まず最初の爆発でやられてしまいました。
でも、そんな派手な映画ではないのです。
かなり暗いお話です。
独裁者に支配され、自由のない世界を開放するという話ですが、ヒーローが現れて開放しちゃいました!という話ではありません。
そう思わせておいて、実は世界を変えたのは主人公じゃなくて民衆だと言いたいような感じです。彼は最初のきっかけを与えただけ。そういう意味では、ドミノを倒すシーンは象徴的です。
Vの人はエージェントスミスだそうです。あのしゃべり方がとても似合ってます。
国民を監視し、マスメディアを使って国民を支配するというところはほんと、架空の世界の出来事とは思えない。現代の世界にそのまま当てはまるものだと思いました。
最後の広場のシーンは寒気がするぐらいよかったシーンです。しかも、ハリウッド的な「ウォー」って感じの歓声で終わるわけじゃなくて、派手だけど暗い感じがよかったです
仮面の中は理念だから死なない。
仮面の中味は私(人)ではない。仮面は理念で象徴だったわけですけれども、最初のところで理念にはキスはできないと言ってました。その仮面にキスをすることで人間になってしまったわけで、だから血を流すし、死んじゃいます。彼女が求めたのはVの理念ではなく人間としてもVであり、愛だったんですねえ・・・そしてVも人間である自分を自覚したのでしょう・・・
そんなこんなでいろいろ考えさせてくれますが、、それにしても、拷問はいけないだろうと・・・良かれと思ってやったとか、そういう問題ではないのでは?と思いつつも、そこも好きなところです。
それを知った彼女の反応もそうなるか?と思いつつも、好きなシーンです。
仮面から唇が離れたときにプルンッッとするところがきゅっとなります。
2006-11-02 23:19:19
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2009年の2本目はⅤです。
これまた映像がすばらしいです。2回あった爆発は美しい。
近未来の独裁政治というありがちな設定ではありますが、映画全体の暗さがそれをリアルにしています。あと、潔癖症の正義じゃないところもいいです。Vはテロリストです。人も平気で殺します。彼を今まで生きさせたのは、復讐です。その行為に擁護できるところなんてありません。
でも、ゆとりのある、巧妙な戦いっぷりは気持ちいいです。
なぜ死なないか・・・・それは仮面の中身は理念だからです。そして理念は国民を動かし、革命につながります。
でも、Vは、キスもしたし、死にもしました。人間だったんですね。