唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

耳に残るは君の歌声

2011年08月15日 | 映画 か行
耳に残るは君の歌声 特別版 [DVD]
クリエーター情報なし
パイオニアLDC


時は20世紀前半、ロシアに生まれたユダヤ人少女フィゲレは幼いころに父と生き別れ、ユダヤ人迫害を逃れてイギリスに移住し、スージーという英国風の名前に変えられ、母国語を使うことも禁止される。やがて成長したスージー(クリスティーナ・リッチ)は、パリで歌手として生計を立て始めるが…。


子ども時代の暗い感じがとてもいいです。暗い中でも、お父さんと一緒にいた時間がなんとも言えない美しい時間になっています。最後に再会を果たしますが、その一緒でなかった時間はもう取り返しのつかない時間であり、その間にそれぞれがそれぞれの生きる道をたどってしまっているので、あの別れたときと同じではないのです。

父親にはもう別の家族がいる。娘はもう立派な大人になっている。会った時の違和感をお互い感じたでしょう。
でも、同時にあの時代の2人の思い出、記憶、お互いへの思いがどのような感情になってあらわれたのでしょうか。
お父さんの「私の可愛い小鳥」という表現がとても美しく感じました。


月に囚われた男

2011年08月13日 | 映画 た行
『月に囚われた男』『地球に落ちて来た男』DVD-BOX
クリエーター情報なし
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


監督はデヴィッドボウイの息子さんなんですね。

むかしのSFっぽいところがいいです。難しいこともないし。
静かにゆっくりとおはなしはすすんでいきます。アンダンテですね。

終わりがないのが終わり・・・的な話です。

ひとりっきりの生活で3年間耐えられるのだろうかと想像しながら観てました。
ひとりでこもるのは好きだけど、ちゃんと仕事するでしょうかね。なんかだらだらして動かなくなりそう。
あんな走るのなんてやらないだろうな。

でも、実質的には3年ではなさそうです。「事故」から起こされてどれぐらい仕事できるのでしょうか。クローンはどれぐらい生きられるのでしょうか。

「帰れる」という希望を持たされてる分哀しいです。
なにも記憶を与えなければいいものを。労働意欲にさしさわりがあるのかな?作業に必要な情報だけ与えておけばいいものを。それとも、元の人の記憶がそのまま残ってしまうという設定なのでしょうか。はっ!いつのまにか、企業側の論理になっている。

ひとりっきりのはずの基地に人間がいたらびっくりしますよね。しかも、それが自分だったら驚きも2倍です。自分を生でみたくない・・・
実際に自分が目の前にいたら、うまく生活できるのかな…こんな気難しいめんどくさい人間相手にできるでしょうか。
人間は自分と仲良くできるのでしょうか。永遠のテーマですね。

映画と関係ありそうで関係ない話ですいません。

空の大怪獣 ラドン

2011年08月11日 | 怪獣映画 ウルトラマン
空の大怪獣 ラドン [DVD]
クリエーター情報なし
東宝


ラドンです。ゴジラの敵役というイメージが強いのですが、子どものころに観たイメージはあまり強いというイメージがなかったです。

ラドン単体のやつは初めて見ました。
炭鉱で起きた謎の殺人事件。
犯人の正体は…

というわけで、普通に考えたら思わに展開にびっくり!となるわけですが、もともと怪獣映画なのでまだまだそんなの序の口です。前半はラドンのラの字も出てきません。

ラドンに破壊されていく街がすごいです。強風で屋根がはがされ、バスなんかが飛ばされる映像はすごい作りこまれていて仕事の細かさに感動します。

そして、ラドンの最後のしーん。阿蘇山にミサイルを撃ち込むシーンの爆発もいいですね。それっぽい爆発にするための職人技があるんだろうなあ・・・などと、感心してしまいます。そして噴火する阿蘇山で、ラドンは息絶えます。一回飛んだのになぜ落ちちゃったのかは不明ですが、力尽きて燃えていく様は悲しみを誘います。好きで生まれてきたわけではないのに。人間の社会の中に出てきたばっかりに古代生物は滅びる運命しかたどれなかったわけで
す。

さあ、ひさしぶりにゴジラをみるか!

特撮リボルテック SERIES No.019 ラドン
クリエーター情報なし
海洋堂




フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

2011年08月11日 | 怪獣映画 ウルトラマン
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]
クリエーター情報なし
東宝


勝手に東宝特撮まつり第2段はフランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ!
フランケンシュタインの面影は全くありません。
っていうか、最初のフランケンシュタインはなんだったのでしょうか。フランケンシュタインという名前だけが独り歩きして何でもアリになってます。
そして、タコが出ます。タコが最初だけ出ます。人間は、巨大タコに対しては無関心ですね。

前のフランケンのような人間らしさは全くなく、全身毛でおおわれていて、完全に巨大ゴリラ・・・というか、獣人?地住人?になってます。これがまたかっこいい。ガイラが電流攻撃で傷ついた体は痛々しい。そして、サンダのジェスチャーも素晴らしい。

サンダは山の怪獣、ガイラは海の怪獣。怪獣というのはちょっと当てはまりにくいかな?山猿と海猿って感じでしょうか。
この2匹の怪物は、もともとは一つのものだった。サンダの肉体の一部が切り離されて生まれたのがガイラ。分身だそうです。サンダは人間に育てられたおかげでおとなしい性格になったけれど、ガイラはそうはならなかったということですね。

ガイラはすごいです。人を食べちゃうんだから。ショッキングなのは羽田空港のシーン。空港にいた若い女性をつかんで食べて、服だけペッと吐き出しちゃいます。さすがに外国人の歌手は国際問題になるのを恐れて食べられませんでしたが・・っていうか、あんな高いところから離しちゃったら、死んじゃうと思うけど、幸い生きてました。良かったです。あの山の若者も食べられちゃったのでしょうね。服をペッと吐き捨てるのがなんか面白いですね。

今回はあまり危なっかしいセリフはなかった気がします。

スカイネット ソフビ怪獣 No.01 ガイラ
クリエーター情報なし
青島文化教材社


ミラクルハウス 新世紀合金 東宝メカニック 70式メーサー殺獣光線車
クリエーター情報なし
青島文化教材社



フランケンシュタイン 対 地底怪獣

2011年08月10日 | 怪獣映画 ウルトラマン
フランケンシュタイン 対 地底怪獣 [DVD]
クリエーター情報なし
東宝


レビューで評価が高かったので、危うく買ってしまうところでした。
レンタルにしておいてよかった・・・・

フランケンシュタイン・・・というよりは巨大猿人といった感じです。セットの中を所狭しと走り、飛び回ってます。巨大生物ののっそりとした重量感が感じられません。

しかし、ウルトラマンが、スペシウム光線もウルトラギロチンもウルトラ水流も、もちろん武器も持ってないただの大きな宇宙人だったら、こんな戦いになったのかもしれないという、面白さがありました。岩石や木をぶん投げて、火でけん制して、結局体力勝負。最後はクビをひねってころします。
そして・・・あれ?何でたこ?たこ!たこだよね?山ん中じゃなかったの??あれ?たこだ!たこに引きずり込まれた!え?撤収?たこは?たこはいいの?と、最後のわけの分からない終わり方と思ったら、海外版を見ちゃったみたいです。DVD見るときに気をつけたほうが良いです。絶対日本で上映した方を見るべきです。

まあ、日本のほうも、え?撤収しちゃうの?消火だけ?確認しないの?って感じはありますけど。

怪獣と人間を戦わせようという発想を大真面目にして、それを映画にしてしまうんだから。本当にすごいです。

最後の火の海をバックにし戦いは目に焼きつきます。
フランケンがアパートを覗き込むシーンも迫力満点です。
音楽がゴジラや大魔神を彷彿とさせます。
怪獣の声はゴジラそのもの。顔はちょっとプルがサリっぽいかな?

いきなりドイツなのは驚きですが、ヒロシマの原爆のシーンが描かれているのにもびっくり。
終戦間際、フランケンシュタインがなぜ日本に運び込まれたのか。銃で撃たれても死なない兵士をつくるためという、とんでもない、大日本帝国の計画でした。

今言っちゃいけないせりふがバンバン飛び出してきます。かなり気になります。
フランケンのことも、「飼育」ですからね。

はい!
というわけで、夏休み!勝手に東宝特撮映画まつり!(まだ夏休みではありません)
第一弾はフランケンシュタイン 対 地底怪獣バラゴンでした。
次回は、フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ!、そして、ラドン、ゴジラと続く予定です。

おたのしみに!

…って、自分に言い聞かせてます。期待が大きすぎたので、ちょっとテンション下がってしまいました。
面白ければ、いろんなのみようと思ってたけど、いつまで続くか・・・

あのときの日本の田舎の風景が見られます。
原爆ドームの爆発前の模型もすごいです。なんか貴重なものを見せてもらった気持ちになりました。

東宝大怪獣シリーズ バラゴン1965 (PVC塗装済み完成品 一部組立て式)
クリエーター情報なし
エクスプラス

逆境ナイン  / 島本 和彦

2011年08月06日 | 
逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)
島本 和彦
小学館


「ゲキトウ」に触発されてひさしぶりに読んじゃいました。
すごい荒いです。そして、勢いがある。ある意味いいかげん。激しい。すっ飛ばす。そしてそれがおもしろさになっている。
原作者にしてみればいまふりかえると恥ずかしくてたまらないところももしかしたらあるかもしれません。しかし、「それはそれ、これはこれ」です。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱

2011年08月04日 | 好きな映画・良かった映画
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱 デジタル・リマスター版 [DVD]
クリエーター情報なし
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


提督(ドニーイェン)との最後の死闘がものすごいです。最初の手合わせも美しいです。あと、動きのすばやいジャイアン風なクン大師(知らん・・・しんくんくんじゃなくて・・・ションシンシン)との祭壇競争、後半一気に見せ場をつくります。
フェイホンは基本無敵です。提督が同じレベルの使い手と思いきや、まだまだ足元にも及びません。どれだけ強いのでしょうか。

でも、よく考えたら、フーが名簿を忘れずにちゃんともってきていれば、こんなことにはならなかったのに。

ロザムンドクワンさんの美しさはいつもどおりですが、私はあなたの叔母だけど心から想ってますみたいな告白のシーンがなんかグッと来て、船に間に合わずお別れしちゃうわけですが、そのときの叔母さんの愛に満ちた笑みが美しいです。そしてその後のフーとのやり取りでとても素直なフェイホンでした。

この話は結構複雑です。
白蓮教の集団は、外国を排斥して国を守ろうと、貧しいものの味方として勢力を増し、過激な排斥運動をしています。提督は当然清という国の立場から国を愛しています。外国が入り込んで清が弱体化するのを嫌がっています。でも、その上の人はイギリスに守ってもらおうと思っていて、それ自体が気に入りません。
そして孫文たちは民主国家の樹立のために革命を組織している。領事館をドサクサで襲ったのは、イギリスの排斥と革命運動の弾圧だったわけです。
そしてそんなごちゃごちゃした状況の中でウォンフェイホンのとった行動は・・・

フェイホン伝説のドキュメント。香港でのエピソードを紹介しています。大勢のチンピラと戦って勝ったけれど、けが人が出たので香港にいられなくなって帰った話。闘犬と闘って勝ったはなし。医者としても優れている話。奥さん3人に先立たれ4年目の奥さんは武術家だとか何とか。あれ?叔母さんはどうなるの?最初の奥さんだったら結婚して死んじゃうということなのでしょうか。ちょっと心配です。


シルクウッド

2011年08月03日 | 映画 さ行
シルクウッド [DVD]
クリエーター情報なし
角川映画


実在した人物シルクウッドのお話。
なかなかDVDが手に入らなかったのですが、やっと見ることができました。

1974年、全米を揺るがした実在の事件を映画化。プルトニウム工業で汚染し、謎の交通事故死を遂げたカレン・シルクウッド事件に材を取った社会派ドラマ。

会社の隠蔽工作や被曝していく労働者をただそのまま黙って見過ごすわけにはいかず、組合で運動をすすめていくわけですが、実際の話だけあって、彼女の正義感と行動がそのまま受け入れられるわけではありません。

同じ職場の労働者は、彼女の運動によって、工場が閉鎖され失業するのを恐れ、彼女から離れていきます。

会社の嫌がらせもエスカレートしていき、命の危険にさらされ、そして実際に事自動車故死という結末が待っています。
その一年後に工場は閉鎖されたようですが、この原発推進の体質がこれで改善されたわけではなく、すべては闇に葬られ・・・となったかどうかは分かりませんが・・・

シルクウッドさんが実際にどのような人かは知りませんが、正義感バリバリの活動家というのでなくて、本当に普通の女性・・・タバコは離さないし(子どもの前でも平気ですってて、タバコを持ちながらでも普通に抱きしめたりしちゃいます)、ブラジャーしないので、若かりし日のメリルさんの体の線がそのままリアルに見えちゃいますし、とても自由奔放な感じで結構キレるし、その辺にいるお姉ちゃんって感じが好感持てます。そういう普通の人が運動してるってところがとても良いです。そして、命の危険から身を守りたいという、ストレートでシンプルな要求なので、強い信念を感じさせます。

メリルさんの演技はすごすぎる。ガサツ(?)な感じ、あんなにタバコをすって、まさに命がけですね。タバコの印象が強すぎて、マジで体のことを気にするんならタバコのほうをやめろといいたくなりそうなぐらいタバコが出てくる。

カートラッセルさんは今とほとんど変わらないです。

放射線の人体への影響というのは、まだまだ基準があいまいな状態で、会社から何の説明も去れないまま労働者は働いています。学者さんみたいな人が言ってました。炭鉱ではカナリヤを使うが、ここではあなた方がカナリヤなんだと。しかも、体調を崩した労働者は闇に葬られていったのでしょう。

時計の針の夜光塗料を塗るのに筆をなめるのでそこから多くの女性労働者が体に偏重をきたしたことや、「これが原発だ」の本での被爆者の口封じなんかを思い出します。

結局、原発という代物は昔から今に至るまで、事実を隠してつくり上げられた体制なんですね。だから、何か起こったときにも事実を明らかにすることができない。事実を出してしまったら、すべての原発を止めなければいけなくなる。そうなると、原発で利権をむさぼる企業のみなさんが困っちゃうという構図になっているのでしょう。

だから、撤退を決めたドイツだってうまくいってないとか、企業が海外に移ってしまうとか、ウソのごまかしをさらにしていくわけですね。やらせまでして。
そして、そんな馬鹿な隠蔽工作を棚に上げて、中国の隠蔽体質は攻撃してぼろくそに言う。結局それで争点そらしをしたいのだろうけど・・・マスメディアまでにぎられちゃってるんでしょうね。

でも今となっては原発の問題はシンプルになってると思います。

国民の命を危険にさらす原発事故がおこって、それをいまだに収束できないでいる状態・・・ようは、事故を防ぐ能力も、事故が起きた後にそれを収束させる能力を持たない状態では、撤退意外に選択肢はないということです。

それでうまくいくのか、という意見に対して言いたいのは、それをみんなで考えれば良いじゃないかということです。

電力供給ができなくなるというのもウソだということが今では常識ですが、それだって、100歩譲ってそうだとしても、それならば、電力を抑える社会にどうして行くかを考えて実践すればいいだけじゃないですか。

海外に企業が行っちゃうというけれど、海外は今電力不足で悩んでいる状態だそうで、誰もそれを理由には海外移転はしないだろうし・・・
がんばろう日本とか、国民に押し付けるだけじゃななくて、大企業にこそ、日本で復興のために踏ん張ってもらえばいいじゃないですか。ちょっといらいらしてきました。

目先の儲け優先で原発にいまだに固執している連中のカナリヤになりたくないです。

もう3時過ぎてます。まいった・・・