルを思う存分堪能してください。



「魅惑の古酒を紹介」純米酒のDON Yahoo店のお買物まとめページ ←クリック


詳細は・・・地酒のDONホームページ
または・・・純米酒のDON Yahoo店









コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「改良雄町」という酒米・・... | トップ | 奥播磨の熟成古酒「白影泉」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

純米酒」カテゴリの最新記事